2026年だけで大型4本、9月4日に『鬼武者』―カプコンの連発を支える自社エンジンと2,800名の開発体制
2月にホラー、3月にRPG、4月に完全新規IP、そして9月に剣戟アクション。カプコンが2026年に投入した大型タイトルは、9月4日に発売された『鬼武者 Way of the Sword』で4本目になる。しかも4本とも、PS5・Xbox Series X|S・Nintendo Switch 2・PCの4機種に同時展開されている。
これだけの間隔で大型作を並べて、どれも取りこぼしていない会社は世界を見渡してもそう多くない。何がそれを可能にしているのか、カプコン自身が公開している数字から拾ってみたにゃ。
| タイトル | 発売日 | 公表されている販売本数 |
|---|---|---|
| バイオハザード レクイエム | 2月27日 | 800万本 |
| モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~ | 3月13日 | ― |
| プラグマタ | 4月17日 | 250万本 |
| 鬼武者 Way of the Sword | 9月4日 | ― |
本数はカプコンのプラチナタイトル一覧の6月30日時点のもの。プラグマタのSwitch 2版だけは日本・アジアが4月24日という別日程だった。
引っかかるのは鬼武者の発売日だね。当初は9月25日と告知されていたものが、7月2日になって3週間前倒しされ、9月4日に変わっている(発表)。延期の告知は毎月のように流れてくるけれど、その逆はめったに出てこない。
9期連続で最高益、5,907万本が売れた
業績のほうも数字がはっきりしている。2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の連結業績は売上高1,953億65百万円で前期比15.2%増、営業利益は752億95百万円で14.5%増。営業利益以下すべての利益項目で9期連続の最高益となり、10%以上の営業増益は11期連続に達した。年間のコンシューマ販売本数は5,907万本で、こちらも過去最多(決算発表)。
続く2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)はさらに角度が付いていて、売上高704億10百万円で前年同期比54.7%増、営業利益410億54百万円で同66.9%増。この3か月だけで2,381万本が売れ、前年同期の1,416万本を1,000万本近く上回った(決算発表)。


牽引役は4月発売のプラグマタ……と言いたいところだけど、250万本では2,381万本の説明にはならない。残りの大半は過去作の売れ行き、つまりリピート販売だ。カプコンも第1四半期の説明で、バイオハザードシリーズの最新作が支持を集めると同時に、価格施策によって同シリーズの過去作の販売も続伸したと書いている。新作が話題になるたび、5年前・10年前のタイトルが一緒に動く構造になっている。
そのプラグマタも、完全新規IPでありながら発売から16日で200万本を超えていた(5月7日発表)。ゼロから立ち上げたIPの初動としては、かなり速い部類だと思う。
ここで効いてくるのがRE ENGINEにゃ。ホラーも格闘も狩りもRPGも、カプコンの新作はこの1本の自社エンジンで作られている。描画から編集、プレイテスト、品質管理までエンジン内で完結する作りで、エンジンを担う基盤技術研究開発部には約200名のエンジニアが在籍し、うち160名ほどがエンジン開発を担当している(統合報告書)。
一本化の見返りは2つある。ひとつは、一度作った画像や3Dモデルなどの素材をタイトルをまたいで共有できること。もうひとつが人の動かし方で、あるプロジェクトを終えた開発者が別チームへ移っても、エンジンを学び直す必要がない。年に何本も違うジャンルの大型タイトルを並走させられる理由は、たぶんここがいちばん大きい。カプコンは後継となる「REX(RE neXt Engine)」も、既存を全面的に置き換えるのではなく段階的に新技術を統合していく方針だと説明している。


開発者2,800名と中期開発マップが休眠IPを起こす
人と計画の話も公開されている。カプコンの開発社員は2,800名を超えていて、2013年以降は毎年100名以上の開発者を採用し続けてきた。そのうえで5〜10年先を見通す「中期開発マップ」を作り、発売時期を可視化して投入の集中を避けながら、新規IPの創出と休眠IPの復活をマップ上で計画化している(開発トップの説明)。掲げている目標は年間販売1億本。
鬼武者は、まさにその休眠IP枠から出てきた1本だ。初代は2001年1月発売で202万本、2002年の『鬼武者2』が210万本、2004年の『鬼武者3』が152万本。PS2の時代に数字を作ったシリーズが、20年以上の空白を挟んで戻ってきた形になる。シリーズ累計は920万本を超えている。
復活作の評価も出足から悪くない。8月末のgamescom award 2026では「Best Gameplay」と「Best Sony PlayStation Game」の2部門を受賞している(受賞発表)。


2027年には『バイオハザード RE:ベロニカ』と『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』が控えている。カプコンが出している2027年3月期の通期予想は売上高2,100億円・営業利益830億円。これが着地すれば、最高益の記録は10期連続、10%以上の営業増益は12期連続になる。
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