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Steam最多GPUはRTX 3060のまま ― PCパーツ高騰と「何に合わせて作るのか」を巡るReddit議論

投稿: 2026/09/08by tobariware8分で読めます
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Steamが毎月まとめているハードウェア調査の8月分を見ると、いちばん多く使われているGPUは相変わらずGeForce RTX 3060だった。しかも首位のシェアは4%に届かず、2位以下ともごくわずかな差しかない。上位10機種はRTX 30・40世代とGTX 1650が居座ったまま、最新世代が一気に塗り替える気配は無い(Steam ハードウェア&ソフトウェア調査)。

その数字を横目に、r/pcgamingへ投げ込まれた問いがなかなか重かった。これから1〜2年で出てくるゲームは、いったいどのPCを想定して作られているのか——という話にゃ。

投稿主の言い分はこうだった。何十年もゲームを遊んできて、新作はいつだってPCの限界を押してきた。それでも別に不安ではなかった。ハードの進歩がすぐ要求に追いついてくると分かっていたから。ところが、その前提のほうが揺らいでいる。

最先端のハードの値段が、笑えない水準まで急速に上がってきている。しかも当面はこのままらしい。

事情そのものは、もう説明がいらないくらい広く共有されている。AI向けのデータセンター需要がメモリの生産を吸い上げ、DRAMの価格が跳ね上がった。グラフィックボードは製造原価に占めるVRAMの比率が大きいので、そのぶんが素直に店頭価格へ乗る。NVIDIAのGeForce RTX 5090は発表時点で希望小売価格1,999ドルからという設定だけれど、実売がそこへ落ち着いた時期はほとんど無いまま今に至っている。

つまり質問は「ゲームが重すぎる」という愚痴ではなくて、開発側の想定線がどこにあるのかを問うものだった。数年後に完成する作品を、今どのスペックへ向けて設計しているのか。返ってきた答えは、思ったより現実的だった。

最初に付いた反応が、いきなり前提をひっくり返しにきた。

これって最近始まった話なのか? PS3/360の頃から、AAAの開発は最先端のPCパーツじゃなくてその世代のコンソールに合わせて作られてきたと思っていたけれど。

そう。AAAではコンソールがPCの要求スペックをほぼ決めている。もちろんPC側にはパストレーシングみたいな上位の機能があって、そこは相応にハードを要求するけれど。

この整理に賛同が集まった。ただし但し書きも付く。

同じくらいのスペックのPCなら動くはず。ただし最高設定で回せるとは限らない。移植が雑だと、そもそも何も保証できないけれど。

移植の話を持ち出されると弱い。実際、コンソール基準で作られた作品が同等スペックのPCでそのまま気持ちよく動いたかというと、記憶に残っているのは失敗例のほうだったりする。

コンソールとPCのスペックが重なり合っている状況は、けっこう歯がゆい。特に最新作へついていこうとするとね。上位の機能は、必要なハードの水準を本当に押し上げてくる。

コンソールが基準なら、次のコンソールが基準を引き上げてくれる——はずだった。ここで話が一段暗くなる。

ただ次世代機の未来は明るくない。少なくとも売れ行きは。噂されているスペックどおりならPS6は最低でも1,200ドルになる。それだと売れないから、開発側は当面、現行世代向けにも作り続けないとゲームが売れない。

念のため補足しておくと、この1,200ドルという数字は公式のものではない。ソニーは5月8日の決算説明会の質疑応答で、次世代機の発売時期も価格も決まったものは無いと答えていて、メモリ価格の上昇がハード原価に効く点にも触れている。つまり現時点で確かなのは「まだ決まっていない」ということだけ。掲示板に並ぶ金額は、あくまで噂を前提にした試算だと思っておくのが安全にゃ。

それでも、価格が上がった場合に何が起きるかという想像は具体的だった。

PS5専用タイトルへ移行するのにも、けっこう時間がかかった。発売から3年くらいでようやくPS4対応を切り始めた感じ。値段が高いのは本当に嫌だけど、今回は時間とともに下がってくれることを願う。

400ドルのコンソールに踏み切るのと、1,200ドルに踏み切るのとでは、まるで話が違う。

新作AAAがまとめてコケたころに、経済紙が「Z世代がゲームを殺した」って書くんだろうね。

「Z世代はもうパソコンそのものに興味が無いらしい」

冗談の形をしているけれど、言いたいことははっきりしている。買えない価格が並んだ結果を、買わない側の気質のせいにされてはたまらない、という話。

そして結論めいた声も出てきた。

当分は現行世代のスペックに縛られたままだと思う。多少いいハードを買える人がいても、それを前提に開発できるほどの数にはならないから。開発側は無理のない中間を狙うしかない。

生成AIのモブ会話だけが具体的な期待だった

ここで話の角度が変わる。そもそも、今より速いGPUがあったとして、それで何を作るのか——という問いを投げた人がいた。

5080でできなくて7080でできるゲームって、具体的に何? というか1080でもいい。ゲームプレイは10年以上、大きくは進化していない。処理能力が増えれば実現できる遊び方というのが、自分には思いつかない。

これに対して、ひとつだけ具体的な期待が返ってきた。

生成AIを使った機能を待っている。RPGのモブが、同じボイスの使い回しじゃなく、その場に合った気の利いたことを言う。そういうのに大手が踏み込むのを見たい。コンソールには荷が重そうだけれど。

一方で、そんなに新しい話ではないという視点も出た。

本気でハードを押し切った最後の作品は『Crysis』だと思う。しかもあれはCPUがひたすら速くなるほうに賭けていて、コア数が増えてGPUが強くなる未来には賭けていなかった。以来ずっと、コンソールがPCの足を引っ張ってきた。

「Crysisが動くか」がPCの物差しだった時期は、確かにあった。面白いのは、2020年に出たリマスター版の推奨環境がGTX 1660 Ti・メモリ12GBで収まっていること(Steam ストアページ)。当時ハイエンドを焼き切った作品が、今は完全なミドルレンジの範囲に落ちている。ハードが追いついた、というのはこういう景色のことだった。

上位機能の話も、実物で見るとイメージしやすい。『サイバーパンク2077』のパストレーシング(Overdriveモード)は、ストアに載っている推奨環境——RTX 2060 SUPER相当——の遥か上を要求する別枠の設定として用意されている。コンソール基準で作りつつ、PCにだけ天井を足す。掲示板で言われていた構図が、そのまま設定画面に並んでいる格好にゃ。

価格が最適化を鈍らせた証拠は無い

流れが「だから最近のゲームは最適化が雑なんだ」へ寄りかけたところで、はっきりした否定が入った。

それ、全部想像で言っているよね。今の価格状況がゲームの最適化に影響しているという証拠は無いし、そもそも今のゲームがゲーム史の中で特別に最適化不足だという証拠も無い。

言われてみればそのとおりで、要求スペックの数字が上がっていることと、作りが雑になっていることは別の話。前者は測れるけれど、後者を測るのは難しい。「昔のゲームは軽かった」という記憶は、そのころ手が届かなかった作品を忘れているだけかもしれない。

落としどころとして支持を集めたのは、こんな整理だった。

分別のある開発者なら、高性能なハードがあればそれを活かしつつ、今みんなが実際に持っているハードでも、作り手の狙いどおりに気持ちよく動くように実装するはず。

そして、いちばん腑に落ちたのがこの一言。

80年代末から90年代初頭に戻ったようなものだね。当時も、それなりのメモリと周辺機器を積んだ新品の386や486は、物価を調整すれば今のハイエンドPCと同じくらいの値段だった。だから開発者は、古いハードでも動くゲームを作るしかなかった。

高い機材を前提にできない時代の作り方が、どんなものだったか。それは既に一度通った道だという指摘は、悲観論よりずっと具体的だった。

Steamの調査に戻ると、システムメモリは16GBが41%で最多、VRAMも16GBがついに8GBを抜いて最も多い構成になった。少しずつは上がっている。ただ、その歩みは「1〜2年後の新作が想定していい速度」なのかどうか。首位に居座り続けているRTX 3060が発売されたのは、2021年2月のことだった。

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