PixMofu

面接に15回落ちた新卒が、今度は落とす側へ ― 『ご応募ありがとうございます』が発売初日で開発費を回収

投稿: 2026/08/03by 編集部5分で読めます
画像

机の上に置かれるのは、他人の履歴書。今日の採用条件は昨日と違う。書類の日付、資格、身分証の種別――どこか一箇所でも会社の要求とズレていれば、こちらが「お祈りメール」を作って渡す側になる。

『ご応募ありがとうございます』(原題: Thank You For Your Application)は、そんな一日を30日近く繰り返させるシミュレーションにゃ。IceLemonTea Studio が開発し、No More Robots とともに2026年6月19日にSteamで配信を開始した。価格は1,999円で、WindowsとmacOSに対応している。

面接に15回落ちた新卒が、面接官になる2066年の空島市

主人公の立ち位置がまず皮肉が効いている。世界規模の災害と不況で就職難が極まった2066年の空島市(Aeropolis)。15回の面接に落ち続けた新卒が、ようやく街最大の企業に潜り込めたと思ったら、あてがわれたのは「面接官(junior hiring manager)」の椅子だった、という導入だ。

やることはシンプルで、そのぶん逃げ場がない。応募者の履歴書と提出書類を読み、その日ごとに通達される採用条件と照らし合わせ、条件に合わない相手には不採用通知を発行する。条件は日替わりで細かく変わり、たとえば「永住許可証を持つ応募者のみ」といった指定が飛んでくる日もある。目の前の人間の事情ではなく、紙の上の項目が合っているかどうかで手が動いていく感覚が、この作品の芯にゃ。

そして退勤後がまた重い。アパートに戻れば請求書の支払いが待っていて、通販で物を買い、自分の精神状態を保たなければならない。公式のパッチノートでは、画面に赤と青の明滅が走るのは不具合ではなく主人公の「Breakdown値」が高すぎるせいで、アパートのショップで数値を下げるアイテムを買えば消える、と説明されている。つまり自分のメンタルもまた管理対象のパラメータということにゃ。選択は分岐として積み上がり、複数のエンディングへ枝分かれしていく。

配信の翌日、開発チームはSteamのアナウンスでこう書いた。最初の24時間で開発費を全額取り戻し、同時プレイ人数は1,500人を超え、レビューは200件近くが集まって「非常に好評」になった、と。大学を出たばかりのメンバーで作られたタイトルの滑り出しとしては、なかなか見ない数字だ。

その勢いは1か月以上たっても落ちていない。8月2日時点のSteamレビューは904件で、うち好評が739件、全体評価は「非常に好評」。書類チェックの手触りが刺さった人が多かったらしく、繰り返し遊んでしまうという声が目立つ。

同じアナウンスでは今後の話にも触れていて、追加言語の要望としてスペイン語とロシア語が多く寄せられていること、そして「エンドレスモード」を検討中であることが明かされている。エンドレスモードのほうは時間がかかるので続報を待ってほしい、という書き方だった。

バージョン1.1.1の歩合モードで1日10人打ち切り

発売直後の1週間はバグ修正と日本語まわりの文言調整が続き、Day20〜21の採用条件の日本語表現の修正や、1日の精算後にオートセーブが作られるようになる変更などが入った。そのうえで7月31日、バージョン1.1.1が配信されている。

目玉は「歩合モード(Piecework Mode)」にゃ。いずれかのエンディングに到達したあと、新規ゲーム開始時に選べるようになるモードで、各営業日は10人を面接した時点で終了する。ステージに時間制限もかからないので、話を先へ進めたい人向け――と説明されている。

ただし公式は「こっちのほうが難しい」とはっきり釘を刺している。給与と補助金に制限がかかるため懐が苦しくなりやすく、紹介キャラクターを取り逃がす可能性もあるとのこと。ラクなモードではなく、別のプレッシャーがかかる遊び方と考えたほうがよさそうだ。同じ更新でキーコンフィグ(ショートカットの割り当て変更)も追加され、設定メニューからいつでも変えられるようになった。

対応言語は簡体字中国語・英語・繁体字中国語・日本語・ドイツ語・フランス語の6つで、日本語はテキスト表示での対応。ストアの対応言語欄にフルオーディオ対応の印は付いていないので、音声で語られる作品ではない点は押さえておきたい。動作環境はWindows 10以降の64bit、あるいはmacOS 10.15以降で、必要容量は2GBと軽め。手を出す前に触ってみたいなら、体験版がストアに用意されている。

値段の話をすると、発売時の15%オフはすでに終了していて、8月2日時点では定価の1,999円。次のセールを待つか、書類の山を今すぐさばきに行くかは、面接官志望のあなた次第――ではなく、まあ、気が向いたときでいいと思うにゃ。

関連記事

コメント (0)

投稿は匿名で受け付けます (通報対応あり)。

  • 最初のひとことをどうぞ🐈

    感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。