1年4か月の交渉の末に契約不成立、『Dungeon Overdose』開発者が経緯を公表し自主販売へ
9月6日、Steamで開発中のローグライクRPG『Dungeon Overdose』を手がける個人開発者のSHIGEFUSA.WORKSが、自身のXで長い投稿を公開した。書かれていたのは、2025年5月から2026年8月31日までのおよそ1年4か月、あるパブリッシャーと続けた契約交渉が、最後まで契約書に至らないまま終わったという報告。投稿は9月8日時点で表示回数51万を超え、いいねも1,500件を上回っている。なお相手のパブリッシャー名は伏せられたままで、投稿にも社名は出てこない。
東京ゲームダンジョン8での声かけから始まった
始まりは2025年5月4日、東京・浜松町で開かれたゲーム展示会「東京ゲームダンジョン8」だった。開発を始めた頃からの目標だった初出展の場で、パブリッシャーから声をかけられる。当時の気持ちについて開発者は、自分のゲームに価値を感じてもらえた、いつかSwitchで自分のゲームを出すという夢に近づいた、と振り返っているにゃ。
当初の予定では、契約は2025年の7〜8月頃。ウィッシュリスト数、販売時期、ビルドの進捗といった判断材料はその段階ですでに共有済みで、売上の配分についても話が進んでいたという。ところが先方の都合で調印はお盆明けへ、次のミーティングでは9月へ、さらに「来年1月には必ず契約する」へと動いていく。この過程で新しいキービジュアルが必要だと言われ、開発者は絵師へ発注もしている。契約前提で動いていたぶん、ゲームの新情報も出さずに温存していた。
年が明けて1月のミーティングでは2月に、2月・3月・4月も同じように「来月には契約しましょう」が続く。5月にはイベント出展を求められて応じたものの、前日に東京へ着いた旨と翌日の挨拶をメールしても返信はなく、2日間の会期中に会場で顔を合わせることすらなかったという。パブリッシャーとしての支援も無し。ここから不信感が芽生えた、と書かれている。



理由はウィッシュリスト数、1年以上前から伝えていた数字
5月のミーティングでは「6月には契約」と言われ、6月にも7月にも連絡は来なかった。ここで開発者側から、契約の意思が本当にあるのか、無いなら断りたいという内容を伝え、8月いっぱいでの結論を求める。返ってきたのは、ウィッシュリスト数が少ないため利益を見込めない、パブリッシング契約は難しい、という回答だった。
引っかかりが残ったのは、その数字を1年以上前から伝えていたこと。契約しないという判断そのものを責めるつもりはない、パブリッシャー側が利益を考える必要も理解している、クオリティやマーケティングの問題を相手に押し付けるつもりもない——そう前置きしたうえで、なぜもっと早く判断できなかったのか、そこだけは納得できなかったと綴っている。仮にウィッシュリスト1万以上が契約の最低条件だったのなら、最初にそう言ってほしかった、とも。
本業の合間に睡眠時間を削り、家族の協力を得ながら作っている個人開発者にとって、1年という時間は軽くない。公表するかどうかは長く迷ったものの、同じ状況に置かれる開発者を増やしたくないという理由で書くことにしたという。これから交渉する人へ向けては、パブリッシャーから声をかけられたのはゴールではなく、そこからが本当の戦いだと書き添えている。契約時期は明確か、判断基準は明確か、誰が何をいつまでにやるのか。契約が成立していない段階で相手の言葉だけを信じて時間を使い続けることが本当に自分のためになるのか、という問いかけだにゃ。
投稿は、契約しなくて良かった、これからは自分で売る覚悟を決める、という言葉で締めくくられている。作品はまだ終わっていない、ここからもっと飛べる、とも。
肝心の『Dungeon Overdose』は、ダンジョン攻略と過剰摂取を掛け合わせたローグライクコマンドバトルRPG。「残機」を管理しながら100層のランダム生成ダンジョンを昇っていく作りで、特定の行動でステータスがランダムに伸びる「開眼システム」と、中毒率でリスクとリターンを釣り合わせる「オーバードーズシステム」が軸になっている。仲間もイベントもカードもランダムなので、同じ道行きは二度と起きない。シングルプレイ専用で、コントローラーにはフル対応。
Steamストアページでの配信予定は2026年第4四半期、表示言語・音声・字幕はいずれも日本語。体験版も配信されていて、そちらから触れる。

そのストアページのパブリッシャー欄に入っているのは、開発者自身のアカウント名だ。
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