30分で借金を返しきる工場ビルダー『Lazy Witch's Factory』8月21日に早期アクセス開始
返済期限まで30分。それまでに資源を掘って、加工して、売り払って、とんでもない額の借金を返しきる——そういうゲームにゃ。しかも途中で悪魔がやってきて「原料が足りないなら、レシピのほうを書き換えればいいのでは?」と囁いてくる。
MELTCLOCK.Inc が開発し、Phoenixx がパブリッシングを担当するローグライト工場ビルダー『Lazy Witch's Factory レイジーウィッチーズファクトリー』が、2026年8月21日に Steam で早期アクセスを開始する。対応プラットフォームは Windows。ストアページにはまだ価格の記載がなく、8月4日時点では金額が公開されていない状態にゃ。
終業ベルが鳴れば、ぐちゃぐちゃのラインもぜんぶ白紙に戻る

本作の1プレイは「シフト1回、工場1つ」。制限時間に追われながら急いで工場を組み立て、期限内に借金を完済できればステージクリアになる。公式の説明がいさぎよくて、「生産ラインがごちゃごちゃでも全く問題ありません」とはっきり書いてある。
工場ゲームというと、美しく整ったベルトコンベアの網目を思い浮かべる人が多いはず。あの手のゲームで手が止まる理由って、たいてい「あとで拡張しづらくなるから、いま綺麗に敷きたい」という気持ちなんにゃよね。本作はその重しを最初から外してある。シフトが終われば工場はリセットされ、残るのはプレイヤー側に積み上がった知識だけ。次のランでは状況に合った選択肢を拾って、もっと賢くシナジーを組めるようになる——というのが基本のループにゃ。

舞台は地獄。「はじめに永遠の生があった。それは罪人への罰だった」という一文から世界の説明が始まり、経営者ゲヘナが「素晴らしい。これで残業問題は解決です」と結論づけてしまったせいで、そこは終わりのない labor 環境になっている。主人公のモモコは不労所得に釣られてとんでもない借金を背負い、この職場に突き落とされた側だ。
そして現場で働く使い魔たちが、まあ言うことを聞かない。サラマンダーは鍛冶仕事を筋トレのメニューだと勘違いしているし、スライムは蒸留作業で得られる苦痛をなるべく長く味わっていたいらしい。まともに働かせられるかはプレイヤーの腕次第、と公式が言い切っているあたりに本作の性格が出ているにゃ。

「お金がない? 作ってしまえばいいのです」


まっとうに掘って売っているだけでは、返済額には到底届かない。そこで出てくるのが悪魔との「契約」にゃ。原料が足りなければ製造レシピを改竄する。鉄鉱石が余ったら宝石に変換してしまう。お金が足りないなら——作る。ゲームのルールそのものを捻じ曲げる強化選択肢として設計されていて、ランごとにランダムで提示される。
支援してくれる悪魔たちの倫理観も相応にぶっ壊れている。研究者レヴィアタンの実験は生産性の改善に役立つが、代償として全地獄の水道水が汚染される。銀行頭取マモンの庇護を受ければ資金繰りは一気に楽になる、ただしお金の出所は気にしてはいけない。この「便益と副作用がワンセット」の見せ方が、ローグライトのピック戦略と噛み合っている。
つまり本作の面白さは、工場ゲームの設計技術と、ローグライトの引きの妙が同じ30分のなかで殴り合うところにある。綺麗なラインを敷く時間はないが、そのぶん「今回引いたこの契約を軸に、どこまで生産力をインフレさせられるか」に集中できるという寸法にゃ。ちなみに難易度を上げるほど借金額そのものが膨らむ仕様になっている。

早期アクセスは最低半年、そのあいだに何が増えるのか


早期アクセス開始時点で用意されているのは数十時間分のコンテンツ。5種類のスポンサー企業から自由に3社を選んで編成する形式で、各社には20種類以上の契約と3種類以上のユニークオブジェクトが存在し、組み合わせごとに展開が変わる。
開発チームが早期アクセスを選んだ理由もストアページに明記されている。スポンサーの組み合わせとランダム要素が掛け合わさる以上、開発側だけではフォローしきれない部分が必ず出てくる、というのがその説明だ。期間は最低でも半年を予定し、正式版では固有戦略を持つ新規スポンサー企業と、その企業に属する新しい使い魔の実装を見込んでいる。価格については正式リリースに合わせた引き上げが予定されているほか、アップデートによる追加に伴って上がる可能性もあるとのこと。安く入りたいなら早いほうが得、という一般的なパターンにゃ。
8月21日の開始告知では、体験版の内容に加えて新たなスポンサー2名、より高難易度の特別ゲームモード、戦略の幅を広げる新しい返済特典が追加されると案内されている。あわせて、5月に実施されたクラウドファンディングのストレッチゴール達成で実装が決まった「課税」——総統ゲヘナが工場に税を課してくる妨害要素——のバランス調整が現在進行中であることも明かされた(開発チームの告知)。このクラウドファンディングは目標100万円に対して269万5,558円、支援者133人で終了している(プロジェクトページ)。
体験版は7月24日から再公開されており、早期アクセス開始の直前で配信終了となる。今の版は遊べる難易度が Hell1 までに絞られていて、開発側の想定プレイ時間はそこまでで5時間ほど。以前の版が20時間近く遊べる状態になっていて「製品相当のものを無料で公開してしまっている」と判断したため範囲を制限した、という経緯も公式から説明されている。制限のかわりに工場の資源収支や収入内訳を確認できる「統計」機能などが追加された。ちなみに6月30日にいったん公開を終えた時点で、体験版のレビューは108件・好評率100%だったとのことにゃ。
言語まわりは項目を分けて見ておきたいところ。対応は日本語・英語・簡体字中国語・繁体字中国語・韓国語・ロシア語の6言語だけれど、フル音声に対応しているのは日本語のみで、残りの5言語はインターフェースと字幕の対応にとどまる。動作環境の最低ラインは Windows 10 64bit、Core i5-10400F、メモリ8GB、GeForce GTX 1650、ストレージ3GB。工場ゲームとしては軽めの部類にゃ。
残り2週間ちょっと。まずは終わってしまう前に体験版で、30分の追い立てられ方を体験しておくのが手っ取り早い。
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