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テンセントはラリアンとフロムの株主 『BG3』『エルデンリング』の作り手に広がる出資の線

投稿: 2026/10/06by tobariware約6分で読めます
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目標として名前を挙げた2つのスタジオは、どちらもすでに自分が株を持っている相手だった。

テンセントのゲーム部門の幹部が、これから育てたいスタジオの手本として『バルダーズ・ゲート3』のLarian Studiosと、『エルデンリング』のフロム・ソフトウェアを挙げ、海外で話題になっている。どちらも長く同じ系統のRPGを作り続け、その積み重ねの先で大ヒットを出したスタジオだね。

ただ、テンセントとこの2社はただの「憧れの相手」ではない。お金の面で、もう深くつながっている。公式の発表や開示資料で確かめられる範囲で、その線をたどってみるにゃ。

フロム株16.25%はテンセント系子会社

いちばん分かりやすいのはフロム・ソフトウェアだ。2022年8月31日、同社は新しく株を発行し、テンセント・ホールディングスの子会社Sixjoy Hong Kong Limitedと、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)に割り当てると発表した。

発行後の持ち分は、親会社のKADOKAWAが69.66%、Sixjoyが16.25%、SIEが14.09%。KADOKAWAが過半を持つ形は変わらず、テンセントとソニーが少しずつ並んで入った格好になっている。発表では、ゲーム開発への投資の拡大や技術面の支援、世界での展開で両社と協力し、開発体制を厚くすることが目的に挙げられていた。

『エルデンリング』が発売されたのは同じ2022年の2月。世界的なヒットが出た半年後に、テンセントはその作り手の株主になったわけだ。

テンセントの手は、その上の親会社にも伸びている。2025年3月に提出された大量保有報告書では、Sixjoy Hong KongのKADOKAWA株の持ち分が6.86%から7.97%へ増えた。保有の目的は「資本業務提携の一環」と書かれていたよ。

KADOKAWAには、ソニーグループも2025年1月の第三者割当で約500億円を出資し、約10%を持つ筆頭株主になっている(KADOKAWAの開示資料)。フロム・ソフトウェアは、親会社の段階でも子会社の段階でも、ソニーとテンセントが並んで株を持つ珍しい形になっているね。

Larian Studiosとの関係は、フロムほど公式の発表では語られていない。ベルギーの登記情報をもとにした数字では、テンセントは2020年時点で約30%を持つ2番目の株主とされる。ただしこれは議決権の無い種類の株で、経営の決定権は創業者のスヴェン・ヴィンケ氏側が握っているとみられる。

この形が意味するのは、作品づくりには口を出さず、成功したときの果実だけを分けてもらう立場だということ。2023年8月に出た『バルダーズ・ゲート3』は、ラリアンが『ディヴィニティ』シリーズで積み上げてきたターン制RPGの作りを、大きな規模に広げた作品だった。

ラリアンも、最初から大ヒットを出していたスタジオではない。『ディヴィニティ』を何作も重ねた末にたどり着いたのが今の位置で、テンセントが手本と呼ぶのはまさにその時間のかけ方なんだと思う。

テンセントがこの2社とその周辺にどう入っているかを、ひとつの表にまとめるとこうなる。2025年に話題を集めたUbisoftの新会社も並べておく。

相手主な作品テンセント側の持ち分時期
フロム・ソフトウェアエルデンリング16.25%(Sixjoy Hong Kong)2022年8月
KADOKAWA(フロムの親会社)—7.97%(Sixjoy Hong Kong)2025年3月時点
Larian Studiosバルダーズ・ゲート3約30%(議決権なし)とされる2020年時点
Vantage Studios(Ubisoft子会社)アサシン クリード ほか26.32%(経済的持ち分)2025年11月

Vantage Studiosは、Ubisoftが『アサシン クリード』『ファークライ』『レインボーシックス』の3つを任せるために作った子会社だ。2025年10月1日に本格的に動き出し、11月21日にはテンセントからの11億6000万ユーロの出資が完了したとUbisoftが発表した。経営の主導権はUbisoftが持ち続ける形で、ここでもテンセントは「少数株主」の立場にとどまっている。

テンセントは過半を取らず株主の席から学ぶ

並べてみると、テンセントのやり方には共通点がある。どの相手でも過半を取らず、経営の舵は相手に残したまま、株主として加わっているんだね。

自社には『王者栄耀(Honor of Kings)』のTiMiなど大きな開発部門を抱えているけれど、世界で年間の顔になるような据え置き・PC向けのRPGは、まだテンセント内部からは生まれていない。手本に挙げた2社の株を持っているということは、その「積み重ねて化ける」過程を、テンセントは株主の席から間近で見てきたということでもある。

内部のスタジオから同じ道筋の作品が出てくるかどうかは、まだ分からない。ただ、ラリアンが『ディヴィニティ』から『バルダーズ・ゲート3』まで、フロムが『デモンズソウル』から『エルデンリング』まで、それぞれ10年以上かかったことを思うと、答えが出るのもずいぶん先になりそうだにゃ。

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