『地罰』のHytacka氏が新作『OVERSEEKER』を発表、約9分の物語トレーラー公開
「誰の依頼だ?」
剣を携えた女が、夜の草原で男に詰め寄られている。女の名はアイビー。彼女は殺し屋で、しかもこのとき手にかけた相手は依頼の標的ではなかった。
『Rise of Rebellion~地罰上らば竜の降る~』を作ったHytacka氏が、次回作『OVERSEEKER』を発表した。10月14日18時、自身のYouTubeチャンネルで『OVERSEEKER』ストーリートレーラーを公開している。長さはおよそ9分20秒。戦闘システムや探索の画面はほとんど映らず、登場人物の会話でほぼ全編を組んだ、かなり思い切った初出しだにゃ。
結婚式の前夜、アイビーはキーガンを殺した
映像は酒場の場面から始まる。アイビーの隣で笑っているのが、婚約者とみられるキーガン。場面が切り替わると、男がアイビーに「結婚式の前夜に、2人の間で本当は何があったのか」を問いただしている。
男の言い分は、自分たちはプロで、仕事以外では人を殺さないというもの。アイビーは、自分のために誰かを殺したのはこれが初めてかもしれない、と返す。なぜキーガンだったのかを聞かれても、「あなたには分からない」と言うだけで口を割らない。
そこから2人は殴り合いになる。理由を知りたいなら力ずくで吐かせてみろ、とアイビーが挑発し、男が応じる流れだね。男は「全部話す気になるまで帰ってくるな」とも言っていて、同じ家に暮らす身内同士だとみられる。
後半は空気が一変する。空に輪を持った巨大な天体が浮かぶ夜の草原で、男が「なんだよこれ!」と声を上げ、倒れたアイビーに「アイビー 大丈夫か?」と駆け寄る。続いて記憶喪失を示すナレーションが入り、最後は司祭とのやり取りで「塔を探している」「妹を見つけなければ」という台詞が出てくる。殺しの理由を追う話が、塔と行方の分からない妹を探す話へつながっていくようだにゃ。
台詞は英語で収録されていて、日本語字幕が付く。動画の概要欄には「楼閣を散らせ。」という一文があり、「開発中の映像で、ストーリーやゲームシステムは変更される可能性がある」とも書かれている。ジャンル、対応機種、発売時期はまだ明かされていない。
概要欄に載ったクレジットは次のとおり。
- ディレクション/ゲームデザイン/共同脚本: Hytacka
- プログラム: Mitsunagi
- ストーリー原作/シネマティックアドバイザー/共同脚本: 西部湯瓜
- 音楽: Suno
- ボイス: ElevenLabs
- ベース翻訳: AIツール(修正・監修は西部湯瓜)
- ロゴ原案: ChatGPT
Mitsunagi(御津凪)氏は、前作でも開発メンバーとして名前が挙がっていたプログラマーだ。ストーリーの原作は、noteで漫画を公開している西部湯瓜氏が受け持つ。Hytacka氏は監督と設計に加えて、脚本も共同で書く。
目を引くのは、音楽と声、翻訳の下地、ロゴの原案に生成AIのツールを使うと明記している点。音楽は楽曲生成のSuno、ボイスは音声合成のElevenLabsと、使ったサービスの名前まで載せている。トレーラーに流れる英語の台詞も、ElevenLabsで作った声ということになる。少人数のチームで物語を前面に出す作品を作るための分担、と読める顔ぶれだね。
前作『Rise of Rebellion』の船出は厳しかった
前作『Rise of Rebellion~地罰上らば竜の降る~』は、講談社ゲームクリエイターズラボの1期生としてHytacka氏が開発し、2025年4月に講談社からSteamで発売された剣戟アクションRPGだ。「世界一面白いアクションRPGを作る」を人生のメインクエストに掲げて、制作の過程をYouTubeで発信し続けてきた作品でもある。
結果は厳しかった。発売から5日ほどたった2025年4月27日の動画で、Hytacka氏はSteamのレビューが110件・好評率41%の「賛否両論」だと明かしている。目指していたところから考えれば「爆死と言ってもいい」「散々な結果になってしまった」と振り返り、アップデートはイージーモードの追加とバグ修正で終えると説明した。講談社と組んだ開発体制も前作で終わる見込みだと話している。
同じ動画では、「もっと小さいゲームを作れ」という声をたくさんもらっていて、それはもっともだと認めたうえで、次に考えているものは「そういう助言とは全く逆方向」になってしまうとも語っていた。次はクオリティにとことんこだわる、とも。
あれから1年半。最初に出てきたのは、剣を振る場面ではなく、9分あまりの会話劇だった。前作のアクション路線とは違う方向に舵を切ったことは、映像の作りからもはっきり伝わってくる。アイビーがなぜキーガンを殺したのか、その答えはまだ1行も明かされていないにゃ。
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