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『ウィスカーウッド』に外洋と海戦が実装、新クエスト19本の航海アップデート配信

投稿: 2026/09/08by tobariware6分で読めます
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研究のTier 1を終えた、その次の冬。改造した救命ボートに乗ったネズミが一匹、ランダムな確率で海に現れる。助けるかどうかはその場で決めてもいいし、後回しにしてもいい。ただ、この遭難者が抱えているのは造船の設計図で、拾い上げた瞬間から島の外に広がる海がまるごと開く。

猫に搾取されながらネズミの街を作る『Whiskerwood(ウィスカーウッド)』のパッチ#26「航海アップデート」が、9月4日に配信された。約4か月かけて作られた、早期アクセス開始以来いちばん大きい更新にゃ。開発は日本の合同会社Minakata Dynamics、販売はHooded Horse。リードプログラマーのDaniel Dressler氏は公式のパッチノートで、これを「第二幕」と呼んでいる。第一幕が自分の島と植民地制度に折り合いをつける話だったのに対して、ここからは地域全体が舞台になる。

遭難者の設計図から、造船所と9種類のドックが開く

設計図を手に入れると、まず造船所が建てられるようになる。外洋を渡れる船は防水の船体を要求する複雑な機械で、建造には相応の時間がかかる。数を揃えたいなら造船所を複数建てておけ、というのが開発側の助言。建造できる船は3種類以上、新しく置けるドックと構造物は9種類以上が追加された。

面白いのは、船が「資本財」として扱われている点。作るのに重い投資が要る代わりに、いったん完成した船はドック間で自由に付け替えられる。同じ船を、今日は島の間を結ぶ高速フェリーに、明日は深海漁業に、という具合に役割を変えられるわけだね。フェリー用のドックに割り当てた船は、従来のいかだフェリーよりずっと速い。

船の動きは全部シミュレーションになった。プレイヤーの船だけでなく、支配者の猫たちの本国から島へやってくる船も、海賊島から出てくる船も、実際に海を渡ってくる。だから水上に建物を並べて主要ドックを塞いでいると、船が到着できない。旧仕様のクセで港をふさぎ気味に組んでいた人向けに、当面は「詰まったらドックへ瞬間移動する」という救済コードが入っているけれど、これは何回かのアップデートで外れる予定とのこと。

海賊への荷運びが、そのまま猫の海軍に化ける

設計図が手に入ると、まず海賊からの依頼をこなせるようになる。これに応じると、しばらくのあいだ襲撃されない期間を買える。ただし裏を返せば、それは海賊を太らせているということ。彼らの圧力は植民地全体でじわじわ高まっていき、やがて限界を超えて、猫側が対海賊部隊を立ち上げる。その猫たちに取り入ることで、今度はプレイヤーが戦える艦隊を組む手段を得る——という因果の連鎖が、新ストーリー「The Pirate Wars」の骨組みになっている。自分が海賊に協力した結果として海軍の設計図が回ってくる構造は、なかなか意地が悪い。

戦闘まわりの作りもだいぶ真面目にゃ。砲撃には弾道シミュレーションが入り、壁や地形が実際に弾を止めるようになった。砲弾は石・青銅・鉄・チェーンショットの4種類。島側にはキャノンタワーが追加され、壁と塔にはHPが設定された。船と建物の戦闘処理は同じ仕組みに統合されている。

外洋の船には経路が引かれていて、プレイヤーはそこに干渉できる。押し寄せる海賊船を、キャノンタワーで固めた迷路のような航路へ誘い込む、といった遊び方も想定されているらしい。丸腰の輸送船には護衛艦を随伴させられて、護衛側は目的地が遠ければ本船と同じ経路を少しずらして進む。最終目標として、海賊島を一つ残らず潰すところまでが射程に入っている。

外洋には点在する見どころがある。漁場、グアノ岩、そして沈んだ船から出るサルベージ。これらは最初は霧に隠れていて、船を出して測量しないと地図に出てこない。

グアノ岩を削って持ち帰れば肥料が無限に作れるし、深海漁業用のドックを研究して船を仕立てれば魚も上限なく獲れる。鉱石や肥料の入手に天井があることは、第一幕を遊び終えたプレイヤーからずっと要望が上がっていた部分で、そこが今回まとめて外れた形。

海賊島の砲台をかいくぐった先には、ネズミたちの別の入植地がある。こちらとは密輸業者を挟まずに直接取引ができて、レートも密輸より良い。完成品を売るときは密輸業者の2倍。しかも島ごとに「性格」が設定されていて、農業コロニーは農作物しか興味を示さない代わりに作物を大量に出してくるし、鉱山が枯れかけているなら鉱業コロニーで鉱石を積み込める。取引内容は島ごとにランダムで用意される。地図製作者から島や見どころの位置のヒントを買うこともできる。

ネズミはそもそも水を好む動物ではない、という理屈で、乗組員にも制限がかかった。新しく追加された「水兵」と「士官」のスキルを持つ個体だけが海に出られる。小型船なら水兵だけで足りるけれど、大型船には士官が要る。該当スキル持ちは船でぽつぽつとやってくるほか、学校で他のネズミに教えることもできる。

そして海の上でいちばん怖いのは、たぶん海賊ではなく空腹。陸なら木の実を摘めるが、外洋には何もない。缶詰を積み込んでおかないと、水兵も士官もそのまま餓死する。ほかにも巡回中の海賊船に出くわしたり、交易に夢中になって食料庫を丸ごとよその島に売り払ってしまったり、といった事故が待っている。船に積んだ荷物は、ホバー表示でその場で中身を確認できるようになった。

無事に帰港すれば乗組員が積荷を降ろし、死んだ者を埋葬する。沈んでしまった場合は、積荷が漂流物として海面に残り、生存者は救命ボートを漕いで帰ってくる。冒頭のあの遭難者と、同じ格好で。

既存のセーブデータは、早期アクセス初期のものであっても自動で新バージョンへ移行する作りになっている。ここは開発側が「大きなNO」と強調していた部分で、誰の島も失わせないことを目標に据えたとのこと。ほかに新規BGMが3曲、外洋向けの実績、A1形式のグリッド座標表示、外洋だけ3倍速くなったカメラ移動、羊皮紙風の世界地図デザインなども入った。

Windows専用で、Mac・Linuxには対応していない。価格は2,980円、9月17日まで50%オフの1,490円。17言語に対応しているが、フル音声が付くのは英語だけで、日本語はインターフェースと字幕のみ。Steamのユーザーレビューは全期間3,000件超で92%が好評、「非常に好評」を保っている。

ひとつ注意点として、MODを入れているとメインメニューでクラッシュする既知の不具合があるので、様子がおかしいときはいったん全部切るのが早い。どうしても以前の環境で遊びたい人のために、アップデート前のビルドが「pre_nautical」というブランチに残されている。

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