新作80ドル時代に「30ドル超は買えない」、Steamユーザーの本音
79.99ドル。11月19日に発売される『Grand Theft Auto VI』の通常版に、Rockstar Gamesが付けた値段だ。上位版のUltimate Editionは99.99ドルになる(Take-Two Interactiveの発表)。
大作の新作は長いあいだ69.99ドルが上限の目安だった。それが80ドルに届いてきたことに、SteamユーザーのコミュニティであるRedditのr/Steamで、はっきり「高すぎる」と書く投稿が上がった。集まった返信を読むと、怒っている人は意外と少ない。多かったのは、とっくに定価では買わなくなった人たちの声だったにゃ。
79.99ドル、任天堂からGTA VIへ
新作に79.99ドルの値段を付けた大手は、2025年にNintendo Switch 2向けの『マリオカート ワールド』を出した任天堂が最初だった。同じ年にはMicrosoftも『The Outer Worlds 2』を79.99ドルで売ると告げたものの、強い反発を受けて69.99ドルに戻している。
そして今年6月、『GTA VI』の予約開始と同時に79.99ドルという値段が出た。業界全体でもいちばん大きなタイトルが80ドルを選んだことで、「一部の例外」だった値段が、大作の新しい基準になるかもしれない——r/Steamの投稿は、そういう空気の中で書かれている。
投稿者の書き出しはこうだ。
ばかげてる。どれだけ期待していても、どれだけ出来がよくても関係ない。今は30ドルを超えると、自分に買う言い訳ができないんだ。それが80ドル? 冗談じゃない。
ここで出ている線は「80ドルは高い」ではなく「30ドル」。新作の定価のさらに半分以下だ。そして返信の多くは、この線をそのまま受け入れていた。
最初に目立ったのは、Steamそのものが待つ理由になっている、という声だった。
同感。だからSteamが好きなんだ。ほとんどタダみたいな値段で遊べる名作がたくさんあるから、無理して買わなくていい。
自分も同じことをしてる。セールを待って、その間は積みゲーを崩す。30ドル以下でも面白いものは十分あるから、何百時間も遊ぶと分かっている作品でもない限り、1本に80ドルは出せない。
もうひとつ多かったのが、「発売から時間がたてば、ゲームのほうが良くなる」という考え方だ。
80ユーロのゲームも、2年もすればパッチで磨かれて20〜30ユーロになる。遊ぶのはそのときだよ。
発売日に買うのはやめた。1〜2年待てばセールになるし、その間にバグもだいたい直る。困るのは、マルチプレイだと人が少なくなっていることくらい。
この返信には「それが正解」と絵文字つきで賛成する人も出ていた。安く買えるうえに、不具合が直った後の完成に近い姿で遊べる。待つ側から見れば、払う額と遊ぶ中身の両方で得をしている形になる。安い作品の話もあって、ある人は『RoboCop』を5ユーロで買って「意外なほど良かった」と書いていた。
安ければ、外れを引いても後悔しない。
発売日に買うことをやめたきっかけとして、ある作品の名前を挙げた人もいる。
発売日に買ったのは『Battlefield 2042』だけで、それが最後の発売日購入になった。もう新作に80ドル以上を賭ける気はない。
『Battlefield 2042』は、発売直後の出来に厳しい声が多く集まった作品だ。値段が上がるほど、外れたときの痛みも大きくなる。そう考えると、「賭ける」という言葉を選んだのは自然なことだと思う。
セールで買えばいい、で話が終わらないのも、このスレッドの面白いところだった。定価が上がれば、セール後の値段も上がる。
40%オフなのに、まだ50〜60ユーロ。割引されている気がしない。
最近はセールでも買う本数が減った。80ドルの作品は、大きく割り引かれても結構な値段が残る。昔は1本が安かったから気軽に買っていて、合計では今より多くゲームにお金を使っていた。
2つめの声は、値上げの話としてはかなり大事な指摘になっている。1本あたりの値段が上がったことで、この人が1年間にゲームへ使う額は逆に減った。気軽な衝動買いがなくなると、財布のひもはまとめて固くなってしまう。
もっと徹底している人もいた。
いちばん高く買ったゲームでも20ユーロくらいだと思う。何年もWorld of Warcraftをやっていて、Steamには30本しかなかった。WoWをやめた今は、80〜90%オフで買ったゲームだけで積みゲーが多すぎるほどある。そしてどれも楽しんでる。
実際的なやり方をまとめた返信もある。
気になるゲームをウィッシュリストに入れておいて、セールが来たら割引率の高い順か安い順に並べ替える。それだけで、よほど楽しみな作品じゃない限り、定価で買うことは二度となくなる。
Steamのウィッシュリストには、割引率や値段で並べ替える機能がある。上の返信にも「まさに自分のやり方で、うまくいってる」という声がついていた。待つための道具は、ストアがもう用意しているわけだ。
ただ、「定価では買わない」と言う人たちも、定価を払った作品をまったく持っていないわけではない。その話になると、何人もが同じタイトルを挙げていた。


最後に定価で買った大作は、2023年の『バルダーズ・ゲート3』。正直に言うと、それ以来、大手の作品でここまで興味を持てたものはほとんどない。例外はBG3と、ここ2作のゼルダくらい。
BG3は1円残らず払う価値があった。『エルデンリング』もそう。
BG3の値段を払うのは本当に迷ったけど、結果的には払ったぶん以上の価値があった。
『バルダーズ・ゲート3』に一票。ここ何十年かで、定価を払う価値があると思えたのはこれだけ。ほかは割引されるか、最初から安くないと買う気にならない。
Larian Studiosの『バルダーズ・ゲート3』は、2023年8月4日に発売されたRPGだ。Steamのユーザーレビューは45万件近くあって、96%が好評という数字になっている。ここで褒められているのは、値段の安さではない。払った額に見合う以上の体験だった、ということだ。
「30ドルを超えたら買えない」と「BG3には払ってよかった」は、同じ人の口からふつうに出てくる。引っかかっているのは値段の数字そのものより、その値段に見合うと事前に信じられる作品がどれだけあるか、のほうに見える。
セール待ちでもGTA VIは発売日に買う
とはいえ、みんなが同じ方向を向いているわけでもない。
自分も10年以上、発売日には買ってこなかった。だからこそ不思議なんだけど、これから2か月のうちに2本を発売日に買うつもり。『Star Wars: Galactic Racer』と『GTA6』だ。
最初に書いたとおり、『GTA VI』はまさに79.99ドルの作品だ。10年以上セールを待ってきた人でも、この1本は発売日に買う。値段が上がったせいで、「待たずに買う作品」はかえってはっきり選ばれるようになったのかもしれない。
積みゲーを崩しながら、ウィッシュリストの割引を眺める。その合間に、ごく一部の作品にだけ定価を払う。スレッドに集まった声をまとめると、そういう買い方がもう当たり前になっているみたいだね。別の人が挙げた積みゲーには『Kingdom Come: Deliverance II』『Cyberpunk 2077』『ウィッチャー3』が並んでいて、どれも発売日に定価で買わなくても、今から十分に遊べる作品ばかりだった。
80ドルの値札が問いかけているのは、発売日に買う側に回るかどうかだ。『GTA VI』の発売日は11月19日になるにゃ。
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