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AMDのリサ・スーCEOが「データセンター優先」を明言、2027年のPC出荷は2桁減を想定

投稿: 2026/11/07by tobariware約6分で読めます
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「私たちはデータセンター優先の会社です」。AMDのリサ・スーCEOがこう明言したのは、7〜9月期決算を発表した数日後に受けたYahoo Financeのインタビューでのこと。決算説明会では、2027年のPC市場について出荷台数が2桁%減ると見込んでいることも明かしていた。Ryzen搭載のPCでゲームを遊び、Radeonのグラフィックスカードを挿してきた人たちにとって、聞き流しにくい話が続いたにゃ。

まずは決算の数字から見ていく。AMDが公表した2026年第3四半期決算は、売上高が前年同期比45%増の134億ドルで過去最高を更新した。けん引役はデータセンター部門。サーバー向けCPUのEPYCと、AIアクセラレーターのInstinct MI450シリーズの立ち上げが効いて、前年同期のほぼ2倍にあたる85億ドルに達している。

部門売上高前年同期比
データセンター85億ドル+97%
クライアント(Ryzenなど)29億ドル+7%
ゲーミング(Radeon・セミカスタム)7億7300万ドル−40%
組み込み11億ドル+29%
合計134億ドル+45%

全体の売上のうち、データセンター部門だけで約64%を占める計算になる。一方、ゲーミング部門は前年同期比40%減。理由は「セミカスタムとグラフィックス売上の減少」とされている。セミカスタムは家庭用ゲーム機向けに設計するチップのことで、ここが大きく落ち込んだ。クライアント部門はRyzenのモバイル向けプロセッサーが好調で、前年同期比では7%伸びている。

10〜12月期の売上見通しは約170億ドル(上下3%)。データセンターの成長はさらに加速する見込みで、スーCEOは決算発表のなかで、次世代ラック型システム「Helios」とEPYC「Venice」の量産拡大によって伸びが加速すると述べていた。

AMDは「データセンター優先」、事業50%増を予測

話題になった発言は、Yahoo Financeのインタビュー映像で出たもの。AIの普及でデータセンターの需要が急拡大していることや、ハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)の設備投資を疑問視する投資家への反論が語られ、その流れで「私たちはデータセンター優先の会社で、それが私たちの姿です」と口にしている。さらに、データセンター事業は7〜9月期から10〜12月期にかけて50%伸びるとも見通し、「市場は時に少し近視眼的になる」とも付け加えていた。

聞き手は投資家向けの経済メディアなので、売上の3分の2近くを稼ぐ事業を「優先」と呼ぶのは、事業の重心をそのまま説明した形でもある。AMDはRyzenやRadeonからの撤退を発表したわけではない。

それでもPCユーザーの気持ちをざわつかせたのは、決算説明会でのPC市場の見通しのほうだと思う。スーCEOは7〜9月期について「メモリーや部品のコスト上昇が需要を圧迫し、四半期の終盤にPCの販売が鈍った」と説明し、2027年は「PC市場の出荷台数が2桁%減ることを前提に計画している」と語った。AI向けの需要でメモリーが逼迫し、その値上がりがPC本体の価格にはね返っている状況が背景にある。

そのうえで「この環境でもRyzenのロードマップを着実に進め、法人向けの事業を広げることで、市場を上回る成果を出せると見込んでいる」とも付け加えている。市場全体が縮むなかでシェアを取りにいく、という姿勢みたいだね。

Redditで反発、品不足を作ったのは誰か

このニュースはReddit の r/gaming でも大きく取り上げられ、コメント欄はかなりの勢いで伸びた。目立ったのは、PC需要の落ち込みを「消費者側の問題」のように語る言い方への反発だにゃ。

売る製品が無いなら、そりゃ売上は落ちるよね……

AMDがデータセンターの需要に合わせるのは意外でもなんでもない。気になるのは、PC販売の減少をまるで消費者が興味を失ったかのように語っていること。実際は、テック企業みんなで品不足と不合理な価格を作り出している結果なのに。

メモリー価格の高騰が需要を冷やしている、という説明自体はスーCEOも決算説明会で認めている。そのメモリーの不足がAIデータセンター向けの需要から来ている以上、「原因を作っている側が減少を予測している」と受け取る人が出るのは自然な流れかもしれない。

話は業界構造にも広がった。新しい企業が参入しにくい市場だとして独占禁止法の出番だという声に、すぐ冷めた返しが付いている。

原材料から完成品まで製造の流れをまるごと握っていない限り、消費者向けに新しい競合が入ってくるのは想像しにくい。独禁法をきちんと適用して分割するにはもってこいの理由だと思う。

独禁法? なんで? 実際にそれを執行できる立場の人たちは、みんなこの騒ぎで儲けすぎているよ。

一方で、もっと楽観的な見方もある。大手が消費者市場から手を引けば、そこを別の誰かが埋めるはずだという意見だ。

既存の半導体メーカーが消費者市場を見捨てたら、中国製のシリコンがその場所を取るだけ。いまは数世代遅れているけれど、政府が国内の製造にこれだけ投資しているなら、10〜20年で差は縮まると思う。

PCゲームが消えることはない。大手が抜けたPCゲーム市場を、中国や東アジアの企業が商機と見て消費者向けパーツに投資し始めるはず。市場がある限り、誰かがそこに向けて作る。

データセンター需要がどこまで続くのか、という点でも意見が分かれた。データセンターは一度建ててしまえば当面は更新しないので、ブームはいずれ落ち着く——という主張に対して、更新サイクルを迎えるデータセンターは毎年それなりの数があるはずだ、と反論する人もいる。ハードウェアの性能が伸び悩むなら、という前提に立った別の角度の声も印象に残る。

それはつまり、ソフトの開発者がゲーム機向けの開発みたいに「いまの水準」を目標にしなきゃいけなくなるということ。ハードが補ってくれると見込めないぶん、手持ちの道具で効率よく作る腕が上がるかもしれない。

怒りの声が先に立つ一方で、市場の空白に参入する企業が出てくる、ソフトの側が最適化で応える、といった先を見据えた意見が並んだのも、このスレッドの特徴だった。PC市場が2桁縮むという見通しが現実になるかどうかは、メモリーの値段がどこまで戻るかにかかっている。

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