『DinoBones』と『Museologist』、副題まで同じ博物館片付けゲームがSteamで同日発売
Steamの新着一覧に、こんな2本が上下に並んだ。『DinoBones: Tidy Up the Museum』と『Museologist: Tidy Up the Museum!』。違いは副題の最後に「!」があるかどうかくらいで、発売日も同じ。定価790円に、発売記念の10%オフが付いて711円なのも同じだった。
作っているのは別々のチームだよ。どちらも、荒れ果てた博物館で散らばった展示物を拾い集め、元の場所へ戻していく一人用のシミュレーション。これがr/Steamに「そろそろ笑えてきた」という一言とともに貼られ、片付けゲームの増え方と生成AIをめぐる話にまで広がったにゃ。
恐竜9体・骨約2,000本を自分の目で見分ける
『DinoBones』の舞台は、何かが起きて木箱がひっくり返った恐竜の展示ホール。床や階段に散らばった頭骨・肋骨・椎骨を拾い、どの恐竜のものかを見分けて、骨格に1本ずつはめ込んでいく。組み直す骨格は9体、骨は約2,000本。館内には1匹の猫もいる(Steamストアページ)。



面白いのは、拾った骨がどれも最初は「Unknown」になっているところ。恐竜ごとに骨の色や質感、すり減り方が違っていて、置いた数が増えるほど見分けが速くなるという作りだね。ストアには「スキルツリーもアップグレードもない。上達するのはあなた自身」とはっきり書かれている。骨格が組み上がるたびに館内でイベントが起き、おもちゃなどのご褒美が残される。

発売までには少し揉めた。当初の発売予定は9月22日だったけど、Steamの審査が長引いて延期に。その間には、ストアのカプセル画像に生成AIが使われているのではないかという指摘や、ステゴサウルスとアロサウルスのモデルが別のアーティストの作品に似すぎているという指摘も出た。開発チームは告知でカプセル画像を描き直したと説明し、2体のモデルは作品から取り除いて一から作り直したことも明かしている(開発チームの告知)。いまのストア説明の冒頭には「ゲームプレイにAI生成コンテンツは一切使用していない」という一文が入っている。
発売を知らせる告知が出たのは日本時間9月25日の夜。ウィッシュリストは10万件を超えたそうで、記事執筆時点のレビューは162件で「非常に好評」。
『Museologist』は、地震で崩れた博物館が舞台だよ。新任の博物館学者として、館を再開するか閉鎖するかを委員会が決めるまでの1週間で展示を立て直す。瓦礫の下にあるのは恐竜の化石だけじゃない。刀匠の刃やファラオのデスマスク、儀式用の仮面、古代の硬貨、彫像まであって、3,516個の欠片から543点を復元していく(Steamストアページ)。
腕前だけで勝負する『DinoBones』とは、方向がはっきり逆になっている。展示室を1つ片付けるたびに、館の支給品として道具が解放される仕組み。欠片を持って飛ばすと同じ展示品の残りの部品を集めてくる配達ドローン、同じ展示品の部品を光らせるARバイザー、持っている欠片を正しい位置へ一瞬ではめ込むオートスナップ。どの部屋から手を付け、どの道具を組み合わせるかで片付く速さが変わる。仕上がった展示室は速さと正確さで評価され、その点数が館の存続を左右する。

作っているのは2人のチーム。発売日は8月の時点で「こちらの都合で1日だけ後ろへずらす」と告知していた(開発チームの告知)。一方の『DinoBones』は審査待ちで3日遅れている。それぞれの予定がずれた結果、同じ日にたどり着いたことになるにゃ。
発売初日のうちにパッチが2回配信された。2回目は、遊んだ人の要望を受けた調整がまとまった内容になっている。
公式のパッチノートより・主な項目(日本語訳)
- 正しい位置に置いた欠片は、軽く触れただけでは外れなくなった。外すときは操作キーを長押しする
- 「正しい欠片を固定する」オプションを追加
- ダッシュを押しっぱなしにしなくてよい切り替え式を追加
- ジュークボックスで流す曲を選べるようになった
- スキルを1つも使わずにクリアする実績「Nobody Asked for Help」を追加
記事執筆時点のレビューは26件で「好評」。
| 『DinoBones』 | 『Museologist』 | |
|---|---|---|
| 直すもの | 恐竜の骨格9体(骨約2,000本) | 展示品543点(欠片3,516個) |
| 成長要素 | なし(見分けは自分で覚える) | 道具やスキルを解放して効率化 |
| 対応OS | Windows / macOS / Linux | Windows |
| 日本語 | テキスト対応 | テキスト対応 |
| 価格 | 790円(発売記念で711円) | 790円(発売記念で711円) |
どちらもビクトリア朝風の天井の高いホールが舞台で、Museologistにも化石の展示室がある。スクリーンショットだけを見比べると、区別がつかなくても無理はないね。ただ中身を読むと、「骨の見分け方を覚えるゲーム」と「道具を揃えて手際よく片付けるゲーム」で、目指しているものはだいぶ違う。
AI製か見分けにくいと悩むRedditの声
片付けゲームそのものを楽しんでいる人は多い。ただ最初に出てきたのは、作品の出来より「AIで作られていないものを選びたい」という悩みだった。
こういうゲームはわりと好き。困るのは、どれがAIに丸投げして作ったものじゃないのか、AI生成の粗悪な素材を使っていないのかを見分けるのが難しくなってきたこと。
これに対して、かなり悲観的な見方も出ている。
ほとんどがそうだと断言してもいい。当然、わざわざ明かすところなんてないけど。
すると、すぐに別の人が訂正を入れた。
明かしているところもけっこうある。ただ、AIだと分かっているのに証明できないものもあるんだ。
「Steamは開示を義務にするべきだ」という声も上がっている。実際にはSteamは2024年から、生成AIを使った作品に開発者の申告を求めていて、申告した内容はストアページの専用欄に表示される仕組みがすでにある。スレッドの中でも、その場所を教える人がいた。
全部のゲームでそうなのかは分からないけど、ストアページを下へスクロールすると、動作環境の近くにAIについての注記が載っていることが多いよ。
気になるのは、申告してさえいれば済むのかという点。別の人は「最近、大作でもAIを使っていたのに開示していなかった例があった」と書いていて、申告に頼る仕組みの限界を指している。
同じ副題になった理由については、皮肉めいた推測もあった。
どっちも同じだよ。作った“人たち”がChatGPTに「自分の癒し系ゲームの副題を考えて」と頼んだら、同じ答えが返ってきたんでしょ。
ただ、上で見たとおり、2本の発売日が重なったのはそれぞれの延期が重なった結果だった。副題がどう決まったのかは、どちらの開発チームも説明していない。
もっと大きな流れに不満をぶつける人もいた。放置ゲームやクリッカーが好きになったものの、新作の95%はAIで量産されて売り逃げされたものに感じる、という長い投稿だ。これにはすぐ、容赦のない返しが付いた。
そう言いながら、ここ数か月で2,300時間以上遊んでるよね(3か月以上、毎日24時間という計算だよ)。
ああいうレビューがいちばん笑える。何千時間も遊んだ人が「5ドルのゲームにその価値はない」って言うんだから。1時間1セントもしてないじゃん。
安さを評価する声は、ほかにもある。「評価が高いものが多いから、こういうゲームにはちゃんと需要がある」「5ドルで一晩楽しめるなら今どき破格」という書き込みもあった。
肝心の2本についての声は、実はそれほど多くなかった。
妻が『Museologist』を買って、いまのところ楽しんでる。参考になるか分からないけど。
『Museologist』はAIじゃないとはっきりさせてる。もう1本のほうは分からない。
ここは裏を取れた範囲で補っておくにゃ。AIを使っていないとストア説明に明記しているのは、むしろ『DinoBones』のほうだった。一方の『Museologist』のストア説明文には、AIについての記述が見当たらない。同じ名前の2本は、スレッドの印象とは逆の並びになっていたわけだね。
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