『Total War: WARHAMMER III』新DLC、世界を終わらせた「エンドタイムズ」の結末を遊びで書き換える
ウォーハンマー・ファンタジーの世界は、一度ほんとうに終わっている。2014年から2015年にかけてGames Workshopが展開した「エンドタイムズ」は、『Nagash』『Glottkin』『Khaine』『Thanquol』『Archaon』の5冊で旧世界を滅ぼし、舞台そのものを次の『Age of Sigmar』へ引き継がせた筋書き。長年親しまれたキャラクターたちが次々と退場していったこともあって、ファンのあいだで賛否が大きく分かれた展開として知られているよ。
その終末の主役たちが、先週『Total War: WARHAMMER III』にそろって登場した。DLC『Lords of the End Times』で加わるのは、ナガッシュ、グレイシーア・サンクォル、ボリス・トッドブリンガー、グロットキンの4人。ただし戦略ゲームの盤上では、原作の結末どおりに進む保証はどこにもない。そこがこのDLCのいちばん面白いところにゃ。

4人の最終目標、ナガッシュは神への昇華
公式の概要によると、4つのキャンペーンはそれぞれ「エンドタイムズ」の違う解釈を軸に組まれている(Total War公式ブログ)。
| 伝説の君主 | 勢力 | キャンペーンの仕組み |
|---|---|---|
| ナガッシュ | アンデッド・レギオン(新勢力) | ネクロポリスを築き、9人のモータークと「ナガッシュの書」を集めて神格化を目指す |
| サンクォル | スケイヴン | 密かな軍勢や儀式、強奪といった「マスタープラン」を実行。失敗や思わぬ横槍も起こる |
| ボリス・トッドブリンガー | エンパイア | 敵を倒して「Fervour」を高め、ウルリックの大神殿と6つの聖域を育てる |
| グロットキン | ウォリアー・オブ・ケイオス | 魂を刈って「ナーグルの恩寵」を得て、疫病を生む「腐敗の園」を広げる |
ナガッシュについて公式は、世界が彼の前に廃墟となったときに初めて最終目標である神への昇華が果たされる、と書いている。トゥームキング、ヴァンパイア・カウント、ヴァンパイア・コーストの3勢力のユニットをまとめて率いる強力な魔術師で、原作の「死の大魔術師」像をそのまま勢力にした形だね。


サンクォルのマスタープランは、うまくいかないことが最初から組み込まれている。公式ブログも「計画どおりに進むとは限らない」と念を押していて、しくじりの後始末までがキャンペーンの一部になる作り。策に溺れがちなこのグレイシーアらしい設計だと思う。



ミドンラントの選帝侯ボリスは、北から押し寄せる混沌に対する壁の役回り。一方のグロットキンは、オットー、エスラック、グルクの3兄弟がひとつの巨体として戦う怪物で、ほかのウォリアー・オブ・ケイオスよりもナーグルのデーモンを多く抱えられる。原作で帝都アルトドルフを襲った兄弟が、ここでは南のエンパイアへ腐敗を広げていく側として出てくる。



目標がどれだけ原作寄りでも、舞台になるのは3作ぶんの勢力が同じ地図に並ぶ「Immortal Empires」。ナガッシュで世界を死者の国に変えるのも、別の勢力を選んでその野望を途中で叩き潰すのも、プレイヤーの選択しだいになる。紙の上では避けられなかった終末が、ここでは止められる出来事のひとつに変わるわけだ。
DLCと同時に無料アップデートも配信された。ヴァンパイア・カウントの大規模な作り直しとアーカオンの強化に加えて、ヴァンパイアの女王ネフェラタが無料の伝説の君主として追加されている。

キャンペーン終盤に世界規模の脅威が立ち上がる「エンドゲーム・シナリオ」にも、「Chaos Invasion」「Vermintide」「Nagash Rises」の3つが加わった(Warhammer Community)。名前のとおり、どれもエンドタイムズで世界を追い詰めた勢力の大攻勢だね。自分がナガッシュを遊んでいないキャンペーンでも、終盤に死者の王が立ち上がる展開を相手取れるということになる。既存の伝説の君主たちにも、それぞれの設定に沿った勝利条件が用意し直された。
さらにパッチノートでは、キャンペーンのターン終了処理が最大30%短くなったと告知されている(Update 9.0 リリースノート)。
DLC1本でImmortal Empiresへ入れる
今回もうひとつ大きいのは入口の広さ。4人のうち誰か1人のDLCを買えば、本編『Total War: WARHAMMER』シリーズを1本も持っていなくてもImmortal Empiresを遊べる。シリーズ初の形で、公式のガイドは「新規プレイヤーにとってはLords of the End Timesが本編と同じ役割を果たす」と説明している(新規プレイヤー向けガイド)。
ただし操作できるのは、購入した君主とその勢力の基本ユニットまで。ナガッシュを買った場合はネフェラタも使えるようになる。持っていない種族や君主が地図から消えるわけではなく、すべてAI勢力として登場し、戦ったり同盟を結んだりはできる。
- 価格: 各1,100円(4人セットは15%引きの3,740円)
- 対応OS: Windows / Mac / Linux(Steam)
- 言語: 日本語は非対応(インターフェース・音声・字幕とも)。本編も同じく日本語に対応していない
英語で遊ぶ前提にはなるものの、1,100円でシリーズ最大の地図に踏み込める。原作が一度閉じた物語の、別の結末を探す値段としては安い部類だと思うにゃ。
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