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『ARC Raiders』生成AI音声の理由を公式映像で説明、クエスト台詞は録り直し済み

投稿: 2026/11/05by tobariware約6分で読めます
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「建物のそば」「教会の近く」――マップ上の場所とアイテムの組み合わせを、声優が1つずつ読み上げていく。『ARC Raiders』でそれをやろうとすると、収録の量がとても追いつかない。発売直後から批判を受けてきた生成音声について、開発元のEmbark Studiosが自分たちの言葉で経緯を語ったにゃ。

話の場は、公式YouTubeチャンネルで11月2日に公開されたドキュメンタリー「The Evolution of ARC Raiders」シーズン2の第5話「Sound & Music」。環境音と音楽の作り方を追う回で、Shani役のJo Rideoutさん、Celeste役のDiana Gardnerさんの2人の声優も登場し、概要欄にも「テキスト読み上げ技術をめぐる初期の論争」を扱うと書かれている。

台詞の一部とピン機能に自前AIの生成音声

映像のナレーションによると、発売時の音声は「ハイブリッド」だった。台詞の大半は収録した声で、一部のクエストとマップ内のミッションブリーフィングは、Embarkが自前で学習させたAIモデルによる生成音声。マイクを使わずに場所やアイテムを仲間へ知らせるピン機能も、録った台詞をつなぎ合わせたものと生成音声が混ざっていたという。

理由を詳しく話したのは、オーディオディレクターのBence Pajor氏。声優の声から学習用データを作り、試作の段階からその声で台詞を組めるようにしていたそうだ。

新しいアイテムや機能が出るたびに、大量の台詞が必要になる。ピンを打てるし、状況に応じたピンもあるからね。ありとあらゆる言い方を全部録るのは現実的じゃない。役者があれを全部読まされたら、それこそ頭がおかしくなってしまう。「建物のそば」「教会の近く」「どこそこで」……それを全部のものについてやるわけだから。

公式ドキュメンタリー第5話より・日本語訳

制作の段取りも理由に挙がっている。別の会社では台本を半年前に固める必要があり、仕様を変えたくても台詞を録り終えているから変えられない、という経験があったという。役者を世界中で手配し、「いま撮影でオーストラリアにいるから次の枠は2か月後」と言われれば、書き手の側に大きな負担がのしかかる。だからストックホルムで連絡のつく人と組み、使える道具は使う――という方針になったと映像では語られている。ゲームの仕様が速く変わり続けたことも、何度も役者を呼び戻せなかった事情として繰り返し出てくるにゃ。

一方で、批判を突っぱねる語り口ではない。発売後に起きた反発について、スタジオは当時は沈黙を選び、そのぶん声優との録り直しを急いだとナレーションが説明している。開発チームからは、こんな言葉が続く。

批判を細かく見ていけば、本当に正当な指摘もあったと思う。身構えても意味がない。結局のところ、何がゲームにとって一番いいのか、ということだから。

読み上げ音声に反応しているプレイヤーには同意する。人間のように聞こえても、演技まではいつも伝わるわけじゃない。だから機会ができてすぐに、クエストの台詞は全部、できるかぎり役者本人の声で録り直した。

公式ドキュメンタリー第5話より・日本語訳

前作『THE FINALS』で似た技術を使ったときの反応を見ていて、難しい道に入る自覚はあった、という発言もある。クエストの台詞が速いペースで追加され、しかも各言語への翻訳が絡むなかで、クエストそのものを作り込む時間を確保するための選択だった――そのぶん、一部のプレイヤーには没入感を壊す結果になった、とも認めている。

映像が録り直し済みとはっきり言っているのはクエストの台詞まで。ピン音声の現状については触れていない。録り直しのほかにも、この1年でゲーム全体の台詞を足し、トレーダーたちは2026年を通じて口の動きがより正確になったという。Celesteは、Gardnerさんが「Frozen Trail」のトレーラー向けにモーションキャプチャーを収録したことに合わせて、モデルそのものが作り直された。

声優2人が語る契約と生成ボイスへの戸惑い

声優側の話は、一方的な擁護でもなければ告発でもない。片方の声優は、3年ほどこのゲームに関わるなかで、短い掛け声のために1時間呼ばれるだけなら他の撮影を断らずに済み、むしろ自由がきいたと振り返る。

もう片方は、発売後にInstagramで「コメントしてほしい」というメッセージが大量に届いたという。契約自体は公正で、AIをめぐる論争が本格化する前の、開発のかなり早い段階の話だった。それでも、生成された自分の声を初めて聞いたときに考え込んだそうだ。

何時間もかけて演じたのは確か。でも、最終的にできあがったものを自分の演技だと言えるのか、というと言えない。

公式ドキュメンタリー第5話より・日本語訳

役者が実際に読んだ台詞まで「これはAIだ」と言われることがある、という苦笑まじりの話も出てくる。ゲームの中身が固まってきたいまは、そうした部分も順に録り直していると語られていた。

締めくくりは、チーフクリエイティブオフィサーのStefan Strandberg氏だ。収録に来た役者の演技を見ていれば、プレイヤーもそれを喜ぶはずだと疑わない、と話したうえでこう続ける。

僕たちは役者を置き換える商売をしているわけじゃない。むしろ逆で、演技をたたえて、もっと活躍の場を与えるべきだと思っている。

公式ドキュメンタリー第5話より・日本語訳

この1年の『ARC Raiders』では、サポート対応の返信にAIへの指示文が混ざっていたという騒ぎも起きている。

📄 『ARC Raiders』のサポート返信に他プレイヤー宛ての文面、ChatGPTへの指示文まで届いたとRedditで報告

Strandberg氏が「これからの数年」で見せたいと語ったのは、トレーダーたちがどんな人物で、何に動かされているのかを本物の演技で描くこと。クエストの声はすでに人の声へ戻り、次に手が入るのはトレーダーたちの描き方のほうだにゃ。

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