Ubisoftが「MOTHERBRAIN」を米国で商標出願、AIでゲームを作るソフトなど3区分
「MOTHERBRAIN」という名前の商標が、Ubisoftの名義で米国特許商標庁(USPTO)に3件まとめて出願されている。出願日はどれも2026年9月7日。出願人はフランスのUBISOFT ENTERTAINMENTで、3件とも審査中の状態だよ。
ゲーム会社の商標出願そのものは珍しくない。目を引くのは、その中身がほとんどAIの話で埋まっていることだにゃ。
3件は、商品やサービスの種類ごとに分けて出されている。
| 出願番号 | 区分 | おもな中身 |
|---|---|---|
| 50094578 | 第9類(ソフトウェア) | AIを使ったソフト、ゲームプログラム、ゲームエンジン |
| 50094580 | 第41類(娯楽) | オンラインゲームの提供、ゲームソフトの制作・出版 |
| 50094582 | 第42類(技術サービス) | AIの研究・設計・開発、AIをサービスとして提供するもの |
このうち第9類と第42類には、AIに関する項目が何度も並ぶ。第9類の指定商品から、AIに関わるものを抜き出すとこうなる。
USPTOの出願記録(第9類)より・主な項目のみ・日本語訳
- 自然な会話をシミュレートする、AIを使ったダウンロード可能なソフトウェア
- AIを使った、文章を要約するためのダウンロード可能なソフトウェア
- AIを使った、テーマに沿って文章を書くためのダウンロード可能なソフトウェア
- AIを使った、ソフトウェア開発用のダウンロード可能なコンピューターソフトウェア
- AIを使った、ビデオゲームとインタラクティブコンテンツを制作するためのダウンロード可能なコンピューターソフトウェア
- ダウンロード可能なコンピューターソフトウェア(ゲーム開発・運用のためのゲームエンジンソフトウェア)
第42類のほうは、開発者向けのサービスとしての色がもっと濃い。
USPTOの出願記録(第42類)より・主な項目のみ・日本語訳
- AIソフトウェアのカスタマイズに関する技術コンサルティング
- AIを使ったソフトウェアの研究・設計・開発
- データ分析と人との対話にAIを使うソフトウェアを提供する、サービスとしてのAI(AIaaS)
- AIソフトウェアの外注による設計・開発
- AIを使ってビデオゲームとインタラクティブコンテンツを制作するソフトウェアを提供するSaaS
「ゲームを作るためのAI」と「プレイヤーと会話するAI」の両方が、1つの名前の下に並んでいる形だね。第41類はオンラインゲームの提供や制作といったゲーム事業の一般的な項目で、AIという語は出てこない。
MOTHERBRAINという名前について、Ubisoftの公式サイトやニュースページで触れた告知は、9月29日の時点で見当たらない。製品名なのか、開発チームや取り組み全体の呼び名なのか、会社側からは何も説明されていないよ。出願の中身を見る限り、AIを使った開発ツールや関連サービスに付ける名前とみられるけど、確かなことは分からない。
米国の商標記録には、同じ「MOTHERBRAIN」という文字の商標がほかにもある。スウェーデンの投資会社EQT ABが2018年に出願したもので、投資先を探すためにAIで分析するプラットフォームに付けられている。区分はUbisoftの第42類と同じで、審査で何か言われるかどうかもこれから分かることになる。
名前の響きから、『メトロイド』シリーズに出てくる巨大な頭脳のボス「マザーブレイン」を思い浮かべた人もいたみたいだね。ただ、出願書類のどこにもそうした作品への言及は無く、関係があるかどうかは分からない。
Ghostwriter・NEO NPCに見るUbisoftのAI研究
出願の中身と重なるのは、Ubisoftが公式に発表してきたAI関連の研究開発だ。
いちばん早いのは2023年3月に紹介された「Ghostwriter」。社内の研究開発部門La Forgeが作ったツールで、街の人が何かのきっかけで口にする短いセリフ(バーク)の下書きをAIが出し、シナリオライターが選んで仕上げる、という使い方だった。
2024年3月のGDCでは「NEO NPC」を公開した。プレイヤーが声で話しかけると、NPCが文脈に合わせて返事をするというプロトタイプで、パリのスタジオの小さなチームが作ったものだよ。

その流れを受けて2025年11月に発表されたのが「Teammates」。Ubisoftが「初めて遊べる生成AIの研究プロジェクト」と位置づけたFPSの試作で、AIアシスタントのJasparと、仲間のSofia、Pabloがプレイヤーの声の指示に応じて動く。敵の拠点で行方不明になった5人の仲間を探す、というのが遊びの枠組みで、クローズドのプレイテストでは数百人が遊んだと公式に説明されていた。

Ubisoftのニュースページでは、Teammatesを率いる人物としてXavier Manzanares氏が「ゲームプレイ生成AIディレクター」の肩書きで紹介されている。会話するNPC、声で動く仲間、そしてセリフの下書きを作るツール。今回の出願に並んだ「自然な会話」「テーマに沿った文章」「ゲーム制作のためのAI」という項目は、この3つの取り組みとそのまま重なって見える。
ただ、商標の出願は、その名前で何かを出すことが決まったという意味ではない。MOTHERBRAINが製品として表に出てくるのか、それとも出願だけで終わるのか、今の時点で分かっているのは3件の出願書類の中身だけだにゃ。
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