北欧の伝承が根づく島で村を育てる『Thveit』発表 トロールも竜も隣人になる街づくり
森を切り開いて家を建てる街づくりゲームは山ほどあるけれど、「森に住んでいた側」と交渉しながら村を広げるものは、そう多くないにゃ。
Winter Cats Studiosが開発する新作『Thveit』のSteamストアページが、7月21日に公開された。北欧の伝承を下敷きにした集落建設シミュレーションで、パブリッシャーは『The Universim』などを手がけるCrytivo。発売時期は「近日登場」のままで、早期アクセスでのスタートが予定されている(Steamストアページ)。

最初にあるのは、開拓地ひとつと数人の入植者
舞台は自動生成される無人の島。プレイヤーはわずかな入植者と、ひとつの開拓地から始める。最初の一本を切り倒すところから、農家の煙突に煙が立つところまで、地面を均して村の形を決めていく流れだ。
入植者が必要とするものは、住まい、食料、暖かさ、快適さ、衣服、仕事、保管場所、そして安全な生活空間。これに対して建てられるのが農家、農場、釣り場、採集施設、産業施設、信仰施設、船着き場、倉庫といった顔ぶれで、幾重にも連なる生産工程を組み上げて村を自立させていく。
住民はただの労働力の数字ではなく、働いて、休んで、蜂蜜酒の広間で一杯やる。そういう日課の積み重ねが村の空気を作る、というのがこの作品の建て付けらしいにゃ。
春は伸ばし、夏は船を出し、秋はひたすら積む
季節が暮らしのリズムを丸ごと変えるのが、この村の厄介なところ。公式の説明では、春は成長を促す季節、夏は建設と航海に向く季節、秋は食料・衣服・燃料・供物を蓄える季節、と役割がはっきり分かれている。
つまり「今やるべきこと」が四半期ごとに入れ替わる。夏に船を出しすぎて秋の備蓄を削れば、そのツケは全部あとから回ってくるわけだ。


島は無人じゃない、という気づき方が良い
村が育つにつれ、島は別の顔を見せ始める。森の近くに大きな足跡が現れる。日暮れ前に猫が集まってくる。川が不思議な光を放ち、聖なる木のそばに鹿が集まり、墓が騒ぎ始め、空からはワタリガラスがこちらを見ている——という具合に、異変が生活圏にじわじわ滲み出してくる仕掛けだ。
ここで建てるのが研究拠点。入植者たちの発見を「生き物の書」に記録していく施設で、それぞれの存在について生息地、好み、嫌いなもの、供物、現在の効果、次の手がかりが埋まっていく。
情報が揃ったら、プレイヤーは態度を決める。迎え入れるのか、なだめるのか、敬意を示すのか。倒すという選択肢が前面に出てこないのが、この作品の温度感をよく表しているにゃ。
巣穴、寝床、石の囲い
そして伝承の存在は、訪ねてくるだけでは済まない。彼らにも「居場所」が要る。
森や山の近くにトロールの巣穴を作る。猫のための寝床と器、保護区を用意する。希少な卵から生まれたドラゴンを、石造りの囲いで育てる。供物や音楽、清らかな水の祠で川の精霊を敬い、墓地と祖先の祠で死者を弔う。祠・儀式・恩寵・神の領域を通じて、古の神々を崇める。
要するに、住宅と生産施設だけ並べても村は完成しない。土地の一部を、人間以外の隣人に明け渡す設計になっている。


何を差し出せば、何が返ってくるのか
ありがたいことに、そのあたりの取引条件は公式でかなり具体的に示されている。超自然的な存在にはそれぞれ「必要なもの」「恩恵」「代償」がある、という整理だ。
| 相手 | 求めるもの | 返ってくるもの |
|---|---|---|
| トロール | 食事、空間、静けさ、適切な巣穴 | 木材、石材、重労働、古代石、村の外縁部の安全 |
| 猫 | 食料、暖かさ、寝床、安全な家 | 快適さの向上、精霊の接近の察知、フレイヤの恩寵の後押し、超自然的な恐怖の緩和 |
| ドラゴン | 肉、石造りの建物、暖かさ、空間、絆 | 名声、熱、守護、交易評価、神話的な進展 |
| 精霊 | 供物、儀式、その場所への敬意 | 漁業・農業の実り、快適さ、水、希少な魔法資源 |
猫が「精霊の接近を知らせてくれる」あたり、スタジオ名がWinter Cats Studiosなのも納得というか。ちなみにトロールは重労働と石材を運んでくる代わりに静けさを要求するので、巣穴の隣に工房を建てた日には揉めそうだにゃ。
雪が全部を採点しにくる
公式が「あらゆる集落にとって最大の試練」と言い切っているのが冬。雪が大地を覆い、夜が長くなると、どれほど強い村でも揺らぐ、という書き方をしている。人々を飢えさせず、暖かく、安全に保つ——それが冬の全課題になる。
面白いのは、備蓄だけでは越えられないと明言されている点。同じ島に暮らす生き物、精霊、古の力が味方になり、最も寒い日々に守り、導き、思いがけない助けをくれることがある、とされている。秋までにどれだけ隣人と信頼を積んだかが、そのまま冬の生存率になる作りというわけだ。


蜂蜜酒の樽か、上質な衣服か
島の外との関係も用意されている。交易と航海で外の世界とつながると、商人が新たな入植者、希少品、伝承の知識、猫、ルーン石、遺物、噂を運んでくる。航海の先で待っているのはドラゴンの卵、希少資源、古い歌、そして村を「生き延びるだけ」の段階から先へ押し出す知識だ。
そして村が繁栄すると、独自の看板ができる。上質な衣服が特産になることもあれば、蜂蜜酒の樽が交易の柱になることもある。国境の向こうの国々が集落に注目し始め、取引のたびに評判が上がり、やがて特定の品が遠方でより高い価値を持つようになる——何を作り、どう売るかが、村の「名前」を決めていく仕組みだ。
遊ぶ環境と、日本語の中身
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Thveit |
| 開発 | Winter Cats Studios |
| パブリッシャー | Crytivo |
| プラットフォーム | PC(Steam・早期アクセス予定) |
| 配信時期 | 近日登場(日付未定) |
| 価格 | 未定 |
| 対応OS | Windows 10 64bit(Mac・Linuxは非対応) |
| 日本語 | インターフェースと字幕に対応、音声は非対応 |
対応言語は21種類と幅広いものの、フルボイスが用意されているのは英語のみ。日本語は表示と字幕までなので、そこは分けて覚えておきたいところ。プレイ環境は以下の通り。
| 項目 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen 7 5700U / Core i7-1165G7 | Ryzen 5 7600 / Core i5-13600K |
| メモリ | 8GB | 16GB |
| グラフィック | GeForce GTX 1070 / Radeon RX 6600 | GeForce RTX 3070 / Radeon RX 9060 |
| DirectX | 11 | 11 |
| ストレージ | 10GB | 10GB |
早期アクセスの期間は、開発の進み具合と反響次第で調整しつつ、おおよそ2027年後半までを見込むとされている。早期アクセス版の時点で街づくりの中核、集落運営、資源生産、季節の進行は一通り遊べる状態になるとのこと。価格は内容の追加に合わせて段階的に引き上げる方針で、早く入った人ほど安く買えるという、よくある形だ。
シングルプレイ専用で、Steam実績・Steamクラウド・HDRに対応。文字サイズ調整、カメラの快適性設定、難易度調整、キーボードのみ/マウスのみ操作、いつでもセーブといったアクセシビリティ項目が並んでいるのも、のんびり遊ばせる気があるタイトルらしい。
雪が降る前に薪を積み、トロールの機嫌を損ねないよう工房の場所を考える。そういう冬支度の手触りが、実際どこまで作り込まれているか。動くところを触れるのは早期アクセス開始を待つことになりそうだにゃ。
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