『ENDLESS Legend 2』ディレクターも回答、50代からゲーム開発者を目指す相談にRedditの経験者が集まる
テック業界で長く働いてきた50代のプログラマーが、職を失った。Redditのゲーム開発者コミュニティ r/gamedev で9月21日に立ったスレッドは、そんな打ち明け話から始まっている。
投稿者は、年齢を考えると大手のテック企業へ戻るのは難しいと見ている。そこで、16時に上がれる普通の仕事に就き、残りの時間で自分のゲームスタジオを立ち上げる計画を考えているという。ゲーム開発の経験は無いけれど、プログラミング歴は長い。そのうえで「45〜50歳を過ぎてからゲーム開発者になり、そこそこ成功した人はいる?」と、実体験と人生のアドバイスを求めていた。
集まったのは、自分の年齢を名乗った経験者たちの答えだった。その中には、先週正式版を出したばかりの4Xストラテジーのディレクターと、Steamで高い評価を集める海戦シミュレーションの開発者もいたにゃ。
39歳で業務ソフトの仕事を辞めた人が『ENDLESS Legend 2』を率いている
書き込みはたった3文だった。
39歳のとき、業務用ソフトウェアの仕事を辞めてゲーム開発の道に入った。いまは54歳で、先週の木曜にリリースされたゲームのディレクターをしている。これまでたくさんのゲームを出してきたし、あの決断を後悔したことは一度もない。
Derek Paxton氏の書き込みより(日本語訳)
「先週の木曜にリリースされたゲーム」は、AMPLITUDE Studiosの『ENDLESS Legend 2』のこと。9月17日に早期アクセスを終えて正式版1.0になり、PC・Xbox Series・PlayStationで遊べるようになった(公式ブログ)。1.0では、地形を作り変える6つ目のメジャー勢力「Sandshapers」に加えて、ローグ勢力2つとマイナー勢力1つが追加されている。
Paxton氏の経歴をたどると、「39歳」という数字にも辻褄が合う。最初に名前が知られたのは『シヴィライゼーション4』の大型MOD『Fall from Heaven』で、公開は2005年。続く『Fall from Heaven II』は50万回以上ダウンロードされた。その後、2010年10月にStardockの開発チームへ加わり、2012年の『Elemental: Fallen Enchantress』ではリードデザイナーとしてクレジットされている。趣味のMOD作りで積み上げたものが、そのまま仕事への入り口になった形だね。

返信欄には、ほかのユーザーから「『ENDLESS Legend』が大好きだった。IIも同じくらい良いといいな」という一言も付いていた。
『Sea Power』の開発者は、モバイルで10本失敗したあと50歳で食べていけるようになった
スレッドへいちばん早く答えたのは、-Xaron- という名前の開発者だった。投稿からわずか4分後のことだ。
38歳ごろにゲーム開発を始めて、10本出した(全部モバイルで、どれも商業的には失敗)。46歳で専業になり、50歳でようやく自分のゲームで生活できるようになった。いまは52歳。もともとはごく普通のソフトウェアエンジニアだった。
-Xaron-氏の書き込みより(日本語訳)
作品名を聞かれて挙げたのが『Sea Power: Naval Combat in the Missile Age』。冷戦期の艦艇・航空機・潜水艦を指揮する海戦シミュレーションで、開発はTriassic Games、販売は『F-15 Strike Eagle』で知られるMicroProseが担当している。Steamでは2024年11月に早期アクセスが始まり、ユーザーレビューは9割前後が好評。正式版は2026年第4四半期を目標にしている(Steamストアページ)。スレッドを立てた本人も、ストアのリンクを貼って「まさか、これ?」と驚いていたにゃ。
続けて寄せられた質問への答えから、そこまでの道のりが少しずつ見えてくる。
- 最初の4年間は3人で作り、いまは一部パートタイムを含めて約12人のチームになった
- 本業を続けながら少しずつ作り、途中で勤務を80%に減らし、貯金を支えにして専業に移った
- 1日1時間しか取れなくても前には進む。「短距離走じゃない」
- 最後に出したモバイル作品は潜水艦シミュレーター『Silent Depth』。その前は戦艦もの、カードゲーム、ボードゲームなどを作っていた
今やり直すなら何を変えるかと聞かれ、返したのは「モバイルゲームにはそもそも時間を使わない」だった。
0.99ドルや4.99ドルの買い切りで売ろうとすると「ぼったくりだ」と言われた。そのくせ同じ人たちが、"無料のゲーム"のルートボックスには平気で99ドル払う。おかしな市場だよ。僕が始めた2012年はまだ入りやすかったけれど、今はほぼ不可能だと思う。
-Xaron-氏の書き込みより(日本語訳)
別のユーザーから祝福されたときには、10本はどれも失敗だったけれど諦めなかったこと、そして「これが大事なんだけど、運もあった」と付け加えていた。成功した話をしながら運の比重を隠さないあたりに、この人の誠実さが出ているにゃ。



年齢よりも、お金と時間の配分を問う声が多かった

40代以降に転身した人の書き込みはほかにもある。
- 30代で広告業界を離れ、40歳で映画学校へ。テレビの仕事を積み上げている最中に、45歳目前で初めてゲームの仕事を得た人。AAの大ヒット作と失敗作、AAAシリーズなどに関わり、次もAAAの仕事が決まっている
- 40代前半でゲーム開発に移り、最初の作品が5万本売れて、40代後半の今は2作目を作っている人
- 44歳でテック/ビジネスの仕事を続けながら2年前にスタジオを立ち上げ、最初の作品を早期アクセスで出した人。子どもが8人いると書いたら、「もうQAチームがいるじゃないか」と返されていた
こうした体験談と並んで多かったのが、「年齢そのものはほとんど関係ない」という答えだ。
ゲーム開発の掲示板にいる人たちは、プレイヤーよりずっと年齢を気にする。プレイヤーが見るのはゲームの出来だけだ。
_tchom氏の書き込みより(日本語訳)
じゃあ何が関係するのか。挙がったのは、お金と時間の話がほとんどだった。13歳から開発しているという人は、経済的には大きな賭けになるので、軌道に乗るまでは安定した収入として当てにしないほうがいいと忠告する。Steamでソフトを約50万本売ってきたという人は、力の半分を宣伝と認知づくりに割くべきだと書いた。フリーランスの経験がある人は、「勤務時間を自分で決められる」はずが、最初にルールを決めなかったせいで、遅れるたびに朝9時から翌朝5時まで働く羽目になったと振り返っている。
年齢が意味を持つのはプレイヤーの前ではなく採用の場だ、という指摘もあった。スタジオに雇われたいならポートフォリオが要るけれど、自分で作って出すならそこまで問われない。何十年もプログラミングをしてきて、なぜ今までゲームを作らなかったのか。そこを問う人もいて、年齢より「ずっと興味を持ち続けてきたか」のほうを重く見ていた。
投稿者の「16時に終わる仕事をしながら作る」という計画には、「本業と開発を分けるのはとても良い考えだ」と賛成する声が続いた。そう書いた人自身は、41歳で計画も無いまま仕事を辞めてしまったという。Paxton氏が業務ソフトの仕事を辞めたのが39歳で、それから15年。-Xaron-氏は38歳で始めて、食べていけるまでに12年かかっている。スレッドに並んだ数字が語っているのは、何歳で始めたかより、そこから何年続けたかのほうだった。
関連記事
『ENDLESS Legend 2』が正式版1.0に、6番目の勢力サンドシェイパー参戦で半額セールも
早期アクセス開始からほぼ1年、『ENDLESS Legend 2』が正式版1.0になったにゃ。新勢力サンドシェイパーと記念の半額セール、Redditで交わされた声もあわせて紹介するよ。
『Dead Space』のプラズマカッターに答えが集中―Reddit「最初の武器が最強」談義
序盤で拾った武器が最後まで最強だったゲームは? r/gamingの問いかけに集まった答えは採掘用の工具に偏った。クリア実績「One Gun」の取得率は4.4%にゃ。
「面白くなければ途中でやめる」派がRedditで主流に──積みゲーと時間が変えた遊び方
合わないと感じたら即アンインストール。クリアにこだわらない遊び方が当たり前になった背景を、r/gamingに集まった声から探ってみたにゃ。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。