『Jackal』は家具とドアで敵を倒すマイアミライク、1.0で実績52個
レベル内の敵を、家具とドアだけで1人残らず倒す。そんな条件の実績まで用意されているのが『Jackal』だよ。
舞台は1970年代のラスベガス。薬物で超人的な力を得た殺し屋が、カジノやホテルにいるマフィアを片っ端から襲っていく見下ろし型アクションで、開発と販売はポーランドのTranshuman Design。『Soldat』を作ったミハウ・マルチンコフスキー氏の新作になる。ストアページでは影響を受けた作品として『Hotline Miami』や『ジョン・ウィック』、『ラスベガスをやっつけろ』が挙がっていて、一撃で決着がつく緊張感は確かにマイアミライクの系譜にある。ただ、遊んでいて何が起きるか読めないという点では、少し違う方向を向いているにゃ。
Steamでの発売は2026年2月。価格は1,700円で、Windows・Mac・Linuxで動く。日本語はUIと字幕に対応していて、フルボイスは英語だけ。主人公の声は『I Am Your Beast』のマシュー・カーティス氏が担当している(Steamストアページ)。
ソファもテーブルも凶器、実績52個が手本
ストアページの言い方を借りれば、「ソファからショットガンまで、全てが凶器になる」。戦場はほとんどが屋内で、テーブルやソファ、ビリヤード台がぎっしり置かれている。それらには物理演算が働くので、蹴り飛ばしたテーブルは敵を巻き込み、蹴られた敵は壁にぶつかって倒れる。部屋そのものが武器庫になっている作りだね。



どんな倒し方を想定しているのかは、9月のバージョン1.0で追加された52個の実績を見るとよく分かる。物理演算がらみのものだけを拾うと、こんな具合だ(1.0アップデートのお知らせより・主な項目だけ・日本語訳)。
- Natural Causes — 物理オブジェクトかドアだけを使って、レベル内の敵をすべて倒す
- Ostrich Style — 敵を蹴って壁に叩きつけ、その勢いで倒す
- Special Delivery — 床に落ちた武器を蹴り飛ばして当て、敵を5人倒す
- Bank Shot — 壁で跳ね返った投擲武器で敵を5人倒す
- Reloading Shows Fear — 弾切れの銃を投げつけて敵を倒す
- Table Stakes — テーブルを使ったフィニッシャーを決める
- Redecorating — 壁を使ったフィニッシャーを決める
弾の切れた銃は捨てるものではなく投げるもの、という割り切りも面白い。普段はリロードができず、ストアページにも「リロードは足を引っ張るだけ」とある。銃を撃ち尽くしたら投げ、近くのテーブルを蹴り、ひるんだ相手にフィニッシャーを決める。その流れが途切れないように組まれているんだね。フィニッシャーには、決めると短い間だけ速くなって無敵になる効果も付いていて、速さは重ねがけできる。
同じ1.0では「物理演算による理不尽な自滅をなくした」という調整も入った。家具が飛び交う分、それに自分が巻き込まれる事故も起きていたわけで、暴れる楽しさを残したまま理不尽さだけを削った形になる。
物理演算が効くのはプレイヤーの攻撃だけではない。敵の振り回した武器や撃った弾は、隣にいる仲間にもちゃんと当たる。囲まれたときに敵同士が勝手に倒れていくのは、偶然ではなくそういう作りだからだにゃ。
その証拠に、遊び方を変えるミューテーターの中には「敵同士でダメージを与えない」という項目がある。わざわざ切れるようになっているということは、普段は同士討ちが起きるのが前提ということだね。
敵の動き方も、体験版の更新を重ねながら人間らしい方向へ寄せられてきた。部屋に入る前にドアを叩いたり、入る直前に少し間を置いたり、誰かが倒れた部屋には慎重に踏み込んだり。銃を持った敵の反応も、体験版の段階で少し遅めに直されている。部屋の構成はランダムに作られるので、同じステージでも敵の配置や現れ方は毎回同じにはならない。覚えて詰めるより、その場で起きたことに乗っていくほうが合っている。
発売の翌週、最高難易度のEXTREMEが追加された。開発者自身がこれに付けた呼び名が「Miami style」だよ(EXTREME難易度追加のお知らせより・日本語訳)。
EXTREME難易度(Miami style)を追加
- 敵の移動が速くなり、反応速度が大幅に上がる
- 弾が速くなる
- プレイヤーが速くなる
- プレイヤーの近接攻撃と弾も速くなる
HardとExtremeは最初から選べる
裏を返せば、通常の難易度は『Hotline Miami』ほど敵の反応が鋭くないということになる。振り向きざまに正確に撃ち抜かれるような場面は少なく、敵が誤射したり様子をうかがったりする余地が残されている。あの張り詰めた速さが欲しい人には、それを選ぶ道も最初から開いているわけだね。同じ更新では日本語訳も作り直されていて、体験版の段階ではEasyも加わっていた。
Madnessほか6種、35回で次の1枚
主人公は「スペル」と呼ばれる特殊能力を使える。周りの敵を狂わせて互いに戦わせる「Madness」のほか、時間を操るTimeshift、敵を遅くするSlow、目をくらませるBlind、自分が速くなるSpeed、銃を二丁持ちにするAkimboなどがある。カードの中から選ぶ形式で、新しいスペルはフィニッシャーを決めた回数に応じて手に入っていく。選択画面には「新しいスペルまで、あと16/35回」といった数字が出ている。

ただ、スペル頼みの難易度にはなっていない。1.0で加わった実績の中に「スペルなしでクリアする(No Cosmic Babysitter)」があることからも、使わずに最後まで行けるように作られていると分かる。
チャプターを選ぶときには、ミューテーターで遊び方を細かく変えられる。近接武器だけ、スペルなし、時間制限あり、倒れた敵にはとどめが必須、銃のリロードを可能にする、ランダムなレベル、といった具合で、シード値を入れて同じ構成を遊び直すこともできる。ステージのクリアタイムを競うスピードランのモードもあって、世界中のベストタイムが並ぶランキングが付いている。


物語のほうは、殺し屋と超自然的な相棒が70年代のマフィアだらけのベガスを駆け抜ける「サイケデリック・ノワール」。ステージの合間には、犬の頭をした相棒や賭場のボスたちを描いたムービーが挟まる。

9月18日にはバージョン1.0.1が出て、スペルの取りこぼしや実績の記録まわりが直された。Steamのユーザーレビューは650件のうち575件が好評で、評価は「非常に好評」。
関連記事
ゲームのBGMにAIは「あり」か——開示データが映す、賛否の本当の争点
AI音楽の是非がまた燃えているにゃ。でも実際にSteamで開示されているAIは絵と声に偏っていて、音楽は上位に来ない。数字と制度から争点を整理してみたにゃ。
埋もれた名作JRPG、復活組の3本 ― いま定価で遊べる実力派たち
「過小評価されてる隠れた名作JRPGは?」で決まって名前が挙がるうち、リメイク・移植でいま普通に買える3本を猫が棚から引っぱってきたにゃ。価格も日本語音声もちゃんと整理したよ。
「基本無料はSteamに来ない」Epicボスの主張に総ツッコミ―当のHoYoもう出してる
EpicのTim Sweeney氏が「Steamは手数料が高すぎて原神みたいな基本無料の大作を取り逃がしている」と投稿。でも待って、WarframeもゼンレスもSteamで元気に稼いでるよね…という話を整理してみたにゃ。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。