タピオカを飲んだせいで人類滅亡、を巻き戻す920円のパズル『RewindGirl』
タピオカを飲んだ。なんやかんやあって人類が滅んだ。——この一行を真顔で押し通してくるパズルゲームが、Steamに1本あるにゃ。
『RewindGirl』。個人でゲームを作っているべすとまんさんの作品で、Steamのストアページには2025年3月6日リリースと記載されている(公式サイトの表記は3月7日)。ジャンルは「タイムリープアクションパズル」。走って、跳んで、巻き戻す。それだけの操作で、頭の中がじわじわ捻れていく類のやつにゃ。
「無駄に思える行動も、未来の自分が過去を変えることで未来で意味が出てくる」




公式サイトがパズルの説明として置いている一文が、この作品の設計をそのまま言い当てている。
巻き戻しボタンを押すと時間が巻き戻るのだが、消えるのは自分の行動ではない。巻き戻した先の時間に「過去の自分」がもう一人立ち上がり、さっき自分がやった動きをそっくり再演しはじめる。結果、同じ時間帯に自分が二人いる状態ができあがる。
ここからが本題にゃ。過去の自分にゲートを開けてもらい、その隙に現在の自分が通り抜ける。逆に、これから生まれる過去の自分のために、先回りして足場を用意しておく。目的は各ステージに置かれたラベンダーの回収で、これが時間を巻き戻す燃料になっている。一周目には意味が分からなかった無駄足が、二周目の自分にとっての通り道になる——という発想の切り替えを、ステージがひたすら要求してくる。
そして、噛み合わなかったときが面白い。過去の自分が乗るはずだった床を現在の自分がどかしてしまうと、過去の行動そのものが成り立たなくなる。公式の説明では、この矛盾は「歴史の修正力」によって無効化されるとされていて、要するにタイムパラドックスがそのまま失敗条件として機能する仕組みにゃ。「過去の自分の邪魔をしない」という縛りが、足場パズルの制約として効いてくるのが上手い。
電車を止め、風邪をひかせ、それでもギャルはタピオカを飲みに行く


物語のほうもきっちり用意されている。主人公のわこは何者かに異次元《ハザマワールド》へ連れ込まれ、そこで「自分がタピオカを飲んだせいで人類が滅ぶ」と告げられる。過去改変のために電車を止め、風邪をひかせ、思いつく限りの妨害を仕掛けるのだが、その程度でタピオカを諦めるギャルではない。滅亡の危機と、飲みたいものは飲むという意志の張り合い。導入の軽さに対して、パズルの手触りが妙に硬派なのがこの作品の持ち味にゃ。
ストアページで確認できる条件は次の通り。
- 価格: 920円(本稿執筆時点で割引なし)
- 対応OS: Windowsのみ。64bit環境が必要で、メモリ2GB・ストレージ500MB
- 言語: 日本語・英語・中国語(繁体字)。ただしチェックが入っているのはインターフェイスの欄だけで、フル音声も字幕も対応表記はない
- 操作: コントローラー推奨。キーボードなら移動がWASDか方向キー、ジャンプがJかSpace、巻き戻しがQかK
ユーザーレビューは「非常に好評」で、87件中80件が好評(9割超)。リリース直後の3月11日から4月9日にかけて、進行不能バグやレーザーギミックの誤判定を潰す修正がv1.0.3まで入っており、その後は落ち着いている。
920円という値札で、脳を一度ねじってから元に戻す体験ができる。過去の自分と喧嘩せずに手を組む——言葉にすると簡単そうなのに、実際にやると自分の行動の記憶力が試されるにゃ。
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