犬のスパイアクション『BARKOUR』、ポーランド特殊部隊GROMの元K9を実際にモーションキャプチャー
モーションキャプチャー用のマーカーを体に付けられて、スタジオの床を歩き、止まり、振り返り、跳ぶ。合間にはおやつをもらう。そんな収録に参加したのは、ポーランド軍の特殊部隊GROMで任務に就いていた経験を持つK9、つまり軍用犬だった。
その動きを主人公に使っているのが、ワルシャワのVARSAV Game Studiosが開発中の『BARKOUR』だ。2019年の『Bee Simulator』でミツバチを主役にしたスタジオが、今度は犬のスパイを主役にしたステルスアクションを作っている。Steamでは無料のデモが配信されていて、日本語でも遊べるにゃ。
18分のメイキングで元GROMのK9が走る
収録の様子は、開発元が公式YouTubeチャンネルで公開している。2026年3月に出た約18分の舞台裏映像で、概要欄には「ポーランド特殊部隊GROMで働いた、訓練を積んだK9のベテランと一緒に収録した」とはっきり書かれているよ(VARSAV Game Studios公式YouTube)。
収録した動きとして挙がっているのは次のとおり。
- 歩きと全力疾走のサイクル
- 方向転換と停止
- 忍び足などのステルス移動
- ジャンプや激しいアクション
- 何かに反応したときの動きと、立ち止まっているときの仕草
開発側は、犬の動きは体重の移し方や足を着くタイミング、体のバランス、頭の揺れといった細かい要素の積み重ねで、この収録が移動システムを本物らしく、操作に素直に反応するものにするための大事な一歩だったと説明している。そのうえで「本物のK9よりは、主人公のほうがだいぶ間が抜けているけれど」と添えているのがこのチームらしいところだね。
実はこれより前、2026年1月にも「AIでもアニメーションでもない、本物の犬のモーションキャプチャー」と題した短い映像が出ていた。基本の移動やジャンプ、ターンを2回に分けて収録したという内容で、3月のメイキングはその全容を初めて見せたものという位置づけになる。
プロの動きをそのまま使いつつ、ゲームの中ではしっぽを振って寄り道もする。ストアの説明では、スパイ装備の下にいるのは「やっぱりちょっと普通じゃない一匹の犬」で、ときにはエージェントらしい振る舞いより犬の本能を優先してしまうとされている。30種類以上用意されたエモートも、本物の犬の仕草がモチーフだそうだ。犬と暮らしている人なら「うちの子もやる」と思うような動きを集めた、というのが開発側の狙いみたいだね。



壁を駆け、ガジェットで気をそらし、正面突破も選べる
プレイヤーが操るのは、秘密組織M.A.N.のエージェント「T.H.U.N.D.E.R.」。パルクールとハイテクなスパイガジェット、そして「トラブルに首を突っ込むこと」が得意な犬だ(Steamストアページ)。
ジャンルは、ステルス要素を混ぜたスピード感のあるアクションプラットフォーマー。壁を走り、レールを滑って進み、影に潜んだりガジェットで敵の注意をそらしたりしながら任務をこなしていく。隠密に徹する必要はなく、真正面から飛び込む遊び方も用意されている。ストアの説明にある「ステルスは任意。大騒ぎは、たぶん必須」という一文が、作品の空気をよく表しているにゃ。
製品版の規模としてストアに書かれている数字はこうなっている。
- ガジェット:30種類以上
- カスタマイズアイテム:100種類以上(コミュニティのアイデアから生まれたものも含む)
- 登場キャラクター:味方と悪役あわせて26人
- プレイ時間:15時間以上
舞台はゴシック様式の城、植物に覆われた温室、不気味な遊園地、秘密施設など。一本道ではなく、隠し通路や秘密の部屋、収集アイテムを嗅ぎ回る寄り道も用意されているそうだ。
衣装のひとつはファン投票で決まっている。2026年6月、「The Runner」と「The Gentleman」の2案を競わせた投票でThe Runnerが勝ち、製品版に最初から入ることになった(Steamのお知らせ)。
登場人物も少しずつ明かされている。7月の開発ログで紹介されたのは、T.H.U.N.D.E.R.の師匠にあたるエージェント「S.T.O.R.M.」。数十年前にソ連の秘密研究所で強化されたブラック・ロシアン・テリアで、KGBからインターポールを経てM.A.N.に加わった、組織で唯一のサイボーグエージェントという設定だ。寡黙な一方で、自分に自由意志や魂はあるのかと考え込む一面もあるらしい。ギャグが中心の作品だけど、ストアでも「ちょっと心に残る瞬間」があると予告されているね。


デモは8月下旬にミッションを追加、日本語は字幕とUIで遊べる

無料デモは2025年10月からSteamで配信されている。8月26日の「国際犬の日」とgamescom 2026の開幕に合わせてアップデートされ、新しいミッションとロケーションが加わった。gamescomのあとには、9月4日に始まったPAX Westにもポーランドの合同ブースから出展している。
言語は少し注意したい。製品版のストアページには日本語を含む14言語が並んでいるけど、音声が収録されているのは英語だけ。日本語で遊べるのはUIと字幕になる。デモも日本語に対応している。8月の開発者のお知らせでは、ミッションの説明やジョークはもちろん、犬の言葉を人間が聞き間違えるギャグまで、翻訳ではなく各言語向けに作り直したと語られていた。
製品版の情報はこうなっている。
- 対応機種: PC(Steam)/PlayStation 5/Xbox Series X|S
- 発売時期: 2026年第4四半期
- 価格: 未発表
- PCの必要環境(最低): Windows 10(64bit)、Core i5-8400またはRyzen 5 2600、GeForce GTX 1070またはRadeon RX Vega 56
家庭用機版は、8月に新しいストーリートレーラーと一緒に発表された。
元GROMのK9が収録スタジオで見せた忍び足は、年内に届く製品版で、ワルシャワの街並みやゴシックの城を駆け回る一匹の犬の足取りになるにゃ。
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