異界の温泉宿を営む猫のJRPG『Under Mythos』発表、Switch/Steamで2028年発売予定
桜の下の露天風呂に、黄緑色のクッションみたいな生き物がぺたんと伸びている。ところが地下のダンジョンでは、同じ黄緑色をした何かが目玉を三つ並べた巨体になって行く手をふさいでくる。KADATH Co., Ltd. が9月10日に発表した新作『Under Mythos(アンダー ミュトス)』は、その落差をまるごと1本にまとめようとしているJRPGだよ。対応はPC(Steam)とNintendo Switchで、発売は2028年を予定している。
主人公は「マザー」を探して異界へ迷い込んだ一匹の猫。たどり着いた先は、異界の住人たちが湯に安らぐ不思議な温泉宿だった。再会を願いながら宿で働き、訪れる客をもてなす穏やかな日々——そこに予測不能な異変が忍び寄っている、というのが公式に出ている導入部分。物語が進むにつれて、慣れ親しんだ世界そのものが少しずつ「狂気」へと変異していくらしい。
昼は宿の経営、夜は異界で食材集め
遊びの骨組みは、温泉宿の経営シミュレーションとエクストラクションの組み合わせ。昼は宿で客の相手をして、夜は異界に広がるダンジョンへ食材や資源を探しに潜る、という往復で1日が回っていく。
持ち帰った食材や報酬は宿の経営に還元され、宿が育つと新しい出会いや体験が生まれ、それがまた次の探索につながる。素材集めが目的で、目的地が宿のほう、という循環だね。探索の先には異形と化した存在とのアクションバトルが待っていて、プロデューサーの宮路洋一は「一歩間違えればすべてを失う、死と隣り合わせのダンジョン」と書いている。持ち帰りに失敗したときの扱いは、それなりに厳しいものになりそう。


公開されたスクリーンショットを見るかぎり、ダンジョンは横方向へ進んでいく作りで、画面左上には体力らしきハートが3つ。猫が細長い武器を構えて、自分の何倍もある相手と向き合っている。氷に覆われた遺跡、青緑に発光する洞窟と、場所ごとに色の作りがはっきり変わるのも分かる。ストアのジャンル欄はアクション/RPG/シミュレーションの3つで、シングルプレイ専用。ゲームパッド推奨で、コントローラ対応は「部分的」と表示されている。
ちなみに宿の庭でくつろいでいる黄緑色の生き物と、ダンジョンで襲ってくる目玉付きの巨体は、色も輪郭もよく似ている。同じ相手の変わり果てた姿にも見えるけれど、そこは公式に説明が無いので、いまは並べて眺めておくだけにしておくにゃ。
にしだあつこが描く猫のニャルラホテップ

参加クリエイターの顔ぶれは、発表と同時に公開された開発日誌の1本目で明かされた。
キャラクターデザインはにしだあつこ。さまざまなポケモンのデザインに携わってきたグラフィックデザイナー/イラストレーターで、今回はクトゥルフ神話の「ニャルラホテップ」を自分なりに解釈したという。「混沌の神様だけど、身近にいるネコちゃんみたいに愛される存在になってくれたら嬉しいです」とコメントを寄せている。混沌の外なる神を、耳の大きい猫として着地させたわけだ。
シナリオは『テイルズ オブ ジ アビス』などを手がけた実弥島巧。「小さな歪みと隣り合わせの『癒やし』をお届けできれば嬉しいです」という言い方をしていて、癒しと狂気という対比が物語の側にもそのまま置かれているのが分かる。
音楽は『GRANDIA』『LUNAR』『逆転裁判』の各シリーズで知られる岩垂徳行。映像を見て「主人公の豹変する狂気をどのように表現するか悩んだ」と振り返り、ほんのり和調な曲調から高速ジャズへ変化させることで効果を出そうとしているという。和風の温泉宿からジャズへ切り替わる瞬間が、そのまま画面の異変と重なる作りなんだと思う。
プロデューサーの宮路洋一は『LUNAR』シリーズや『GRANDIA』シリーズを手がけてきた人物。「長年RPGを作り続けてきましたが、今回は、この極端な『癒し』と『狂気』が溶け合う、予測不能なハイブリッドJRPGに挑戦しています」と語っている。
Steamのストアページはもう開いていて、開発・販売はどちらもKADATH Co., Ltd.名義。表示されている発売時期は「2028年」だけで、月までは決まっていない。
対応言語は5つ。ただし現時点でチェックが入っているのはインターフェースの欄だけで、音声と字幕の欄は空のまま表示されている。
| 言語 | インターフェース | 音声 | 字幕 |
|---|---|---|---|
| 日本語 | ○ | - | - |
| 英語 | ○ | - | - |
| 簡体字中国語 | ○ | - | - |
| 繁体字中国語 | ○ | - | - |
| 韓国語 | ○ | - | - |
発売までまだ間があるので、この先埋まっていく可能性はある。現状の表記をそのまま読むなら、音声まわりはまだ何も確定していない、ということになる。
PC版の最低動作環境も暫定という但し書き付きで出ている。
- OS: Windows 11 64-bit
- CPU: Intel Core i5-10400 / AMD Ryzen 5 3600
- メモリ: 16GB
- GPU: NVIDIA GeForce RTX 2060 / AMD Radeon RX 5600 XT
- ストレージ: 20GB
2026年時点の新作としては重すぎず軽すぎずといったところ。開発中の数字なので、変わる前提で見ておくのがいいだろうね。
もうひとつ、この発表には開発体制の話がくっついている。公式サイトには、試作版(バーティカルスライス)の制作に向けた協業パートナーを募集中と書かれていて、協業・投資・パブリッシングに関する問い合わせを受け付けている。作品を大々的に見せる前に、まず一緒に作る相手を探している段階ということ。
開発日誌のほうでは、完成したゲームをただ届けるのではなく、プレイヤーの熱量や考察を取り入れながら世界とキャラクターを「共に育てていきたい」と書かれている。ウィッシュリスト登録とディスカッションへの書き込みを呼びかける文面では、参加者を「原初の狂信者(カルティスト)」と呼んでいて、募集の告知にまで作品のノリが持ち込まれているのが面白い。
公式が「まだ深淵の入り口に立ったばかり」と書いたとおり、いま形になっているのはティザー映像1本とストアページ、そして掲示板のスレッドが1つだけだ。
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