『Stage Fright』は1ボタン操作を守った、Overcooked開発陣が語る次の協力プレイ
中国では「離婚キッチン」と呼ばれている——これは他人の悪口ではなく、『Overcooked!』を作った本人たちが、自分のゲームについて書いた一文だ。
Ghost Town Gamesは、Phil DuncanとOli De-Vineの2人が立ち上げたスタジオ。次回作『Stage Fright』の最初のゲームプレイ映像を出した9月9日、2人はSteamに署名入りの長い手紙を載せた(Steamの公式告知)。中身は新作の紹介というより、「10年前に何を作ろうとして、次に何を作るのか」の話になっている。ゲームの概要と映像の中身はこちらの記事にまとめてあるので、ここでは手紙が語る狙いのほうを追っていくにゃ。
手紙は、10年前の1作目の話から始まる。家族や友人が並んで一緒に遊ぶ、という形がどんどん珍しくなっていた頃に、カウチ協力の好きな人に届けばと思って作ったゲームだった。
公式の告知より・日本語訳(一部を抜粋)
開発中はPhilの家のソファに並んで座っていたけれど、これほどの現象になるとは、そして、これほど多くの「仲の良い喧嘩」に火をつけるとは思ってもいなかった。
10年がたち、『Overcooked!』の協力カオスは数千万人に遊ばれ、BAFTAを2つとTGAを1つ受賞し、世界の隅々まで広がった。中国では、聞いた話によると「離婚キッチン」という愛称で呼ばれているらしい!
制限時間に追われながら皿を回す『Overcooked!』は、うまくいかないと声が荒くなるのも込みの遊びだった。2人はそれを恥じるでも誇るでもなく、笑い話として書いている。そのうえで、次に作るものはこの「時間に急かされる緊張」の反対側に置かれた。

次回作を考えるとき、2人が最初に決めたのは、変えないものだった。
公式の告知より・日本語訳
次のゲームを考えはじめたとき、僕らは「家で過ごす土曜の夜」へのノスタルジックな愛着を持ち続け、置き去りにされがちなカウチ協力の遊び手たちの火を、もう一度大きくしたいと思った。
それから、『Overcooked!』の1ボタンで遊べる手軽さを守り、遊べる人の幅を犠牲にしてまで操作の器用さを持ち込む誘惑には乗らない、とも決めた。
ゲームが大きくなると、ボタンを増やして操作で差をつけたくなるもの。冒険ものへ広げるならなおさらだね。そこをあえて我慢した、と開発者自身が書いているのは大きい。上手い人が下手な人を置いていく作りにしない、という宣言でもあるからだ。
Steamのストアページでも、難しさは「指先ではなく頭」にあると説明されている(Steamストア)。手が速いことより、相手に何が見えているかを言葉で伝えられることのほうが効く——喧嘩の種だった「声」を、今度は攻略そのものに変えた形になっている。
変えたのは舞台と時間の流れ。1ステージ数分の厨房から離れ、長い謎解きの物語に腰を据える作りになった。
公式の告知より・日本語訳(一部を抜粋)
時間制のステージの張りつめた焦りとは対照的に、『Stage Fright』では、腰を据えて長い謎に浸ってもらえる。脱出ゲームのようなパズルを協力して解き、奇妙で不可解な障害を一緒に乗り越え、2人の頭を合わせて、変わった住人だらけの奇妙な町で何が起きたのかを突き止めていく。
大好きな青春ドラマ(『グーニーズ』『ストレンジャー・シングス』……)へのオマージュとして、そして『ルイージマンション』のようなゲームへの敬意も込めて。
手本に挙げられた顔ぶれを見ると、目指す空気がはっきりする。子どもたちが仲間うちで町の秘密に首を突っ込む青春もので、怖さもあるけれど陰惨ではない。操作するのは3人の友だち、Drew・Blake・Charlieで、2人のプレイヤーがその組み合わせを入れ替えながら物語を進めていく。ローカルでもオンラインでも2人協力で遊べる。

手紙には内輪の近況も少しだけ書かれている。開発の場所はPhilのソファから、Philの家の屋根裏部屋へ。「机ができたし、腰が痛くないぶん、もっと頭を使う体験になるかも」と冗談を添え、志の近い開発者を何人か仲間に引き入れたという。
販売はHello Games、2027年春
販売は『No Man's Sky』のHello Gamesが担当する。2024年12月の発表時には、Hello Gamesも自社ブログで「僕らのお気に入りのパーティーゲームを作った人たちの次回作」として、裏方で支えると書いていた(Hello Gamesの告知)。
- 発売時期: 2027年春
- 対応機種: Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch / PC(Steam)
- プレイ人数: 2人(オンライン協力・同じ画面での協力)
- 対応言語(Steam): 英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・簡体字中国語(いずれもUI・音声・字幕)。日本語は現時点でストアページの一覧に入っていない
手紙の最後の一文は「誰と遊ぶかは、もう決まっているよね」。『Overcooked!』で一度ぎくしゃくした相手と、今度は並んで謎を解く——2人が描いている次の土曜の夜は、そういう光景だにゃ。
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