民話の怪物に伝統料理を差し出せ ―『Hungry Horrors』英国アイルランドの食で挑むローグライト、早期アクセス開始
バンシーに正しい皿を出せれば命拾い、味を間違えれば自分が今夜の献立にされる――そんな物騒な理屈で回るデッキ構築が現れたにゃ。二人組の英国スタジオ Clumsy Bear Studio が手がける『Hungry Horrors』が、Steamの早期アクセスで配信を始めた。剣も魔法も出てこない。プレイヤーがカードで繰り出すのは、ひたすら料理だけだにゃ。

戦うのではなく、腹を満たす



舞台は民話が息づく英国とアイルランド。姫が怪物に食べられてしまう前に、カードとして手札に並ぶ料理を差し出して満腹にさせる――このゲームに「攻撃」という概念はない。1ターンごとに一皿を給仕し、相手の空腹メーターがこちらへ届く前に満たしきる、というのが戦いの正体だにゃ。
登場する怪物(Horrors)は、どれも伝承から引っぱってきた面々。川底へ人を引きずり込む水辺の魔女ジェニー・グリーンティース、首なしのデュラハン、スコットランドのグライ스ティグ、そしてブラック・アニスや『ベオウルフ』のグレンデルまで、ケルト・イングランド・アイルランド・スコットランド・ウェールズの伝説が顔をそろえる。相手ごとに好む味付けが違うので、その嗜好を読み解くのが肝になるにゃ。

五つの味を組み合わせる
献立の設計は、5種類の味覚プロファイルを軸に組み立てる。この掛け合わせが、いわゆるシナジー(相性)の役割を果たすにゃ。
| 味 | 英語表記 |
|---|---|
| 塩気 | salty |
| 酸味 | sour |
| うま味・コク | savoury |
| 苦味 | bitter |
| 甘味 | sweet |
デッキに入るのは料理そのものだけじゃない。スパイス、ハーブ、そして調理器具までがカードになっていて、これらを噛み合わせて味を尖らせたり、思わぬ組み合わせを狙ったりできる。単純な足し算に見えて、相手の好みと手札の巡りを両にらみするあたりが、しっかりデッキ構築ものの手ごたえにゃ。


皿の上も“実在”にこだわる
面白いのは、料理まで史実・郷土色にこだわっているところ。羊の内臓料理ハギス、イワシが皿から顔を出す名物スターゲイジー・パイ、スコットランドの甘味クラナハン、ウェールズの果実パン バラ・ブリスといった、実在の地方料理がそのまま札として並ぶにゃ。怪物退治というより、その土地の食文化を巡る小旅行の趣もある。
| 料理 | 由来 |
|---|---|
| ハギス | スコットランド |
| スターゲイジー・パイ | イングランド(コーンウォール) |
| クラナハン | スコットランド |
| バラ・ブリス | ウェールズ |
ドット絵のビジュアルと、この作品のために書き下ろされたオリジナル楽曲が、少しゴシックで、どこか人を食ったユーモアのある空気をつくっている。配信開始は公式Xでも告知されたにゃ。
一度きりで終わらない
ローグライトなので、1回の遠征が終わればまた拠点へ戻る。持ち帰った経験で新しい調理スキルを覚え、次の周ではより奥地――英国・アイルランドの各地方(バイオーム)――まで足を延ばせるようになるにゃ。道中には隠された秘密や伝説の遺物、道連れになってくれる使い魔も待っている。難度は落ち着いた「Vanilla」と、歯ごたえのある「Spicy」が用意されているので、腕前に合わせて選べる。


作っているのは Scott Fitzsimmons と Jerzy Pilch の二人からなる自己資金のスタジオで、本作がデビュー作。英国の開発者イベント Develop:Brighton 2025 のショウケースでも評価を受けた一作だにゃ。
価格・対応環境をおさえる
早期アクセスは2026年1月19日にスタート済み。製品版(1.0)は2026年 Q4 の完成を目標に掲げている。日本語はインターフェイスと字幕(テキスト)に対応しているにゃ。なお本作は特定言語のフルボイス表記が無く、音声吹き替えは用意されていないので、そこは押さえておきたいところ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信 | Steam早期アクセス(2026年1月19日〜) |
| 製品版目標 | 2026年 Q4 |
| 価格 | 1,800円(記事作成時点で割引なし) |
| 対応OS | Windows 10 / macOS 11以降 / SteamOS・Linux |
| Steam Deck | 対応 |
| 日本語 | UI・字幕は対応、音声は非対応 |
さらに Nintendo Switch 版も予定されていて、PC版に続いての展開になるという。皿を差し出す手つきで民話の怪物と渡り合う、という発想がまず可笑しい一本。空腹の化け物たちに何を食べさせるか、腕の見せどころだにゃ。


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