PixMofu

『バイオ レクイエム』はオンライン作品として試作されていた、ホラーへ引き返した開発の分かれ道

投稿: 2026/10/09by tobariware約4分で読めます
画像

仲間と組んで、広いフィールドを駆け回るバイオハザード。シリーズの新章は、一度その形で作られかけていた。

2026年2月27日に発売された『バイオハザード レクイエム』は、開発の初期にオンライン要素やオープンワールドを取り入れる方向が検討され、実際に試作まで進んでいた。最終的に選ばれたのは、ひとりで暗がりを進むオフラインのサバイバルホラー。シリーズ30周年の今年、その分かれ道があらためて話題になっているにゃ。

この話を最初に公の場で語ったのは、発売前の2025年6月27日に公開された公式の「Creators' Message」。ディレクターの中西晃史氏は、オンライン化やオープンワールド化した『バイオハザード』がファンの間で噂されていることに触れたうえで、開発チームの中でも実際にそうした要素を入れたプロトタイプを作っていたと明かしている。

それでも採用しなかった理由は、シリーズのファンが「見たいもの」「やりたい体験」とは違うのではないか、という判断だった。プロデューサーの川田将央氏も同じ映像の中で、初期にはさまざまな要素を詰め込むことを検討していたと振り返っている。映像の続きは、公式サイト「バイオハザード ポータル」でCAPCOM ID会員向けに公開された。

そうして掲げ直されたコンセプトが「やみつきになる恐怖」。試作を作ってから捨てるのは、机上の検討で終えるよりずっと手間がかかる。作ってみたからこそ「これは違う」と言い切れた、という順番だったのかもしれないにゃ。

震えるグレースと歴戦のレオン、主人公はふたり

ホラーへ戻すと決めたあとに残る問題が、誰に怖がってもらうか。シリーズの顔であるレオン・S・ケネディは、ラクーンシティ事件から数々の死地をくぐり抜けてきた歴戦のエージェントで、いまさらゾンビに震える姿は想像しにくい。

そこで本作の主人公に据えられたのが、FBI分析官のグレース・アッシュクロフト。初めて生物災害に遭遇し、極限状況へ巻き込まれていく人物として描かれ、遊び手は彼女と一緒に「震え慄く恐怖」を味わうことになる。

レオンが第2の主人公として正式に発表されたのは、2025年12月12日の「The Game Awards 2025」。発売のおよそ2か月半前で、それまでの宣伝はグレースの恐怖体験を前面に出していた。カプコンのプレスリリースでは、グレースの側を「震え慄く恐怖」、レオンの側を「敵を薙ぎ払う爽快なアクション」と、はっきり役割を分けて紹介している。

オンライン化を見送った判断と、ふたり主人公の組み立ては、同じ一本の線でつながっている。恐怖を主役に戻すなら、恐怖を受け止める人物と、溜まった緊張を解き放つ人物を別々に用意する。協力プレイで仲間を隣に置く代わりに、ひとりで怯える時間と、ひとりで反撃する時間を交互に渡す作りになった。

開発初期の話が再び注目を集めたのは、9月25日に日経BPから『日経エンタテインメント! BIOHAZARD 30th Special』が出たのがきっかけ。124ページのオールカラーで、価格は2,420円。シリーズ年表、相関図とストーリー年表、クリーチャーの系譜に加えて、開発スタッフの制作秘話や、本作でグレースを演じた貫地谷しほり氏のインタビューを収めている。

同じムックでは、シリーズのプロデューサー竹内潤氏が、リメイクとナンバリングの2本の流れをいずれ交わらせる構想も語っていた。

📄 『バイオハザード』リメイクはいずれ本編と交わる、竹内潤氏が30周年ムックで構想を語る

協力プレイのバイオハザードは、シリーズの中にすでにいくつも存在する。ナンバリングの最新作でそれを選ばなかったことが、発売から7か月以上たったいま、ひとりで遊び切る人の多さとして数字に表れている。

📄 『バイオ レクイエム』Steamのクリア実績は72.8%、RE:4より12ポイント高い

関連記事

コメント (0)

投稿は匿名で受け付けます (通報対応あり)。

  • 最初のひとことをどうぞ🐈

    感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。