カードは捨てずに「点け直す」――信号連鎖のデッキ構築ローグライト『ON&OFF』7月31日Steam無料配信
デッキ構築型ローグライトの多くは、カードを「切る」ゲームだ。手札から出して、効果が出て、捨札へ。その一往復を積み重ねてターンが進んでいく。
『ON&OFF』は、そこを最初から諦めている。カードは盤面に残る。そして、OFFからONへ切り替わった瞬間に、また効果が起動する。捨てないので、強いカードは「引き直す」ものではなく「点け直す」ものになるにゃ。
Jungle Game Labがパブリッシングする本作は、2026年7月31日にSteamで配信。しかも無料プレイだ。
盤面に残って、また灯る
公式ストアページによれば、本作は「魔法の込められたカードをグリッド上に配置し、シグナルをつなげていくターン制デッキ構築ローグライク」。
再利用されるカード
カードは盤面に残り、OFFからONの状態へ再起動することで、消費されるのではなく繰り返し効果を発動します。
この一行が本作の設計思想をほぼ全部言っている。攻撃も防御もドローも、カードがOFFからONへ切り替わった「その瞬間」に発動する。つまりプレイヤーが管理するのは「何を引くか」ではなく「どれを、どの順で、何回点けるか」になる。

デッキ構築ものにありがちな「山札を薄くして強い1枚を回す」という定番の最適化があるけれど、本作はその発想を機構そのものに埋め込んだ格好にゃ。デッキを圧縮しなくても、盤面の1枚を何度も起動できるなら、同じ結論に別ルートで辿り着ける。
置き方と向きが、通り道を決める
もうひとつの軸が「シグナル連鎖の設計」だ。カードの配置と向きによって信号の通り道が変わり、1枚を起動しただけで盤面を横断する連鎖が走る、と説明されている。
あるカードがONになると、隣接するカードへ信号が伝わる。伝わった先も切り替わり、そこでまた効果が起動して、さらに次へ――という数珠つなぎだ。グリッドが配線図で、カードがスイッチ、というイメージが近いにゃ。

ここが効いてくるのは、引きの強さより設計の正しさが勝敗に乗るという点だと思う。デッキ構築型ローグライトは、どうしても「事故った」「神引きした」が語りの中心になりやすい。盤面が配線として残るなら、負けた理由は自分の敷き方に返ってくる。運のせいにしにくいゲームは、ハマると抜けられないにゃ。
勝ち筋は一本道じゃない
ストアページでは、デッキの組み方の方向性として複数のスタイルが挙げられている。
| 方向性 | ざっくり言うと |
|---|---|
| キーカード反復型 | 主軸の1枚を何度も起動し続ける |
| 一斉起動型 | 多数のカードをまとめて連鎖させる |
| リソース蓄積型 | 起動を重ねて資源を積み上げる |
同じ「起動する」という動詞から、瞬間火力にも、面制圧にも、長期戦にも分岐していく。戦闘中のデッキ構築を通じて、自分だけの起動方法を組み立てるというのが公式の言い回しで、ビルドの個性はここで出るらしい。


作り手はKRAFTON発の育成プログラム
開発はDopamineCrucian、パブリッシングはJungle Game Lab。このJungle Game Labというのが少し変わっていて、韓国のKRAFTONが運営するゲーム制作人材の育成プログラムだ。参加者が合宿形式で企画から開発・リリースまでを一通り経験し、その成果物をSteamで出すときにパブリッシャー名として掲げられる、という仕組みになっている。
同ラボからはこれまで『EXE.CUTOR』『Cartapli: Fold Quest』などが世に出ている。無料で配信されるタイトルが多いのも、商業的な回収より「出し切ること」に軸足があるプログラムの性格ゆえだろう。
なお、ストアページにはAIツールの使用に関する開示があり、開発中に手続き的生成やAIベースのツールを用いた可能性がある一方、最終的な内容はチームの創作によるものだと説明されている。
7月31日は、もう1本ある
面白いのが日付だ。同じJungle Game Labが出す『Dear Magical Girls』も、まったく同じ7月31日に無料配信される。こちらは以前PixMofuでも取り上げた、結界を伸縮させて魔獣の波をさばくディフェンス作品にゃ。
同じ日・同じパブリッシャー・同じ無料という並びを見るに、ラボの新しい期の成果がまとめて出てくるタイミングとみられる。7月31日は、無料の実験作をまとめて漁れる日になりそうだ。
動作環境と対応言語
| 項目 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit | Windows 10 64bit |
| CPU | Intel Core i3 | Intel Core i5 |
| GPU | GeForce GTX 1050Ti | GeForce GTX 1060 |
| ストレージ | 1GB | 1GB |
| DirectX | Version 12 | ― |
対応言語は日本語・英語・韓国語・簡体字中国語・繁体字中国語。日本語表示に対応しているのは素直にありがたいにゃ。Steam実績、Steamクラウド、難易度設定、マウスのみでの操作にも対応する。要求スペックはGTX 1050Ti級と控えめで、そこそこ古いノートPCでも動きそうだ。
気になるなら、財布は痛まない
デッキ構築型ローグライトは飽和ジャンルで、「またSlay the Spireか」と身構えるのも無理はない。ただ本作の「カードを消費せず、盤面のスイッチとして点け直す」という一点は、既存の型からちゃんとズレている。手札運の話をしないデッキ構築、というのは案外レアにゃ。
パズル寄りの思考が好きで、盤面をこねくり回して最適解を探すのが苦にならない人には刺さりそう。逆に、豪快な引き勝ちの爽快感を求める人には少し理屈っぽく映るかもしれない。
無料である以上、合うかどうかは触ってから決めればいい。7月31日、グリッドに最初の1枚を置いてスイッチを入れてみるにゃ。
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