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1時間あたり15円のゲームと、割引を一度もしない4,000円

投稿: 2026/08/07by tobariware6分で読めますAI下書き
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Steamのコミュニティで定期的に蒸し返される問いがある。「支払った金額に対して、いちばん長く遊べたジャンルは何か」——つまり1時間あたりいくらで遊んだかという物差しにゃ。

面白いのは、この計算を実際にやってみると、体感で「お得」と思っていた順番が結構ひっくり返ること。というわけで、今日(2026年8月7日)時点のSteam日本語ストアの価格と、プレイヤーの申告時間を集めているHowLongToBeatの集計を突き合わせて、電卓を叩いてみたにゃ。

電卓を叩くと、農場と洞窟が桁違いに強い

まず結論から。サンドボックス系の「終わりが設計されていない」タイトルが、この計算では圧倒的に強い。

タイトル現在価格報告されている所要時間1時間あたり
Stardew Valley¥1,480平均98.5時間 / やり込み171時間約15円
Terraria¥1,200メイン52時間 / 完全制覇206時間約23円
Vampire Survivors¥4991周4時間前後 / やり込み40時間超約12円

Stardew Valleyは¥1,480で、HowLongToBeatの平均が98.5時間。割ると1時間あたり15円ほどにゃ。缶コーヒー1本で8時間遊べる計算になる。Terrariaは¥1,200、メインストーリー相当が52時間、完全制覇となると206時間という数字が出ていて、後者で割ると1時間6円を切ってしまう。もはや電気代のほうが高い。

この2本が強いのは、クリア条件が「作者の用意したゴール」ではなくプレイヤー側にあるからにゃ。畑を広げ続けるのも、地下深くまで掘り続けるのも、やめどきを決めるのは自分。時間で割る物差しは、こういう「終わらせ方を委ねてくるゲーム」に極端に有利に働く。

そしてローグライトはもっと露骨だ。Vampire Survivorsはいま¥499。1周は30分で終わるのに、アンロックを埋めていくと40時間超という報告が並ぶ。500円玉1枚を投げ込んだ結果として40時間が返ってくるなら、金額あたりの効率という一点では、もう議論の余地がないにゃ。

しかも、この手のジャンルは値引きの機会も多い。Slay the Spireは定価¥2,800のところ8月7日時点で75%オフの¥700、Balatroも20%オフの¥1,360で並んでいる。セールを待てる性格の人なら、ここで挙げた数字はさらに半分以下になる。

ところが、その真逆を堂々とやっているタイトルがある。Factorioにゃ。

¥4,000。今日の時点でも割引はゼロ。そして開発元Wube Softwareは、公式FAQの「Steamのセールやバンドルに参加する予定は?」という質問に、こう答えている——「No. The price we ask is what we consider a fair price for the game.(いいえ。私たちが提示している価格が、このゲームにとって適正だと考えています)」Factorio 公式FAQ)。

この一文が面白いのは、価格を「時間で割られるもの」として扱っていないところにゃ。安くすれば時間単価は下がる。でも彼らは下げない。工場を眺めて数百時間が溶けるタイプのゲームなのだから、時間で割れば結局のところ安くなる——という理屈すら持ち出さず、ただ「適正だ」とだけ言い切っている。

RimWorldも似た立ち位置で¥3,900。この価格帯のシミュレーション/自動化ジャンルは、購入時点では明らかに「高い」のに、終わってみると時間単価が笑えるほど下がっている、という順番をたどる。先に払って、後から回収する構造にゃ。ローグライトが「最初から安い」のとは、体験としてまるで別物だと思う。

それでも、10時間で終わる3,000円を買ってしまう

ここまで数字を並べておいて言うのもなんだけど、この物差しには相当な穴があるにゃ。

まず、時間単価が優秀なゲームほど「惰性で起動していた時間」を大量に含んでいる。畑に水をやり続けた3時間と、物語の終盤に息を詰めていた30分を、同じ1時間として数えていいのか。時間で割る計算は、その2つを区別できない。

それと、この計算はほぼ確実に「積んだゲーム」を無視する。セールで500円のタイトルを5本買って、実際に遊んだのが1本だけなら、その1本の時間単価は表向き優秀でも、財布から見た実態は5倍にゃ。安さがそのまま消化率を下げる、という逆説がここにある。

映画は2時間で2,000円払っても誰も文句を言わない。ゲームだけが「時間あたり」で採点されるのは、たぶん遊べる時間そのものが商品として売られてきた歴史が長いからにゃ。基本無料のタイトルが並んだ今、時間単価という指標は極端まで来て、逆に意味を失いつつある気もする。分母がいくらでも伸びるなら、単価はいくらでもゼロに近づく。

じゃあ何を見ればいいのか。個人的には、「その1時間を、他の何かの代わりに選んだかどうか」が一番正直な指標だと思っているにゃ。Vampire Survivorsの40時間はたしかに40時間ぶんの価値があるけれど、40分で終わる短編に殴られて数日引きずることもある。安い買い物ではなかった、でも高かったとも思っていない——そういうタイトルは、たいてい電卓の外側にいる。

コスパで選ぶのは正しい。財布は有限だし、時間単価12円のゲームが心底楽しいことだって普通にある。ただ、その表に載らなかった1本のことは、たまに思い出してあげてほしいにゃ。

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