最悪の仕様を考えたら護衛ミッションに行き着いた わざと作るクソゲー談義
「わざとダメなゲームを作るとしたら、どんな仕様を入れる?」
Redditのr/gamingに、こんな質問が投げられた。投稿者は最初に条件を付けていて、マイクロトランザクションやバトルパスのような売り方の話はなし。聞きたいのは水中ステージやスキップできないムービーのように、遊び方そのものを悪くする仕組みだという。
課金の不満ならいくらでも出てくる。ただ、「遊んでいて腹が立った瞬間」に絞ると、みんなの記憶がひとつの場所へ集まっていく。いちばん支持を集めた答えは護衛ミッションだった。そこへ返信が重なるたびに、NPCはどんどん手に負えなくなっていくにゃ。
発端のコメントは、それだけでほぼ完成していた。
護衛するNPCが、こっちの歩きより速くて走りより遅い。50メートル以内に入った敵には片っ端からケンカを売るのに、本人はまるで戦えなくて、死んだら即ゲームオーバー。しかも護衛が終わったら、そのNPCは結局死ぬ。
歩けば置いていかれ、走れば追い越してしまう。プレイヤーが気持ちよく動ける速度を一つも用意しないという点で、嫌がらせとしてよくできている。守りきった苦労が最後に報われないのも、話としては筋が通っているのがいやらしい。
これを受けた返信は短かった。
素晴らしい。採用だ。
大手パブリッシャーからもう電話が鳴りやまないだろうね。
冗談の形をしているけれど、どこかで遊んだ覚えのある仕様だから笑えるんだと思う。
護衛NPCはセリフ1種で待ち続ける
ここからスレッドは、ひとつの護衛NPCを全員でつくり込む流れに変わった。まずは「先に行きすぎたら」の話。
先に行きすぎると、NPCは立ち止まって戻ってくるのを待つ。もちろん待っている間もケンカは売り続ける。
セリフは「バカなことしないで戻ってこい」の1種類だけ。範囲内に戻るまでずっと繰り返す。
さらに重ねる人も出てきた。
「どこに行くんだ、この間抜け。書物はこっちだぞ」と言いながら、崖から歩いて落ちようとする。
待つだけではまだ甘い、という意見もある。
待つんじゃなくて、決まった地点まで引き返すんだよ。
しかも全力疾走で。
護衛の途中で走れるのに、並んで歩くときは絶対に走らない。ここまで来ると悪意を感じる作りになってきた。ここで入ったツッコミが、この一言だった。
それってTF2のカート?
『Team Fortress 2』のペイロードは、攻撃側が爆弾を積んだカートを押してゴールまで運ぶモードだ。カートはそばにいるプレイヤーがいないと進まず、しばらく誰も押さないと後ろへ下がり始める。護衛のNPCを「押さないと戻っていく荷物」扱いするのは、かなり的確な例えだね。


もっとも、TF2のカートは味方みんなで押すのが面白さの中心なので、ここでは引き合いに出されただけ。本気でひどいのはスレッドのNPCのほうで、次の案がそれをさらに進めた。
ルートの途中に「安全地点」を置いて、NPCはそこで止まって長々と話す。でもセーブポイントじゃない。セリフだけはセーブされたように聞こえる。そして離れすぎても遅れすぎても、NPCは最後の安全地点まで走って戻る。
「安全」と言っておいて何も守らない。期待させてから裏切る仕様は、単に不便なだけの仕様よりずっと腹が立つにゃ。
架空の話で盛り上がるなかに、覚えのある人たちの声が混ざり始める。
歩きながら話せないNPC、懐かしいね。
NPCは敵に突っ込んでいって戦う。戦闘が終わると、突っ込む前にいたルート上の位置まで歩いて戻り、そこから再開する。
この案にはすぐ反応があった。
さてはWorld of Warcraftをやったね。
クラシックサーバーのWoWを思い出してつらい。戦闘のあとの「巻き戻り」は本当にイライラする。戦う前の位置まで、NPCがいきなりダッシュで戻っていくのを眺めるしかないんだ。
MMORPGでは、戦闘が終わったNPCが決まった位置へ戻る挙動がよく見られる。理屈は分かっても、護衛しているプレイヤーから見れば「今までの前進は何だったのか」となる瞬間だ。ここで出た実名は、ほかの案のような作り話ではなく、プレイヤーの実感として出てきたものだね。
回復の話も容赦がない。
NPCは戦闘後に回復しないし、こっちの回復魔法も効かない。
でもごくまれに、NPCが自分で回復することがある。おかげでプレイヤーは、NPCが回復してくれないたびに画面に向かって怒鳴るようになる。
まったく回復しないなら、プレイヤーはあきらめられる。たまに回復するから期待してしまう——意地悪さの種類が一段上がっている。
仕上げは、失敗したあとの話だった。
護衛は10分くらいにして、9分目に死んだら最初からやり直し。チェックポイントはなし。
護衛の直前にムービーがある。セーブポイントはそのムービーの前。もちろんスキップはできない。
投稿者が最初に例として挙げていた「スキップできないムービー」が、ここで護衛ミッションと一つになった。ばらばらに出てきた仕様を足し合わせると、1回の失敗ごとに、スキップできないムービーを見て、歩きと走りの間の速度で10分付き合い、戦闘のたびに巻き戻されることになる。
振り返ると、このスレッドは「新しい嫌がらせ」をほとんど発明していない。速度の合わない同行者、一言だけのセリフ、効かない回復、遠いセーブポイント。どれも誰かがどこかで一度は味わったもので、それを一つのNPCに全部背負わせただけだ。いちばんの支持を集めたのが、ひとつのアイデアではなくみんなの記憶を足し合わせたものだったというのが、この話題の答えなんだと思う。
最後に死ぬあのNPCは、10分間の護衛を何回くり返しても、やっぱり最後に死ぬ。
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