『狐ト蛙ノ旅』新試遊版はアパートの一室から始まる、アダシノ島へ渡るまでの経緯が追加
ブラウン管のテレビと黒電話がある、昭和の雰囲気が残るアパートの一室。キツネはゲームに夢中で、電気料金を払っていない。カエルに注意されても聞き流していると、誰かがドアを激しく叩き、部屋の電気がふっと消える。
9月17日から21日まで幕張メッセで開かれた東京ゲームショウ2026で、『狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼』の新しい試遊版はこの場面から始まった。これまでの試遊版は、キツネとカエルがアダシノ島に流れ着いたところからスタートしていた。今回は、ふたりがどうやって島へ行くことになったのかという経緯がまるごと足されている。
賽銭暮らしのキツネ、暗渠の船で神社を追う
電気が止まったので、キツネは渋々カエルと一緒にコンビニへ電気料金を払いに行く。ついでに、アパートの隣にある小さな神社でお賽銭を回収していくのが、この子の暮らしぶりをよく表している。収入源がお賽銭というのは、なかなか大胆な設定だね。
問題が起きるのは、その帰り道。小さくなった神社が、足の生えた提灯のような姿の「付喪神」に持ち去られていく。後を追って穴に入ると、その先は地下を流れる暗渠につながっていて、船が停まっている。神社を追いかけてその船に乗り込み、たどり着いた先がアダシノ島——という流れだにゃ。

日常の部屋から始まって、コンビニ、神社、暗渠と、見慣れたものが少しずつ妙な方向へずれていく。場面が切り替わるところでは一昔前の歌謡曲のような曲が流れ、懐かしさと不穏さを同時に運んでくる作りになっている。
アダシノ島に着いてからは、探索パートの遊びが中心になる。島のあちこちには闇がわだかまっていて、祠に灯をともしてそれを払うと先へ進めるようになる。Steamのストアページでも、祠を見つけて灯をつけることで探索できるエリアが広がる仕組みとして説明されている部分だ(Steamストアページ)。


試遊版では、島で世話役のようなことをしている「テン」という人物が登場する。親切ではあるものの、どこかつかみどころがなく、味方なのかどうかははっきりしない。
話を追っていくと、広場では「灯台さま」を迎える祭りの準備が進んでいる。そこに現れた灯台さまが、キツネたちが追ってきた神社を手に取り、空で爆発させてしまう。追いかけてきた目的そのものが目の前で消えるので、試遊版の区切りとしてはかなり強い引きだね。

夜も更けて、ふたりは休むために「万媚楼」という旅館を目指す。その道中で島の住民が鬼に変わり、ここから鬼ごっこパートに入る。
鬼ごっこパートでは、狐の少女が光を使って鬼を足止めしながら逃げ道を探す。光による足止めには回数の制限があり、祠で回復できる——というのがストアページで説明されている基本の仕組みだ。探索で灯を集めることが、そのまま逃げるための手札になるわけだにゃ。

見た目の面でも前の試遊版から手が入っていて、グラフィックやアニメーションの質が上がっているほか、固定カメラの操作感やテンポも調整されている。鳥居や屋台の提灯、ネオンの看板が暗闇に浮かぶ島の雰囲気はそのままに、そこへ昭和のアパートという「帰る場所」が加わった。ふたりが目指す家がどんな場所なのか、最初に見せておく構成になったのは大きい。
TGS出展12本のひとつ、リアス開発作
開発はイラストレーターでもあるリアスで、パブリッシャーはroom6とyokaze。PC(Steam)とNintendo Switchで開発が進んでいる。room6はTGS2026に12タイトルを3か所のブースで出していて、本作の新しい試遊版もそのひとつとして事前に告知されていた(room6のプレスリリース)。遊んだ人には「アダシノ島の想い出写真カード」が配られていた。
Steamのストアページを見ると、発売予定は9月27日の時点で「2026年第4四半期」の表記のまま。一方、会場では2027年前半のリリースに向けた試遊版として案内されていたもようで、正式な発売日はまだ発表されていない。
Steam版の対応言語は日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)で、Windowsのほか macOS にも対応する予定だ。
電気代を払いに行っただけのはずが、気づけば鬼に追われている。今夜は十五夜、とストアページのあらすじは結んでいる。その長い一夜の入り口が、ようやく描かれた。
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