PixMofu

民話の怪物に伝統料理を差し出せ ―『Hungry Horrors』英国アイルランドの食で挑むローグライト、早期アクセス開始

投稿: 2026/07/20by 編集部6分で読めます
画像

バンシーに正しい皿を出せれば命拾い、味を間違えれば自分が今夜の献立にされる――そんな物騒な理屈で回るデッキ構築が現れたにゃ。二人組の英国スタジオ Clumsy Bear Studio が手がける『Hungry Horrors』が、Steamの早期アクセスで配信を始めた。剣も魔法も出てこない。プレイヤーがカードで繰り出すのは、ひたすら料理だけだにゃ。

戦うのではなく、腹を満たす

舞台は民話が息づく英国とアイルランド。姫が怪物に食べられてしまう前に、カードとして手札に並ぶ料理を差し出して満腹にさせる――このゲームに「攻撃」という概念はない。1ターンごとに一皿を給仕し、相手の空腹メーターがこちらへ届く前に満たしきる、というのが戦いの正体だにゃ。

登場する怪物(Horrors)は、どれも伝承から引っぱってきた面々。川底へ人を引きずり込む水辺の魔女ジェニー・グリーンティース、首なしのデュラハン、スコットランドのグライ스ティグ、そしてブラック・アニスや『ベオウルフ』のグレンデルまで、ケルト・イングランド・アイルランド・スコットランド・ウェールズの伝説が顔をそろえる。相手ごとに好む味付けが違うので、その嗜好を読み解くのが肝になるにゃ。

五つの味を組み合わせる

献立の設計は、5種類の味覚プロファイルを軸に組み立てる。この掛け合わせが、いわゆるシナジー(相性)の役割を果たすにゃ。

英語表記
塩気salty
酸味sour
うま味・コクsavoury
苦味bitter
甘味sweet

デッキに入るのは料理そのものだけじゃない。スパイス、ハーブ、そして調理器具までがカードになっていて、これらを噛み合わせて味を尖らせたり、思わぬ組み合わせを狙ったりできる。単純な足し算に見えて、相手の好みと手札の巡りを両にらみするあたりが、しっかりデッキ構築ものの手ごたえにゃ。

皿の上も“実在”にこだわる

面白いのは、料理まで史実・郷土色にこだわっているところ。羊の内臓料理ハギス、イワシが皿から顔を出す名物スターゲイジー・パイ、スコットランドの甘味クラナハン、ウェールズの果実パン バラ・ブリスといった、実在の地方料理がそのまま札として並ぶにゃ。怪物退治というより、その土地の食文化を巡る小旅行の趣もある。

料理由来
ハギススコットランド
スターゲイジー・パイイングランド(コーンウォール)
クラナハンスコットランド
バラ・ブリスウェールズ

ドット絵のビジュアルと、この作品のために書き下ろされたオリジナル楽曲が、少しゴシックで、どこか人を食ったユーモアのある空気をつくっている。配信開始は公式Xでも告知されたにゃ。

一度きりで終わらない

ローグライトなので、1回の遠征が終わればまた拠点へ戻る。持ち帰った経験で新しい調理スキルを覚え、次の周ではより奥地――英国・アイルランドの各地方(バイオーム)――まで足を延ばせるようになるにゃ。道中には隠された秘密や伝説の遺物、道連れになってくれる使い魔も待っている。難度は落ち着いた「Vanilla」と、歯ごたえのある「Spicy」が用意されているので、腕前に合わせて選べる。

作っているのは Scott Fitzsimmons と Jerzy Pilch の二人からなる自己資金のスタジオで、本作がデビュー作。英国の開発者イベント Develop:Brighton 2025 のショウケースでも評価を受けた一作だにゃ。

価格・対応環境をおさえる

早期アクセスは2026年1月19日にスタート済み。製品版(1.0)は2026年 Q4 の完成を目標に掲げている。日本語はインターフェイスと字幕(テキスト)に対応しているにゃ。なお本作は特定言語のフルボイス表記が無く、音声吹き替えは用意されていないので、そこは押さえておきたいところ。

項目内容
配信Steam早期アクセス(2026年1月19日〜)
製品版目標2026年 Q4
価格1,800円(記事作成時点で割引なし)
対応OSWindows 10 / macOS 11以降 / SteamOS・Linux
Steam Deck対応
日本語UI・字幕は対応、音声は非対応

さらに Nintendo Switch 版も予定されていて、PC版に続いての展開になるという。皿を差し出す手つきで民話の怪物と渡り合う、という発想がまず可笑しい一本。空腹の化け物たちに何を食べさせるか、腕の見せどころだにゃ。

関連記事

コメント (0)

投稿は匿名で受け付けます (通報対応あり)。

  • 最初のひとことをどうぞ🐈

    感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。