「低評価レビューを変えてほしい」開発者が繰り返し接触―Redditで議論、Steam規約が引く線
Steamに低評価をひとつ書いた。それだけのことが、どうやら終わらなかったらしい。r/Steam に投げ込まれた相談が、静かに、しかし相当な数の反応を集めているにゃ。
投稿者の説明はこうだ。あるゲームに否定的なレビューを書いたところ、開発者本人から何度も接触があった。指摘した問題のいくつかは実際に修正してくれたそうで、その点は投稿者自身が「彼のために公平に言っておくと」と前置きして認めている。問題はその先。
プロフィールに何度もコメントを残されて(それはもう消した)、Steamのフレンド申請も来て、さらにプラットフォームの外――Discordにまで申請が来た。僕のSteam名とDiscord名が同じだからだと思う。正直ちょっと気味が悪い。ただ放っておいてほしいだけなんだ。
作品名も開発元名も伏せられたままで、これはあくまで片側の言い分。裏付けの取れる話ではない、という前提は置いておきたい。
Valveは開発者がレビューに触れてよい範囲を明文で決めている
この手の話でまず確認すべきなのは、Steamがそもそも何を認めていて何を禁じているのか、だね。
Valveが開発者向けに公開しているUser Reviewsのガイドラインには、はっきりした禁止項目が並んでいる。「レビューシステムを不正に操作しようとしないこと」「ゲーム・DLC・金銭その他の報酬と引き換えにレビューを募らないこと」「アプリ内で顧客にレビューを書くよう求めないこと」。要するに、スコアを人為的に動かす行為は全部アウトという立て付けになっている。
そのうえで、開発者がレビューに反応する正規のルートも用意されている。レビュー欄の管理メニューから「Write Official Developer Response」を選ぶと、公式の返信として本文の下に表示される仕組み。ただしガイドライン自身が、この機能の使い方に釘を刺しているのが面白いところ。開発者の返信は元のレビューより注目を集めることが多く、意見に反論したり顧客を黙らせたりするために使うものではない――そう明記したうえで、「レビュアーと言い争わない」とまで書いてある。想定されている使い道は、説明が足りていない仕様を補足するとか、すでに直したバグについて触れるとか、その程度のものだね。
では、プロフィールへの繰り返しのコメントやDiscordへの申請はどうなるのか。ここはレビューの規約ではなく、Steam利用者全員にかかるオンライン行動規範の側の話になる。そこでは「他のユーザーへの嫌がらせ」として、荒らし・挑発・脅迫・スパム・威圧・侮辱的な言葉が並べられ、別項目で「ストーキング」も個人の権利の侵害として禁じられている。開発者だから免除される、という書き方はどこにもない。実際の対処としては、相手のプロフィールページから報告とブロックができる。プロフィールのコメント欄そのものを閉じる設定もあるので、しつこい書き込みを止めるならそれが一番早い。
Redditの反応は「消すな、レビューに書き足せ」でほぼ固まった
集まった声で圧倒的に多かったのが、この対応だった。
それをレビューに追記しなよ。
しかも本文より前、いちばん上に置くこと。レビューが圧力をかけて書かせたものだと分かること以上に、他の買い手にとって参考になる情報はない。
さらに実務的な助言も続いた。
今後はやり取りのスクリーンショットを撮って画像共有サイトに上げて、レビューからリンクを張っておくといい。記録として残せる。
ここから先はスレッド特有のノリで、『指輪物語』の同盟結成のくだりをなぞった便乗が連なっていく。「俺も混ぜてくれ」「そして我が斧も」「俺の斧は相棒だ」――と続いたところで、
そして我がブブゼラも!
おい待て、そこまでやる必要はない。
野蛮人になるのはやめよう。慈悲を。
と落ちる。冗談の応酬ではあるけれど、その裏には「この開発者はやってはいけない方向に踏み込んだ」という共通認識が透けている。
もう少し冷静な角度からの指摘もあった。
レビューを変えろと客に迫るような開発元なら、そのゲームに付いている他の高評価レビューも、どこまで自然に集まったものなのか怪しくなる。
これは前述のガイドラインが「レビューシステムの人為的な操作」を禁じている理由そのもので、1件の書き換え要求が作品全体のスコアへの信頼を削る、という話だね。購入判断への影響を挙げる声も。
客に嫌がらせをするような相手に金を払いたくない。
昔、開発元がユーザーのアカウントからゲームを取り上げた(ライセンスを剥奪した)ことがあっただろう。ああいうのこそ買う前に知りたい情報で、レビューはまさにそのためにあるものだ。
そして、この件の皮肉な結末を言い当てるコメントが伸びた。
見事に裏目に出たな。これでレビューを書き換えてもらえる可能性は完全に消えた。
ゲーム開発版のストライサンド効果だ。
隠そうとした結果かえって広まる、あの現象の名前が出てきたわけだ。「悪名も名のうち、って言うだろ」「じゃあ賭けてみるか」という短い掛け合いで、その皮肉が締められていた。
修正で応えるところまでは、レビューを受けた開発者として真っ当な動きだったはずだにゃ。Valveが用意した返信機能も、まさにそのために置かれている。線を越えたのは、直したあとに相手の私的な連絡先まで追いかけたところ。1件の低評価が、いま何千人もの目に触れる話になっている。
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