『刀鍛冶』Steamページ公開 ― 玉鋼から研ぎまで11工程、焼き入れはやり直しなしの一発勝負
焼き入れは一度きり。熱した刀身を水に沈めたその瞬間に刃文が決まり、読みを外せば刀は折れるか、曲がる。戻ってやり直すボタンは無い。
その一発勝負を、おまけのミニゲームではなく作品の山場として据えたシミュレーターがSteamにストアページを開いた。SENSE SHAREが手がける『刀鍛冶』で、舞台は幕末の京都。プレイヤーは玉鋼の塊を受け取って、一本の日本刀に仕上げるまでの全部を自分の手でやる。現時点の表記は「近日登場」で、発売日も価格もまだ出ていない。ウィッシュリスト登録だけが先に開いている状態にゃ。
炭切りから始まる11工程
ストアページに並んでいる工程は11。しかも一番最初が「刀を打つ」ではなく「炭切り」だというあたりに、この作品の姿勢が出ている。火床に入れる炭を手で割って整える——刀そのものには一片も残らない下ごしらえから始まる。
- 炭切り … 火床を支える炭を割って寸法をそろえる
- 水へし小割 … 玉鋼を熱して打ち、急冷して砕き、使える破片を選り分ける
- 積み沸かし … 選んだ破片を積み上げ、熱と打撃でひとつの塊にする
- 折返し鍛錬 … 折っては打ち、折っては打って鋼の質を上げる
- 造り込み … 硬い皮鉄で軟らかい芯鉄を包み、刀の芯を組む
- 沸かし延べ・素延べ … 刀の寸法まで延ばし、切先の形を作る
- 火造り … 刃、棟、反りといった刀身の形を仕上げる
- 土置き … 刃文のもとになる土を、線を描くように塗り分ける
- 焼き入れ … 加熱した刀身を急冷し、刃文を確定させる
- 研ぎ … 砥石で土を落とし、地鉄と刃文を出す
- 拵え … 柄・鍔・鞘を合わせて一本の刀にする
並べるとただの手順表に見えるけれど、面白いのはそれぞれが独立したミニゲームとして切り離されていないところ。鋼の温度、ハンマーを振り下ろすタイミングと方向、土を置く厚み——そのつど下した判断が、最後に浮かぶ刃文や地肌の表情にそのまま出る。土置きの線を雑に引けば、焼き入れ後の刃文もその通りの顔になる、という作り。



ストアの説明が掲げているのは「折れず、曲がらず、よく斬れる」という、日本刀に昔から言われてきた条件そのもの。硬い鋼だけで作れば斬れ味は出るが折れやすく、軟らかい鋼だけなら折れにくい代わりに曲がる。だから皮鉄と芯鉄を組み合わせる——造り込みの工程がわざわざ独立して置かれているのは、その理屈をゲームの手つきに落とし込むためだと思う。同じ手順を踏んでも、判断のズレが一本ごとの個性として残るという説明もある。
作刀とは別に、鍛冶場そのものを組み立て直せるのもこの作品の見どころ。炉、ハンマー、砥石、玉鋼、作業台、家具といったものを好きな場所に置ける。効率よく動ける導線を優先してもいいし、見た目や雰囲気を取ってもいい。
工程が11もある以上、どこに何を置くかは単なる内装いじりでは終わらないはず。炭を切る場所と火床の距離、打った鋼を運ぶ動線——そのあたりが手数に効いてくるなら、レイアウトは実質的な攻略要素になる。ストア側も「作業効率を追うか、雰囲気を取るか」という選択として紹介している。
日本語表示・GTX 1060以上が必須
対応言語は日本語と英語の2つ。どちらにもフルオーディオ(音声)の印は付いておらず、対応は表示と字幕の範囲と読める。開発・販売はどちらもSENSE SHAREで、対応プラットフォームはWindowsのみ、64bit環境が必要。
動作環境は最低がCore i5-8400/Ryzen 5 2600、メモリ8GB、GeForce GTX 1060 6GB/Radeon RX 580 8GB、ストレージ8GB。推奨はCore i7-10700/Ryzen 7 3700X、メモリ16GB、GeForce RTX 2060/Radeon RX 6600、ストレージ10GB。火と鋼の質感を見せる作りにしては、要求はかなり穏当な部類だね。
刀鍛冶を題材にしたゲームは珍しくないけれど、たいていは剣を打つ行為が装備作成や商売のための手段として置かれている。こちらは炭を割るところから拵えを合わせるところまでの全部が本編で、そのあいだ一度も戦わない。手の中に残るのは、水に沈めた一瞬で決まった刃文だけになる。
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