『Canvas City』無料デモがSteam配信、移動で稼ぐスタイルポイントで技を撃つタクティクスRPG
タクティクスRPGのクラス選択画面に、ダンサーとミュージシャンと絵描きが並んでいる。ナイトもクレリックもいない。ニュージーランドのDisc 2 Gamesが手がける『Canvas City』は、そんな配役でグリッドの上を戦うターン制タクティクスRPGで、無料のデモ版が8月25日からSteamで配信されている。
舞台になる街「キャンバスシティ」は、かつて音楽と創作で賑わっていた場所。それが高層マンションと企業ビルの並ぶ無音の街へ作り変えられ、公共の場所での表現は違法、音楽の許可証はまず下りない——というところから話が始まる。そこで立ち上がったのがプレイヤーのクルー「Fire Starters」で、ダンサーやミュージシャン、グラフィティアーティストが地下リーグ「Spark Skating」でテリトリーを奪い合う、という筋書きだね。
タンク役を置かず、ダンサーが支えに回った

このクラス構成については、開発チーム自身が8月4日付の開発日誌で経緯を書いている。読んでいて面白いのは、最初はダンサーをタンク役にするつもりだったという話。敵を引きつけて殴られ続ける係にしようとしたものの、プレイテストで分かったのは「このゲームが楽しいのは常に動いているとき」だった、と。その場に留まって耐える役は、動きと表現でできている世界観に噛み合わなかったわけだ。
そこでダンサーは支援役へ切り替わった。広くて高低差のあるマップにクルーが散らばりやすい作りなので、機動力があって範囲回復と強化を配れる役がちょうど釣り合う、という理屈。ミュージシャンは遠距離担当で、高低差のせいで近づけない位置からでも圧をかけられる。アーティストは近距離のダメージ役で、奪い合いになっている場所へ真っ先に飛び込んでいく係。
見た目で役割を伝える手も、あえて捨てている。板金鎧に盾を持っていれば防御役、ローブで後ろに立っていれば回復役——長年かけて積み上がったその視覚言語を使わない代わりに、各クラスに無料で持たせた基本アビリティを目印にしたそうだ。アーティストの近接技「Brand」、ミュージシャンの遠距離技「Sonic Blast」、ダンサーの回復技「Cheer」。役割の見当はここから付けてくれ、という設計だね。
しかもクラスの境界はきっちり引かれていない。ダンサーでも育て方次第で攻撃寄りのアビリティが開くし、ミュージシャンにも遠距離特化と範囲攻撃寄りと近接寄りがいる。軍隊の兵科みたいに整列させたくなかった、と開発日誌には書かれている。
坂を下ると移動力が回復し、壁を塗ると技のコストが上がる

戦闘の作りで目を引くのは、移動と行動が別のフェーズに分かれていないところ。資源が続く限り、移動して攻撃してまた位置を変えて、もう一度アビリティを撃つ——という繋ぎ方ができる。街のレール、ランプ、垂直方向の地形を経由してターン中にトリックを繋ぐと、強いアビリティの燃料になる「スタイルポイント(SP)」が溜まっていく。
高低差がそのまま数値になっているのもポイントで、坂を上ると移動力(MOV)を余分に食い、下ると逆に戻ってくる。だから「どのビルの屋上を取れば次のターンが有利か」が毎回の悩みどころになる。遠距離のミュージシャンは、この地形差で身動きが取りにくい場面をならす役でもあるという説明だった。
もうひとつが各マップに置かれた「タグスポット」。ここを塗ると縄張りの主張になると同時にクルーのSPを生み続けるので、単なる背景ではなく攻略目標として機能する。当然、敵クルーは上から塗り潰しにくる。その場に固まって睨み合っていると壁を全部持っていかれる構造になっているわけだ。
対戦相手も区ごとに性格が違って、企業がスポンサーに付いた連中、知名度を追いかけるインフルエンサー、無軌道なパフォーマンス集団、といった顔ぶれが並ぶ。勝敗の指標が「フォロワー数」なのも、この街らしい。
デモで遊べるのは冒頭の4ステージと6人のクルー
デモ版の中身は、チュートリアルと第1幕前半にあたる4ステージ。ここで3クラス全部に触れる6人が使えて、クルーレベルは8まで上がり、キャラクターごとに最大4つのアビリティが開放される。各バトルで手に入る「マガジン」を集めると空中技とレール技が増えていく作りで、クリア済みのステージへ戻ってボーナス目標を消化し、フォロワーを稼ぎ直すこともできる。

製品版では80種類を超えるアビリティとトリック、12人の仲間、拠点となる「ガレージ」でのロードアウト調整が予定されている。ゲーム中にF10を押すとその場でフィードバックを送れる窓が開くとのことで、配信開始の告知でも意見と不具合報告をかなり前のめりに募集していた。デモの段階で声を集めにきているタイプの開発元だね。
Steamの対応言語欄には日本語が入っているものの、音声をフル対応と記した言語はひとつも無く、対応は表示まわりに限られる。対応OSの表記は現時点でWindowsのみ。製品版の発売日は、まだ「未定」のまま置かれている。
デモの表示上の配信日は8月24日だけれど、開発元が「配信開始」を出したのは8月25日の午前中。手を出すなら、まずは4ステージぶんの街を塗ってみるところからになる。
関連記事
『クライムライト』バトル試遊版がSteamで配信開始、ボス「ダム」「ディー」と1stトレーラーも同日公開
死後の世界〈ワンダーランド〉で罪を懺悔しながら戦うローグライクアクション、初の体験版が8月9日までの期間限定で登場。トランプの役を組む戦闘を丸ごと試せるにゃ。
ステップを踏んで“フィルム”を完成させる『STEP THEATER』、Steamで約20分の体験版が配信中
実況者P-P率いるPixel Smileの第1作が、遊べる形で登場したにゃ。学校の物語から横スクロール風まで、ステージごとに中身が変わるリズムゲーム。音は黒魔とまふまふが担当している。
牧羊犬アドベンチャー『Hubert』PS5版を発表 ― Steam体験版は9割が高評価、発売は2026年第4四半期
羊は言うことを聞かない。その群れを鼻と足音だけで押し込んでいく犬の仕事を、犬の側から体験するアドベンチャーにゃ。チェコのBrocap StudioがPS5版を明らかにして、Steamでは無料体験版が触れる状態になっている。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。