料理で怪物を満腹にする『ハングリー・ホラーズ』が正式版に、怪物34種と料理62種を収録
デュラハンにはヨークシャー・プディングを、ジェニー・グリーンティースにはウナギのゼリー寄せを。剣の代わりに皿を差し出して、伝説の怪物にお腹いっぱいになって帰ってもらうカードゲームがある。
英国のClumsy Bear Studioが手がける『ハングリー・ホラーズ』(原題:Hungry Horrors)が、10月13日に早期アクセスを終えて正式版1.0になった。開発は2人だけで、資金も販売も自分たちでまかなっているスタジオ。1月に早期アクセスを始めてから約9か月での正式リリースだよ。
呪いで腹ぺこのホラーに料理で挑む王女
主人公は、寝ていたいし力仕事は召使いに任せたい、甘やかされた王女。王国に底なしの飢えをもたらす呪いが広がり、英国とアイルランドの民間伝承に出てくる生き物たちが腹ぺこの「ホラー」に変わってしまった。助けに来る王子もいないので、しぶしぶ自分で旅に出る。そのそばには、ことあるごとに皮肉を言う毒舌な猫の使い魔がついてくる。
戦う手段は料理だけ。デッキの1枚1枚が実在する伝統料理で、カードを出すたびに一皿を振る舞う。怪物が王女のところまで迫ってくる前に満腹にできれば勝ち、間に合わなければ王女が食べられてしまう。

駆け引きの軸になるのは味の仕組みだ。料理には塩味・酸味・うま味・苦味・甘味の5つのうちどれかが付いていて、怪物が欲しがる味に合わせ、相性のよい料理を順番につなげて出すほど満腹にする効果が大きくなる。怪物ごとに大好物と大嫌いな食べ物があって、どれくらい食べるかも違うので、相手を覚えるほど献立が組みやすくなる作りだね。
カードは調味料で味を変えたり効果を足したりでき、装備した調理器具は勝負のルールそのものを動かす。旅先で食材を集めて新しい料理を覚え、釣りで珍しい食材を手に入れ、使い魔にポーションを探してもらう——そうした寄り道の積み重ねが、ランごとに違うデッキを作っていくにゃ。


料理はすべて実在のレシピがもとになっていて、クラナカン、トード・イン・ザ・ホールなど、今もパブで出てくるものが多いという。怪物や登場人物、アーティファクトも各地の伝承から取られ、有名な存在から、その土地でしか語られない話までが混ざっている。ウェールズのイ・ファド・フェレンやマロールといった、あまり聞かない名前が並ぶのも面白いところだよ。

正式版1.0で物語に結末が付く
1.0の直前に出た告知では、正式版で加わるものとして、新エリア「The Megaliths」、新しい仕組み、新しい料理・アーティファクト・使い魔・キャラクターが挙げられていた。そしていちばん大きいのが、わがまま王女とホラーたちの物語に結末が付くこと。早期アクセス中は、この物語の終わりまで遊べなかった。
正式版の収録内容は、9月の告知で次のようにまとめられている。
公式の1.0告知より(主な項目・日本語訳)
- 草原から薄暗い高地まで、ブリテン諸島を舞台にした8つのエリア
- Dullahan、Jenny Greenteeth、Queen Mabなど、伝承に登場する34種類のホラー
- 英国とアイルランドの伝統レシピをもとにした62種類の料理
- Herne the HunterやWulverなど、伝説の登場人物13人
- 遊び方を変える調味料・調理器具・ポーション・アーティファクト
- 周回を重ねて強くなる「タリエシンの書」
- 2つのモード:ローグライトの物語モード「キャンペーン」(難易度はクラシックかスパイシー)と、より短く厳しいローグライク「バンケット」(専用の難易度あり)
- ホラーに捕まったときの33種類の死亡アニメーション
- Henry Taylorによるオリジナル楽曲
(Steamの告知より)


2つのモードは性格がはっきり分かれる。キャンペーンは覚えたレシピや能力、調味料を次の挑戦へ持ち越しながら少しずつ進む遊び方で、「料理」「グルメ」といった追加ルールを重ねて条件を変えることもできる。一方のバンケットは全3幕で、一度倒されたら最初からやり直し。腰を据えるか、一発勝負で腕を試すかを選べる形だね。
「タリエシンの書」は9月のアップデートでスキルツリーに作り替えられ、周回で集めたものを使って恒久的な強化を解放していく仕組みになっている。死亡アニメーションのほうも、正式版を前に好きな負け方を見返せる部屋が追加されていて、王女が食べられる場面すら遊びの一部として扱われているにゃ。

配信はSteamのみで、Windowsに加えてMacとLinuxにも対応している。言語は日本語を含む14言語で、日本語はインターフェイスと字幕に対応。音声言語の対応は無い。
Steam Deckでは互換性「確認済み」を取得していて、コントローラーのほか、マウスだけ・キーボードだけでも最後まで遊べる。時間制限のある入力も無いターン制なので、手が止まっても慌てる必要はない。
価格は1,700円。正式リリースに合わせたセールで、10月20日までは20%オフの1,360円で買える。早期アクセス中の評価は「非常に好評」で、レビュー270件のうち265件がおすすめ(98%)という数字のまま正式版を迎えた。
8つのエリア、34種類のホラー、62皿の料理。2年半かけて2人で作った献立が、ようやく最後のコースまで出そろったにゃ。
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