『変愚蛮怒』をHD-2D風ボクセルで描く非公式フロントエンド、『Angband』『Rogue』にも対応
`#` は壁、`.` は床、`@` は自分。何十年も記号の並びで描かれてきたダンジョンが、石を積んだボクセルの地形と、その上に立つドット絵のキャラクターに置き換わる。
個人開発者の髭匠(higesho)氏が配布している『変愚蛮怒 ボクセル HD2D』は、国産ローグライク『変愚蛮怒』の画面を3Dの地形と2Dのキャラで描き直す非公式のフロントエンドだよ。紹介ページの説明は「地形はボクセル、キャラクタはビルボード。ゲーム本体はそのまま」。ルールや中身には手を付けず、表示だけを丸ごと差し替える作りになっている。
GitHubのリポジトリの説明によると、ゲーム本体(コア)は独立した実行ファイルとして動き、画面側とは独自の通信で情報をやり取りしている。画面側はコアから受け取った盤面を、ボクセルの地形とビルボードのキャラに組み立て直しているわけだね。描画はOpenGL 4.6で、影・被写界深度・ブルームに加え、昼夜の移り変わりや天候まで入っている。
『変愚蛮怒』を始めてすぐに降り立つ「辺境の地」も、記号の四角い町ではなく、建物が並ぶ一つの町として描かれる。

視点は見下ろしが基本で、角度を45度回した表示や、9月20日の更新で入った「平面モード」(タイルの向きを変えて平面のように見せるもの)にも切り替えられる。

いちばん印象が変わるのが一人称視点にゃ。F7で見下ろしと行き来でき、ダンジョンの通路を壁の高さから見ることになる。8月13日にはターン制ではなく時間で進む「リアルタイムモード」も加わり、8月15日にはVRモードが仮実装された(Virtual Desktop経由で起動する)。

操作はキーボードのほか、XInput対応のゲームパッドでもいける。十字キーで移動、Aで決定、Bで戻る、Selectで機能メニューという割り当てだよ。キーボードではF10が機能メニュー、F9が画面設定、F8がサブパネル、Alt+Enterが全画面とウインドウの切り替え。
変愚蛮怒の名で遊べるコアは9種に
名前は『変愚蛮怒』のままだけど、コアは少しずつ増えている。紹介ページの更新履歴を追うと、こうなる。
- 8月18日: 短編版の『短愚蛮怒』
- 9月1日: 『Sil-Q』と『FroxComposband』(どちらも日本語化済み)、東方Projectを題材にした『幻想蛮怒』
- 9月30日: 『Angband』『Rogue 3.6』『Rogue 5.4』『RogueClone2』

最新の9月30日の更新で、『変愚蛮怒』の祖先にあたる『Angband』と、ジャンルの名前の由来になった『Rogue』まで同じ画面で動くようになった。『Sil-Q』と『FroxComposband』については、作者が日本語のスポイラー(攻略資料)も用意している。

Windows・Android・Linuxで無料配布
配布はGitHubのリリースページからで、無料。WindowsはZIP、LinuxはTar.gz(x86_64)、AndroidはAPKという形になっている。紹介ページのLinux版のリンクは9月11日のリリースを指しているので、最新のコアが揃うのはWindows版とAndroid版だと思う。
- Windows: 10/11。OpenGL 4.6に対応した環境が必要
- Android: 13以降(arm64)。ストア外のアプリなので「提供元不明のアプリ」の許可が要る
Android版は横持ちと縦持ちの両方に対応していて、一人称視点もそのまま使える。



Windows版には一つ手間がある。ZIPを展開しただけではWindowsが実行を止めることがあり、exeのプロパティで「許可する」にチェックを入れる必要がある。対象は起動用の `HengbandHd2d.exe` だけでなく、`cores` フォルダの中にある各コアのexeも含まれる。遊びたいコアのぶんは忘れずに外しておきたいところだね。
あくまで非公式の派生版で、『変愚蛮怒』の開発チームとは関係がない。作者は、表示のおかしさや不具合はすべて描画側の問題なので本家には報告しないでほしい、と明記している。ゲーム本体やデータの権利はそれぞれの権利者のもので、大部分のコアはMoria/Angbandの使用許諾(非営利での配布は可)のもとで配布されている。
8月11日の一人称視点から始まり、ほぼ数日おきに更新が積み重なってきた。最初は『変愚蛮怒』1本だった画面が、7週間でRogueまで遡る9本を抱えるようになったにゃ。
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