『City States: Medieval』正式版が配信 12世紀の商人共和国で交易網を広げ、王国軍の攻城をリアルタイムで受け止める
城壁の内側にあるのは商売の才覚だけ、外にはこちらの財布を狙う王国がずらりと並んでいる——その綱渡りをまるごと遊びに変えた『City States: Medieval』が、Steamで正式版1.0に届いたにゃ。早期アクセス開始が4月20日、正式版が7月24日。3か月ちょっとのあいだ、ほぼ毎週アップデートを積み上げての到達だ。開発はカナダ・トロントのReverie World Studios、発売元はindie.io。
価格は2,300円で、8月7日までは20%オフの1,840円。対応プラットフォームはWindowsのみで、推奨環境はRTX 2060 / RX Vega 64クラス、DirectX 11、ストレージ7GBという控えめな数字だ。
王国と王国のあいだで、都市ひとつを食わせていく


舞台は12世紀。大陸を分け合う強国のはざまで、商業と交易を武器にのし上がった都市がある——トリポリからグラナダ、ノヴゴロドからジェノヴァまで。プレイヤーはそのうちのひとつ、商人共和国の指導者として、都市を栄光へ導くか、歴史の流れに飲み込ませるかを決めることになる。大陸をまたぐ帝国を作る話ではなく、帝国と帝国の隙間で生き残る話だ、と公式が明言しているのが、このゲームの立ち位置をよく表しているにゃ。
交易品は12種類。羊毛、リネン、絹、香辛料といった品を、ヨーロッパ・北アフリカ・中東にまたがる市場へ流して金に変えていく。ただ稼ぎが増えるほど近隣の王国に目をつけられ、財宝目当ての軍が城門の前に現れる、という因果がきっちり組まれている。経済の線と防衛の線が別々に走っていないので、「儲かってきたな」という手応えがそのまま「そろそろ城壁を厚くしないとまずい」という緊張に化けるのが上手い。
都市の側は経済・軍事・信仰・交易・生産チェーンの各系統で広げていく。建築物の種類は35で、同スタジオの過去作『Medieval Kingdom Wars』の14から倍以上に増えたと公式が比較を出している。街づくりの解像度を上げる方向に振ったシリーズの続き、と考えるとわかりやすい。

もうひとつの軸がヒーローだ。ヒーローを都市に置けばリアルタイムで直接指揮でき、外へ遠征に出せば都市はゆっくりとした歩調で自走する。どちらに置くかを毎回選ばされるので、遠征の旨みと留守の不安が常に天秤に乗っている。
1.0でいちばん大きな追加は、要望が多かったというサンドボックスモード。キャンペーンの目標に縛られず、国を選んで自分の中世を組み立てられる。勢力もキリスト教圏・イスラム圏・異教・スラヴ系と広がり、それぞれ固有のユニットと仕組みを持つ。遊べる国は今後も週ごとに増やしていく方針が示されている。

史実の都市を資源と生産網で建て直していく手触りが気になるなら、以前紹介したフィレンツェ再建もののほうも合わせてどうぞ。
「ビデオメモリが少しずつ尽きていた」

正式版に至るまでの3か月は、わりと生々しい。早期アクセス期間の最後を飾ったUpdate #9で、開発は長く居座っていたローディング画面のクラッシュをようやく仕留めている。ワールドマップとRTSモードを2、3回行き来しただけで落ちることもあったという厄介な症状で、原因の特定には数か月かかった。犯人は「ゲームが徐々にビデオメモリを使い切っていた」こと。原因は単純に聞こえるが解決はまったくそうではなかった、と開発者本人が書いている。同じ更新でAIの挙動にも手が入り、防衛側AIが城壁上に攻城兵器を増やすようになった。
その少し前のUpdate #8では、都市のRTS防衛にヒーローが必須だった縛りが外れ、手持ちの5つの軍のどれでも実戦に出られるようになっている。ヒーローを遠征に出したら本拠地が丸腰、という理不尽が消えたわけで、1.0の設計としてはここが効いているにゃ。
そして正式版から6日後の7月30日、早くも1.0後の最初の大型アップデート(Update #1)が来た。ユニットのレベリングが全面的に作り直され、レベル5はレベル1のおよそ2体、レベル10ならおよそ4体を相手取れるという、目に見える強さの差が付くようになった。城壁を守るユニットには遠隔攻撃への防御ボーナスも入る。
RTS戦闘には昼夜サイクルと天候が追加され、日の出・夕暮れ・夜戦、雨、雪、雷雨のなかで戦うことに。日が落ちると兵士が自動で松明を灯し、1周およそ5分と短めのサイクルで戦況の見え方が変わっていく。ワールドマップ上で軍や都市の中のユニットを並べ替えられる機能も入った。細かいところだと、攻城塔が絡むAIのクラッシュを直して攻城塔を再有効化、建物が硬くなって遠隔ユニットに一瞬で壊されなくなり、研究時間は延びる一方でワールドマップ収入が約2割増、といった調整も入っている。ジェノヴァ編ではピサがより攻撃的に仕掛けてくるようにもなったそうだ。


購入前に一点だけ確認しておきたいのが言語まわり。ストアページの対応言語は英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語(スペイン)で、日本語はインターフェース・音声・字幕のいずれも非対応。さらにフル音声が付くのは英語だけで、他の4言語はテキストのみの対応になっている。交易や研究のテキスト量を考えると、ここは覚悟がいるところだ。
Steamのユーザーレビューは8月2日時点で全体「やや好評」(45件・好評率73%)、直近は「賛否両論」寄り。母数がまだ小さいので数字の振れは大きいけれど、週次で更新を出し続けてきたスタジオが1.0後もそのペースを崩していないのは、様子を見るうえで悪くない材料にゃ。
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