PixMofu

武器も戦闘もない、包囲下の街を14歳で生きるRPG『Hollow Home』にスレッドが沸いた

投稿: 2026/07/27by 編集部6分で読めます
画像

戦争を題材にしたゲームは山ほどあるけれど、その多くは兵士か将軍の視点にゃ。銃を持たない人たちが、その日の水と食料をどう確保して、隣の部屋の誰と分け合うか——そこを丸ごと主役に据えた作品となると、数は一気に減る。

キーウのスタジオTwigamesが手がける『Hollow Home』は、まさにそちら側に立ったナラティブRPG。2022年春のマリウポリ包囲を下敷きに、14歳の少年マクシムの目線で崩れていく街を歩く。開発陣自身が戦時下で生活しながら作ってきた作品で、Redditのスレッドに開発者が顔を出したことで、あらためて注目が集まったにゃ。

戦闘がない代わりに、毎日は行動ポイントで削られていく

Steamストアページで公開されている内容によれば、この作品に武器も戦闘もない。プレイヤーがやることは、街を歩き、物資を探し、人と話し、誰を助けて誰を後回しにするかを決めること。1日に使える行動ポイントには限りがあり、料理・工作・物資集め・応急処置といった生存スキルは、人と関わりクエストをこなすなかで身につけていく。

物語が始まるのは侵攻の24時間前、マクシムが覚えている「最後の普通の一日」から。探索できる街区は3つで、日が進むごとに姿を変える。破壊されて入れなくなる場所が出て、初日に会話した相手が3日目にはもういない、ということも起こる。会話と分岐クエストが中心で、終盤にたどり着くエンディングは複数用意されている。

見下ろし視点の画面と、テキストの分量、そして色を抑えた画作り。開発元自身が影響元として『Disco Elysium』や『Planescape: Torment』の名を挙げていて、その系譜であることは画面を見れば伝わってくる。

買う前に押さえておく表記と、遊べる無料デモ

項目内容
開発Twigames Inc.(ウクライナ・キーウ)
販売Crunchy Leaf Games(ドイツ・ベルリン)
対応Windows(Steam)
配信時期2026年(Steam表記)
対応言語日本語を含む12言語

言語まわりは注意して見ておきたいところにゃ。Steamの対応言語欄には英語・ウクライナ語・ドイツ語・日本語など12言語が並んでいるものの、フルオーディオ(音声)対応と明記された言語は記載されていない。日本語も、確認できるのはインターフェイスと字幕の範囲となる。

無料デモ「The Last Normal Day」はSteamで配信中。6月15日から22日のSteam Next Fest期間に合わせて内容が更新されたもので、製品版に手を出す前に文章と空気感を確かめられる。ドイツのCrunchy Leaf Gamesがパブリッシャーとして加わったのは2026年5月のことで、Games Gathering 2024でBest Conference GameとGame Starを受けるなど、コンテストでの評価も先行していた作品にゃ。

スレッドに集まった声

Redditのスレッドは、開発チーム自身の書き込みから始まった。「戦争を扱うゲームの多くは兵士や将軍、権力を持つ者の駆け引きを描くけれど、自分たちは普通の市民の物語を語りたかった」という趣旨の投稿だ。反応は素直な関心から、題材そのものへの議論まで幅広く伸びた。

まず並んだのは、短いながらも姿勢のはっきりした一言。

このゲーム、面白そうだし、大事な作品だと思う。

続いて出てきたのが、エンディングの作り方についての具体的な提案。重い題材だからこそ、最後の後味をどうするかは読者にとっても引っかかるポイントにゃ。

感情の方向が違う2つのエンディングがあってほしい。まずはテーマに沿った救いのない結末。そしてクレジット後に、ウクライナが勝つ短いカットシーンかテキストでもいい——ちょっとしたパワーファンタジーとして。

これには開発側が直接返答している。要望をそのまま飲むのではなく、作品が何を描こうとしているかを説明する形だった。

関心と提案をありがとう。どんな戦争も永遠には続かない。ただ私たちが描きたいのは、身近に感じられる普通の人たちの運命なんだ。14歳のマクシムのような、いちばん小さな存在の行動でさえ、誰かの結末を変えうるという話にしたい。

一方で、題材の扱いづらさを指摘する声も出た。

RPGの題材としては興味深いし、正直に言えば物議を醸すテーマでもある。『Disco Elysium』のアートスタイルとの共通点をいくつも感じるし、その下敷きにある政治的・心理的なテーマも近い。ここからどう発展するのか楽しみだ。土台はもう良いものになっている。

この投稿に対して開発側は、エンディングが「ゲーム全体を通した選択」と「各NPCへの接し方」の両方に連動して複数に分かれることを明かしている。誰に優しくしたか、誰を見捨てたかが、そのまま終わり方に返ってくる設計というわけにゃ。

そして、「物議を醸す」という見方そのものに異論をぶつける返信も。

そこまで物議を醸すものかな。『This War of Mine』は2014年に出ていて、あれもサラエボ包囲やNATOの空爆が下敷きだった。「戦場での暮らしは最悪だ、それをゲームにした」というのは、別に新しい発想じゃない。

指摘のとおり、市民視点の戦争ゲームには先例がある。ただ『Hollow Home』が置かれている状況はそこと少し違っていて、描かれている出来事は現在進行形で、作っている当人たちがその渦中にいる。過去の戦争を題材に取材で組み立てるのと、いま自分の国で起きていることを形にするのとでは、作品にかかる重さの種類が違うにゃ。スレッドで賛否が交差したのも、たぶんそのあたりの温度差から来ている。

製品版はSteamで2026年内の配信予定。銃を撃たないRPGがどこまで人の心を動かせるのか、デモの時点で確かめておく価値はありそうにゃ。

関連記事

コメント (0)

投稿は匿名で受け付けます (通報対応あり)。

  • 最初のひとことをどうぞ🐈

    感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。