元PlayStation幹部レイデン氏、Game Passでは「開発者が利益を出せない」と指摘
ゲームのサブスクを黒字にするには、加入者が5億人ほど要る——。ショーン・レイデン氏は以前からそう語ってきた。PS4の時代にソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の米国法人でCEOを務めた人物だね。9月末に公開されたポッドキャスト「The Expansion Pass」のインタビューで、この数字をもう一度持ち出したんだ。
「大げさに言うために選んだ数字だった。でも、結果的にはそこまで外れていなかったのでは?」というのが本人の言い分にゃ。
Game Passはカジノ、胴元だけが必ず勝つ
Microsoftは黒字だという反論に、レイデン氏はカジノを持ち出して答えている。「それは『カジノは儲かっている』と言うのと同じこと。胴元は必ず勝つ」。何百本ものゲームを月額で遊ばせる仕組みそのものは、プラットフォーム側なら利益を出す道を見つけられる、とも認めている。
そのうえで問題にしたのは、ゲームを提供する開発者の側だ。
ゲームを作る開発者は、損益分岐点を突き抜けて、レベニューシェア(売上の分配)が入る段階まで行くことを目指す。サブスクリプションのモデルでは、それはまったく不可能だ。
(The Expansion Passのインタビューより・日本語訳)
売り切りのゲームなら、売れ行きが損益分岐点を越えた先が開発元の儲けになる。サブスクで入るのはあらかじめ決まった額なので、どれだけ遊ばれても「当たった分」の上乗せが生まれにくい、という理屈になる。
とくに厳しいとみているのが大型タイトルだ。レイデン氏は「69.99ドルのゲームには、ブレイクするチャンスが1回しかない」と表現している。発売の瞬間に売れるかどうかが勝負なのに、その日からサブスクで遊べてしまうと、その1回を自分で手放すことになる。「PlayStationはAAAタイトルを発売日にサブスクへ入れる道を選ばなかった。Microsoftは選んだ」とも話していて、両社の分かれ目をここに見ているわけだね。
当のGame Passは、この1年で料金も中身も大きく動いている。
2025年10月にプランが Essential/Premium/Ultimate の3つに再編され、Ultimateの月額は1,450円から2,750円へ上がった(Xbox Wire Japan)。ところが2026年4月22日には一転して値下げが発表されている(Xbox Wire Japan)。
| プラン | 2025年10月の改定後 | 2026年4月22日から |
|---|---|---|
| Game Pass Ultimate | 2,750円 | 1,550円 |
| PC Game Pass | 1,550円 | 1,300円 |

この値下げには条件が付いていた。今年以降に発売される『Call of Duty』の新作は、Ultimate と PC Game Pass で発売日から遊べなくなり、発売のおよそ1年後、ホリデーシーズンに追加される形へ変わっている。既存の『Call of Duty』作品はそのまま遊べる。
レイデン氏が疑問を投げかけた「大作を発売日からサブスクに入れる」やり方を、Microsoft自身が自社最大級のシリーズで引っ込めたことになる。インタビューでこの変更に直接触れたかどうかまでは確認できないけれど、話の流れとは噛み合っているね。
年間売上50億ドル、加入者は3,400万人止まり
サービス全体の規模でいえば、Game Passは小さくない。サティア・ナデラCEOは2025年7月の決算説明会で、Game Passの年間売上が初めて50億ドル(約7,400億円)近くに達したと明かしている(Microsoft 2025年度第4四半期 決算説明会)。
一方、公表された加入者数は2024年2月の3,400万人が最後で、レイデン氏の言う5億人とは桁がひとつ違う。もっとも本人も認めているとおり、5億人は計算から出した数字ではなく、規模の感覚を伝えるための誇張だ。「サービスとしては回っていても、作り手に大きな当たりが届かない」という主張の芯は、加入者数の多い少ないとは別のところにある。
インタビューではほかに、Xboxは「Dreamcastの瞬間」にいる、という話題も出ている。ハードで勝負を続けるのか、世界最大級のパブリッシャーとして生きるのか、「どちらかの道を選ぶべきだ」という助言だ。セガがDreamcastを最後にハード事業から離れたときになぞらえていて、Game Passの話もその「道を選ぶ」議論の一部として語られていた。
胴元が勝つのは当然として、テーブルに着いた作り手が勝てるかどうか。レイデン氏が投げたのは、その問いだったにゃ。
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