Steamレビューに丸写しのボット投稿が増加、Redditで対策を探る声
プレイ時間0.2時間。書かれているのは、別の誰かが書いたレビューと一字一句同じ文章。そんな投稿がSteamのレビュー欄に並んでいる、という嘆きがRedditのr/Steamに投稿され、ほかの利用者が「自分はこうしている」と応じる流れになった。
投稿者によると、数年前はここまでひどくなかったのに、いまはレビュー欄を数秒スクロールするだけでボットらしき投稿が目に入るという。題名は「レビューのボット危機、みんなはどう対処してる?」。対策の話のはずが、途中から「そもそも何のためにやっているのか」へ話がそれていったにゃ。
最初に出てきたのは、投稿者が貼ったスクリーンショットを疑う声だった。
本当にボット? これは『エンドフィールド』のレビューに見える。ゲーム自体は前からあって、Steamに来たのが1週間前というだけ。前から遊んでいた人が、Steam版が出てようやくレビューを書けた可能性が高いよ。
『アークナイツ:エンドフィールド』は2026年1月から自社のランチャーなどで配信されていて、Steam版が出たのは10月15日。Steamのレビューに表示されるのはそのSteamアカウントでのプレイ時間なので、よそで何十時間遊んだ人でも、Steam版では短く表示される。プレイ時間の短さだけでボットと決めつけられない、という指摘はもっともだね。
ただ、これにはすぐに反論が付いた。
プレイ時間そのものが怪しいわけじゃない。別人のはずの2つのレビューが、まったく同じ言い回しになっているのが問題なんだ。
画像が2枚あったことに気づいていなかった最初の人は、これで引き下がった。見分けるときの目印は、時間の短さよりも「文章の一致」にあるということになる。
Steamのアワードは1月にポイント廃止
では、なぜ他人の文章を丸写しするのか。ここで多くの人が思い浮かべたのは、レビューに付く「アワード」だった。
クラウンのアワードはもうポイントをくれないのに、なんでまだこんなことをしているのか分からない。
Valveは1月14日の公式アナウンスで、コミュニティアワードを新しい12種類に入れ替え、受け取った側にSteamポイントが移る仕組みをやめた。理由として挙げたのは、ポイントの付与が「人目を引くだけの狭い種類の投稿」を後押ししてしまい、よく考えられた投稿に光が当たりにくかったこと。あわせて、アワードの値段はすべて500ポイントに揃えられた。

かつては道化師(クラウン)の絵柄のアワードを狙って、わざとふざけた投稿をする人が目立っていた。もらえば相手のポイントが増えたので、ネタ投稿が小遣い稼ぎにもなっていたわけだね。その実入りは、もう無い。

それでも止まない理由について、スレッドでは見方が割れた。
「ポイントをなくしても荒らしは止まらない」と言ったとき、誰も信じてくれなかった。みんな面白がって変なことを書きたいだけ。ポイントはおまけだったんだよ。
ポイントのためにここまでするのか。
いや、ただ注目を浴びたいだけ。アワードはもうポイントをくれないから。
手間に見合う見返りが無くなっても続くのなら、目当ては最初からお金ではなかった、という見立てだね。さらに、こんな証言もあった。
自分のメインアカウントが盗んだレビューに「参考になった」を付けるために、サブアカウントを20個以上持っていると言う人を見たことがある。そういう人は本当にいる。こちらにできるのは、無視して下までスクロールすることだけ。
複数のアカウントでレビューの評価を動かすのは、はっきり規約違反にあたる。Steamworksのレビューに関する説明では、利用者に向けて「レビューのスコアを人為的に操作しないこと」とし、複数アカウントの使用や報酬と引き換えの投稿を例に挙げている。スレッドでも「怪しいレビューは通報すればいい」という声が早いうちから出ていた。
プレイ時間で並べ替えれば一言レビューは沈む

対処法として具体的に挙がったのは、表示の切り替えだった。
プレイ時間で並べ替えるか、評価の高い肯定と否定のレビューを見る。
プレイ時間で並べ替えられるの? Steamを19年使っていて知らなかった。
レビュー欄の上にある表示の設定では、投稿者のプレイ時間で絞り込める。Valveは2024年8月に「新しい参考度システム」を入れていて、一言だけのレビューやアスキーアート、内輪ネタのような購入の判断に役立ちにくい投稿は、ストアページで後ろに回されるようになった(公式アナウンス)。仕分けには利用者の通報、モデレーターの確認、機械学習を組み合わせていて、通報されたレビューほど詳しく見ると明かしている。19年使っていて知らない人がいるほど、こうした設定は目立たないみたいだね。
ただし、プレイ時間で絞っても安心しきれない、という意見もあった。
それでも、トレーディングカード目当てやボット用にSteamのアイドラーがいる。
でもカードを手に入れるには、カードの何倍もする値段のゲームを買う必要があるんじゃない?
普通はね。キーが盗まれたなら話は別。小さな開発者が1,000〜2,000本ものキーをだまし取られて、気づいたときにはボットが何本ものゲームでカードを集め終え、そのお金をゲーム内のスキンに替えて現金化している。
キーが詐取される被害の規模は、この発言だけでは確かめられない。ただ、Steamworksの説明では、レビューのスコアに数えられるのはそのアカウントがSteamで購入した場合だけで、キーで登録したアカウントのレビューは表示はされてもスコアには入らない。キー経由のボットがいたとしても、評価の数字を直接は動かせない作りになっているにゃ。
一方で、ボットの問題そのものをあまり気にしていない人たちもいた。
あまり気にしていない。レビューを見るときは、肯定と否定の良いレビューを2つ3つずつ読んで、危ない兆しがないか確かめるくらい。たいていのゲームは、レビューを見る前に買うかどうか決まっている。
レビューは読まない。
数分も眺めていれば、ボットはだいたい分かる。
スレッドの声をまとめると、ボットを消す手段を持っているのは結局Valveで、読む側にできるのは通報と並べ替えと、数件だけ読んで見切りをつけることくらい。それでもプレイ時間の絞り込みを今回初めて知った人が出たことを考えると、19年前から使っている設定の欄を開くだけで、見え方はかなり変わるのかもしれない。
ポイントという見返りを外して9か月がたっても、丸写しのレビューは消えていない。止まらない理由が注目を集めたいからなのか、別の稼ぎ方があるからなのか、スレッドの中でも答えは一つに決まらなかった。
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