既製カードが一枚もないDCG『Card Make Arena』発表、効果もイラストも自作して対人戦
デッキを組む前に、まずカードが1枚も存在しないところから始まる。
PLAYISMが8月18日、Lizardryの新作『Card Make Arena』を発表した。対人戦を軸にしたデジタルカードゲームなんだけど、いちばん変わっているのは収録カードがゼロだという点。名前も能力もイラストもフレーバーテキストも遊ぶ側が設計して、その自作カードを持ち寄って戦う。プラットフォームはPC(Steam)で、ストアページは既に公開済み。2026年内の早期アクセス開始を予定している。
カードのタイプは3つ。攻守の要になる「サーヴァント」、一度きりの効果を放つ「スペル」、盤面を支える「ランド」。この枠組みの中で、ダメージ・回復・召喚・破壊・強化(エンチャント)といった60種類超の効果を組み合わせてカードを作っていく。
作れる幅が広いのは効果の中身だけじゃない。「いつ効くか」まで指定できるのが肝で、召喚時・攻撃時・撃破時・ターン開始/終了、さらには相手の行動に反応して発動する形まで用意されている。そこへ「手札が0枚のとき」のような条件や、「捨て札が増えるほど威力が上がる」といった変動値を重ねると、盤面の状況次第で性格が変わるトリッキーな一枚ができあがる仕組み。攻撃のたびに相手の手札を焼くサーヴァント、撃破された瞬間に相手を1体道連れにするカード——公式が例に挙げているのは、そのあたりの手触りだよ。
イラストは自分で描いてもいいし、既存のイラスト素材も十分に用意されているとのことなので、絵を描かない人はカードの設計だけに集中できる。マナ、ATK、HP、効果の数、効果タイプ、対象、タイミング、値、条件、イラスト、カード名——ここまで細かく触れるので、組み合わせの総数は約100垓通りになると公式は書いている。世界中の80億人が全員で1秒に1枚ずつ数え続けても、数え終わるまでおよそ4万年かかる、という換算まで添えられていた。
マナを使って4枠に置くだけ、あとは全自動
一方で対戦のルールはかなり簡素にまとめられている。勝利条件は相手リーダーのHPを0にすること。自分のターンにやることは「マナを使い、そのターンに出すカードを選んで配置する」だけで、ターン開始→マナ補充→カードを選んで配置→自動で戦闘開始、という流れを繰り返す。手を動かすのは配置の一手のみで、そのあとの殴り合いは勝手に進む。
シンプルすぎるように見えて、置き場所の判断がそのまま戦術になる作り。サーヴァントは前方に攻撃してATKぶんのダメージを与え、HPが0になれば捨て札へ送られる。相手リーダーを直接狙いたいのか、それとも相手のサーヴァントを潰したいのかで、置くべきスロットは変わってくる。しかもサーヴァントの枠は4つしかない。

スペルの枠に至っては1つだけ。画面左側の縦長のスクロールがそれで、原則1ターンに1枚しかスペルは使えない。定番のドローにするか、いまの盤面を壊しにいく強い一撃にするか、それともマナを貯める方向へ振るか。枠が狭いぶん、自作のスペルに何をやらせるかの決断が重くなる。
ランドはサーヴァントがその上に配置されることで効果を発揮するカード。相手の強力なサーヴァントの正面に置いて守りに使うのか、防御はスペルに任せて空きスロットへ置きリーダーへのダメージを狙うのか。そして公式は、自分で作ったランドを相手のスロットに配置して妨害する、という遊び方の可能性にも触れている。
コストと上限が最強カード量産を止める
自由に作れるなら誰もが最強カードを作って終わりでは、という疑問は当然出てくる。そうならない仕組みこそがこのゲームの心臓部だと公式は説明していて、いくつかの制約が用意されているよ。
- コストによる強さの制御: 効果の威力、対象の広さ、発動条件の得しやすさに応じてコストが上がる。デッキに入れられる合計コストには上限がある
- 重ねるほど加速度的に重くなる: 同じ効果を積み増すとコストが急激に膨張するため、「一枚に全部乗せ」は成立しない。相手のリーダーを一撃で吹き飛ばす効果は簡単には作れない
- コスト差ボーナス: 相手のデッキとのコスト差を計算し、低いほうが対戦開始前にその差ぶんのボーナスを得る
- マイナー効果の優遇: 使用率の低い効果には、勝利時に追加の得点が入る設計
つまりカード作りは、限られた予算の中でどう設計するかというパズルでもあるわけだね。強さを盛るほど予算を食い、盛りすぎれば相手にボーナスを渡してしまう。



ただし、その制約を外す場所もちゃんと残されている。ROOMマッチでは「コスト無制限」の対戦が可能で、互いに承諾していれば手加減なしの殴り合いができるとのこと。友達と、あるいはROOM掲示板に来た人と。作ったはいいが実戦では重すぎて入らない一枚を、ここで気兼ねなく振り回せるにゃ。
遊び方はほかにもいくつか。RANKポイントを賭けた真剣勝負があり、最高ランクにはレートランキングも存在する。ゲーム内のSNS機能で自作カードを公開すると、いいね数やコピー数のランキングに乗る。さらに、そのSNSに投稿されたカードからランダムにデッキを組んで戦うカジュアルなモードも用意されている。他人の発想がそのまま自分の手札になるわけで、運の要素が強いぶん気楽に触れそうだね。
手がけるLizardryは、未知の言語を解読していく『7 Days to End with You』や、プレイ内容から性格を診断する『Refind Self: 性格診断ゲーム』、『Cling to Blindness』などを世に出してきた個人開発者。作品ごとに仕掛けの毛色は違うけれど、プレイヤーの行動そのものを素材にする設計という点では、今回のカード自作も地続きに見える。パブリッシャーはPLAYISM。
動作環境は要求が低めで、常時ブロードバンド接続が必要という点だけ注意しておきたい。
| 項目 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10(64bit) | Windows 11(64bit) |
| プロセッサー | Intel Core i3 / 2.0GHz以上のデュアルコア | Intel Core i5 / クアッドコア |
| メモリー | 2 GB | 4 GB |
| グラフィック | OpenGL 3.3対応・VRAM 1GB | OpenGL 3.3対応・VRAM 2GB |
| ストレージ | 500 MB | 1 GB |
対応言語は日本語と英語の2つ。どちらもインターフェースと字幕までで、フルオーディオの対応表記は付いていない。価格は未定で、ストアの発売日欄も現時点では「発表予定」のまま止まっている。
自分で作ったカードが対戦環境そのものになる以上、環境を歪めるのも整えるのも遊ぶ側次第。コスト上限と加速度的なコスト膨張という2本の歯止めが、100垓通りの自由をどこまで受け止められるのか——そこが早期アクセスで最初に問われる部分になりそうだね。
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