Steamのおすすめ欄に猫ガチャや政治家格闘、「こんなの遊んでない」とRedditで共感
「誓って言う、こういうゲームは遊んでない」。Redditのr/Steamに、そんな一言を添えた1枚のスクリーンショットが投稿された。写っているのは、Steamストアのトップにある「Recommended Based on the Games You Play(プレイしたゲームに基づくおすすめ)」の欄。投稿者がふだん遊んでいるのは『DELTARUNE』『Celeste』『Hades』『Hollow Knight』『TUNIC』だというから、並んだ顔ぶれとの落差はなかなかのものだにゃ。

投稿者は「バカっぽいゲームを何本か買ったことはある」と認めつつ、「全部が悪いゲームだと言いたいわけじゃない。ただ、いくつかはちょっと……どうかしてる」と付け足している。この「自分のおすすめ、なんか変じゃない?」という感覚に、多くの人が反応したんだ。
おすすめ欄に出た猫ガチャ・政治家格闘・放置MMO
スクリーンショットの1ページ目に並んでいたのは5本。ストアの情報で確認すると、それぞれこんな作品になる。
| 作品 | どんなゲームか | ストア表記 |
|---|---|---|
| Rat Quest | ネズミが足場を跳んで登っていくアクション。ジャンプに失敗したらやり直し | 655円 |
| Silly Linguine Cat Simulator Deluxe Online | 珍しい猫を集めるクリッカー。進行の代わりにガチャを回す作り | 無料 |
| IdleOn - 放置MMO | 操作していない間もキャラが育つ放置型のRPG | 基本プレイ無料 |
| Electoral Carnage | アメリカの実在の政治家たちが戦う2D格闘ゲーム(早期アクセス) | 基本プレイ無料 |
| Rhythm Doctor | 患者の心拍に合わせてボタンを押すリズムゲーム | 2,300円 |
いちばん目を引いたのが、2本目の長い名前の猫ゲーム。2026年3月27日に無料で出た作品で、ストアの説明によると目標は「いちばんレアな猫を集めること」だけ、というシンプルさ。コメント欄の話題も、まずこの作品に集まった。


ただ、5本が全部場違いだったわけではない。『Rhythm Doctor』は7th Beat Gamesのリズムゲームで、音楽を軸にした作りは『DELTARUNE』を遊ぶ人と相性が悪くなさそうだ。日本語は表示と字幕に対応している(音声は非対応)。



Valveの説明では、選び方の土台はタグではなくプレイ時間
このおすすめ欄の仕組みについては、Valve自身が説明を出している。2020年3月、実験機能だった「Interactive Recommender(インタラクティブ・レコメンダー)」をストアの正式な機能にしたときの告知だ(Steam公式ニュース)。
Interactive Recommenderは、数百万人のSteamユーザーのプレイ時間の履歴で学習した機械学習モデルを使っている。タグやレビューからは直接の影響を受けず、ユーザーが実際に何を遊んでいるかを見てSteam上のゲームを学んでいく。基本的な考え方は、遊び方があなたと似ている他のプレイヤーが、あなたのまだ遊んでいないゲームを遊んでいるなら、それはあなたも楽しめる可能性が高い、というものだ。
(公式告知より・日本語訳)
同じ告知には、このシステムが作ったおすすめがストアのトップに出ること、欄のボタンから詳しい画面へ進めて、そこで変えた設定がトップのおすすめにも使われることも書かれている。スクリーンショットの右上にある「Customize, Explore by Tag, & More」のボタンがそれで、人気作寄りかマイナー寄りか、新しめか古めかを自分で調整でき、タグで絞り込むこともできる。
つまり土台にあるのは「似た遊び方をしている人たちが、ほかに何を遊んでいるか」。『Hades』や『Hollow Knight』を長く遊んでいる人たちの中に、無料の猫ガチャや放置MMOにも時間を使っている人が一定数いれば、その作品が候補に上がってくる理屈になる。遊んだ作品そのものとの「似ている度合い」で選ぶ仕組みではないから、ジャンルが飛んで見えることがあるわけだにゃ。
一方で、この仕組みにも苦手はあるとValveは書いている。まだ誰も遊んでいない新作は、プレイ時間のデータが無いので勧められない。そこを補うのはディスカバリーキューの役目で、ストアのおすすめは複数の仕組みを組み合わせて出している、というのが公式の説明だ。
Redditの反応

コメント欄の最初の流れは、投稿者へのツッコミだった。
「Silly Linguine Cat Simulator Deluxe Onlineみたいなゲームは遊ばない」って、まさにSilly Linguine Cat Simulator Deluxe Onlineを遊んでる人が言いそうなセリフなんだよな……たぶん。
Silly Linguine Cat Simulator Deluxe Onlineの存在を知る方法は、Silly Linguine Cat Simulator Deluxe Onlineを遊ぶことだけだよ。
冗談はさておき、理由を説明しようとするコメントも多かった。目立ったのは「タグが原因」という見方だ。
タグのせいだよ。シングルプレイ、マルチプレイ、協力プレイ、アクション、パズルみたいな、ストアの半分くらいが付けてるような大ざっぱなタグがたくさんある。遊んでいる作品がそういうタグをたくさん共有していて、そこにもう1つ2つ細かいタグが重なると、Steamは重なりが多いと見て似たゲームだと判断するんだ。
小規模なスタジオの作品を買っているとその種の作品ばかりまとめて勧められる、という別の説明には、投稿者本人が「ああ、それですごく納得がいった、ありがとう!」と返している。ただ、上で見たとおり、Valveの説明ではトップのおすすめを作るモデルは「タグやレビューからは直接の影響を受けない」。タグで絞り込む機能はあるけれど、候補の選び方そのものはプレイ時間の傾向が土台になっている。コメント欄で広く信じられている理由と、公式の説明とが少しずれているのは面白いところだ。
感じ方そのものにも温度差があった。
いや、自分にはまったく起きないな。
そうでもないかな。Steamがおすすめしてくる理由を見て笑うことはよくあるけど。あと、その猫のやつは面白いよ。試してみるのをおすすめする。
おすすめに頼らない方法を勧める声もある。
どうやら安い作品や無料の作品が好みみたいだから、それが表示されてるんだと思う。もっと当てになるおすすめが欲しいならキュレーターをフォローするといい。「100% Free Games」のおかげで、基本無料の粗悪なゲームとは違う、無料ソフトの質の高さに気づけたよ。
そして並んだ5本のうち、はっきり評価を集めたのが『Rhythm Doctor』だった。「Rhythm Doctorは本当にいい」「でもRhythm Doctorはやるべきだよ、最高だから。まあ、ほかのはたしかに変だけど」と、この1本だけは推す声が相次いだ。「喫茶店のスイングのリズムのステージがどうしても越えられない」という、遊んだ人ならではの嘆きも混じっている。
『Electoral Carnage』をめぐっては、小さな応酬もあった。

残念だけど、声にAIを使ってるから絶対に遊ばない。少なくとも以前は使ってた。今もAIコンテンツの注意書きがあるから、それだけでダメだね。
声の演技は人間がやってるよ。AIのソフトはポストプロダクションで使っただけ。
ストアページの「AI生成コンテンツの開示」を見ると、後者のコメントのほうが開示の内容に近い。開発元は、声の演技はすべて報酬を受け取った人間が担当し、ポストプロダクションの工程で必要に応じてAIソフトを使った、と書いている。さらに、使っている素材の一部はロイヤリティフリーの画像サイトから取っているため、AI生成の可能性を否定しきれない、とも添えている。注意書きがあること自体は事実なので、どちらのコメントもまったくの的外れというわけではない。
「自分のおすすめが変」というぼやきは、Steamを使っていれば一度は通る道なのかもしれない。ただ、この5本の並びは「あなたが遊んだゲームに似ている作品」ではなく、「あなたと似た遊び方をしている誰かが、ほかに時間を使っている作品」の一覧として見るほうが、Valveの説明にはよく合っている。その「誰か」の中に、猫ガチャを回し続けている人がいたということだにゃ。
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