監禁ホラー『Kidnapped Simulator』発表、殺人鬼への返事を自分で打ち込む
「無実の男が刑務所に入った。報告書を書き換えたのは自分だ」。椅子に縛りつけられた主人公がこう打ち込み、Enterで送る。向かいに座る男は、その告白をどう受け取るのかを決めてから次の言葉を返してくる。
CRUNCHFESTとGROLAFが、一人称視点のサイコロジカルホラー『Kidnapped Simulator』を発表した。対応機種はPC(Steam)で、発売は2026年第4四半期、つまり10〜12月の予定。最大の特徴は、殺人鬼との会話を選択肢から選ぶのではなく、プレイヤーが自分で文章を打ち込んで進めるところにある。
命乞いか嘘か告白か、アベルの尋問に挑む
目を覚ますと椅子に縛られていて、誘拐犯のアベル・マーシュが椅子を引き寄せて座る。彼が知りたいのは、主人公が何をしたのか、誰を傷つけたのか、それをなぜ黙っていたのか。急ぐ様子はなく、話を聞く時間はいくらでもある。主人公のほうには、彼に喋らせ続けなければならない理由がある——という導入だ(Steamストアページより)。

プレイヤーにできることは、ストアの説明にある言葉をそのまま借りると「命乞いをする、嘘をつく、告白する、言い返す」。何と答えるかを打ち込むと、アベルがその中身に反応して返してくる。スクリーンショットでは、入力欄の右下に「53 / 400」のような文字数のカウンターが出ていて、1回の返事は400字までのようだね。

公開された画面を見ると、アベルの返しはかなり冷たい。「やっていないことは認めない」と拒めば「それは拒否だと受け取る。拒否には、その場で答える」と念を押され、「彼女が探しているはず、電話させて」と頼めば「誰にも電話はしない。他人の名前を出しても、ここでは何も買えない」と突き放される。告白すれば一時的に満足させられるかもしれないけれど、それで解放してもらえるとは限らない、とストアの説明にもわざわざ書かれている。うまく立ち回れなかったときに何が待っているかは、ストアの年齢区分に並ぶ「拷問」「暴力」の文字が物語っているにゃ。


このゲームは、ただ問い詰められ続けるだけの作りではないみたいだね。アベルは自分が質問する側だと思っているけれど、こちらから質問を投げることもできる。彼の過去、彼が繰り返している儀式めいた習慣、説明したがらない事柄。答えに耳を澄ませ、何が彼を動かしているのかを知れば、命乞いが通じなくなったときの切り札になりうる、という。
会話の合間、アベルは帳簿に何かを書きつけ、道具の手入れをしながら、こちらが続きを話すのを待っている。眉の上の傷に指を触れる、といった仕草も文章で添えられる。取り乱さず静かなままでいるところが怖さの一部になっている、というのが作り手の説明だ。


舞台は最初から最後まで1つの部屋。エンディングは8種類あり、遭遇がどう転んだかで結末が分かれる。1回目で知ったことを持ち帰り、別の手を試して、会話をどこまで自分に有利な方向へ持っていけるかを探る——という周回前提の遊び方が想定されている。見た目はPS1時代を思わせる粗いテクスチャと強い影で、部屋を見回すことはできても、振り返ればアベルはまだそこにいる。
アベルの台詞も声もPC内で完結する
アベルの台詞を作っているのは、このゲームのために独自に開発されたAIモデルを使う会話エンジン。ストアのAI生成コンテンツの開示によれば、プレイヤーが打ち込んだ返事をローカルのAI言語モデルが解釈してアベルの台詞を生成し、声もAIの音声合成で作られる。台詞の生成も音声の生成もプレイヤーのPC上だけで完結し、インターネット接続や外部のAIサービスは要らない。入力した文章や生成された会話が外部のサーバーへ送られることもない、と明記されている。
生成された台詞は、あらかじめ書かれた物語やスクリプトのイベント、用意されたアニメーションと組み合わせて使われる。何もかもをAIの即興に任せるのではなく、書かれた筋書きの上でアベルが受け答えする形だね。開発中にキャラクターや背景のテクスチャなど一部の見た目の素材づくりにもAIツールを使ったことが、同じ開示に書かれている。
パブリッシャーのCRUNCHFESTは、公式サイトで自らを「AI-Driven Games Publisher」と紹介している会社。本作については「誘拐された主人公が、犯人を説得して解放してもらうゲーム。サイコパスを口説き落として自由になれるか」と一言で紹介している。
Steamの言語欄では、日本語はインターフェースと字幕が対応。音声(フルオーディオ)に対応しているのは英語だけで、ほかにフランス語・ドイツ語・スペイン語(スペイン)・ポーランド語・簡体字中国語がUIと字幕に対応する。公開された画面の入力はすべて英語で、日本語で打ち込んだ返事にアベルがどう応じるのかは、ストアページには書かれていない。
最低動作環境は、OSがWindows 11、メモリ8GB、VRAM 4GBのグラフィック、空き容量5GB。会話用のAIまで手元で動かすゲームとしては控えめな要求といえる。価格は未発表で、年齢区分は18歳以上。誘拐・拷問・暴力・心理的な操作・自殺に関する言及・強い言葉づかい・性的ではない裸の描写が含まれる、とされている。
縛られた側が持っている武器は、400字の入力欄だけだにゃ。
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