クセの強すぎる騎士に仕事を割り振る『Sovereign Tower』発売、初日から93%好評
「やっとこの仕事にふさわしい統治者が見つかった。そう、あなたのことだ。さあ、この快適な玉座に座ってくれたまえ」——顧問を名乗るアーリンのやたら軽い採用面接から幕が開くのが、8月6日にSteamで配信の始まった『Sovereign Tower』にゃ。フランス・レンヌのスタジオ WILD WITS が開発し、Curve Games が販売を手がけている(Curve Games 公式発表)。
価格は2,490円のところ、リリース記念セールで15%オフの2,116円。この値引きは8月20日で終了する。
朝は民の陳情を聞き、昼は円卓から騎士を送り出す
プレイヤーは魔法の塔に君臨する統治者だ。朝はまず家来の世話をして、王国を悩ませている問題に耳を傾ける。庭仕事から悪魔祓いまで持ち込まれる案件の幅が広く、ストアページの言葉を借りれば「退屈な日など統治者にはない」。
そして本題が円卓にゃ。その日に届いた依頼を一覧で確認し、手持ちの騎士を任務へ割り当てていく。騎士には筋力・敏捷性・魅力・魔力・機知といったステータスがあり、クエストごとに必要なスキルセットが違う。公式が挙げている例が身も蓋もなくて、「魅力が必要なら、ウルスラを派遣するのは避けた方が賢明だろう」。誰を出すかを間違えれば、当然そのぶん結果に返ってくる。
帰還した騎士は冒険の顛末を報告してくれる。大失敗か、大成功か、あるいはまったく予想外の着地か。そのひとつひとつが、商人・神秘家・学者・貴族・民衆・国庫といった勢力との親和性を動かしていく。全方位に良い顔をしてバランスを取ってもいいし、「みんなを裏切ってすべてを使い果たしてもいい」と公式が明言しているあたりに、この作品の性格がよく出ているにゃ。
そして肝心なのが塔の地下だ。ここには時間を巻き戻せる悪魔が棲んでいて、すべてが台無しになっても、それまでに得た知識を丸ごと抱えたまま別の決断をやり直せる。失敗が周回の材料になる作りで、「選択が重い」タイプの物語ものとしては珍しく気楽に踏み込める設計になっている。選択を積み重ねて一生をなぞる読み物としては、以前取り上げた『The Life and Suffering of Sir Brante』も近い手ざわりの作品にゃ。
「石像とのロマンスがお好きなら、ここはまさにうってつけの場所」
円卓に招く騎士たちは、強烈な個性と疑わしい道徳観を持った連中ばかり。公式が自分のところの登場人物を「道化師たち」と呼んでいるくらいで、肥大した自尊心には派手なドラマがついてくる。彼らは塔の庭園を散歩するためにいるわけではなく、助言を求めてきたり不満を漏らしてきたりする。放っておけば宮廷を去ってしまうこともあるが、公式いわく「その方がいい場合もある」。


ロマンス要素もあり、ここで公式がわざわざ念を押しているのが見出しの一文にゃ。「石像とのロマンスがお好きなら、ここはまさにうってつけの場所。これは冗談じゃないので、塔の女神に話しかけて確かめてみるといい」。噂話が好きなら管理官に聞けば騎士たちの秘密を教えてくれる、という具合に、塔の住人それぞれに用事があるのもいいところ。
塔そのものも育っていく。別館を建てれば宮廷での地位が上がり、鍛冶屋の炉や魔女の錬金術工房を持てば、騎士のクエストを支援するアイテムを作れるようになる。近隣諸国と同盟を組んで力を示す、という外向きの動きも用意されている。
日本語まわりは事前に押さえておきたいところにゃ。Steamの対応言語表では、日本語・英語・フランス語・ドイツ語・韓国語・簡体字中国語の6言語すべてがインターフェースと字幕のみの対応で、フル音声の欄はどの言語も空。つまりボイスは入っておらず、遊ぶ体験は全編テキストを読み進める形になる。会話量の多い作品なので、ここは好みが分かれる部分だと思う。
動作環境はWindows 10以降のほか、SteamOS 3.8.10以降にも対応している。無料の体験版がSteamに置かれたままなので、テキスト量と采配のテンポが自分に合うかは先に確かめられる。

肝心の評価は、8月7日時点でレビュー152件中142件が好評(約93%)で「非常に好評」。発売から丸1日ちょっとでこの数字なら上々にゃ。ただ内訳を見ると英語圏の93件が全部好評で埋まっている一方、簡体字の27件は9件が否定的と温度差がある。日本語のレビューはまだ2件しか付いておらず、日本語圏での評判が固まるのはもう少し先になりそうだ。
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