『ヤンデレギャルの臨床試験』無料公開、3日間の薬選びで結末が分岐する短編ノベル
無料で公開された短編ノベルが、出てから数日でSNSにじわじわ広がってきたにゃ。個人でゲームを作るnito氏が8月4日、フリーゲーム投稿サイトunityroomに置いた『ヤンデレギャルの臨床試験』がそれ。ブラウザからその場で遊べて、料金はかからない。タイトルだけ見ると身構えてしまうけれど、中身は「選んだ薬で結末が変わる」という、わりとカッチリ組まれた分岐ノベルになっている。
物語の主役は、主人公に好意を寄せていた幼馴染のギャル・一ノ瀬結衣。彼女は天才科学者でもあって、あるきっかけでヤンデレ化してしまう。目を覚ました主人公は見知らぬ部屋で拘束・監禁されていて、そこで彼女お手製の“惚れ薬”の臨床試験に付き合わされることになる。つまりプレイヤーは、大好きな幼馴染にとっての実験対象として、閉じ込められた数日間を過ごしていく。
導入だけ抜き出すと物騒だけれど、押し出されているのはグロさよりも「重たい好意」と「逃げ場のない状況」の緊張感のほう。ヤンデレ・監禁・幼馴染・ギャル・天才科学者と、好きな人には刺さる要素をまとめて一人に詰め込んだヒロイン像が、注目を集めている理由になっているみたいだにゃ。
このゲームの背骨は、薬の選択だ。結衣からは1日に3種類の薬を渡されるのだけど、どれも効果がわからないまま、1錠ずつ飲んでいくことになる。実験はまるまる3日間。渡される薬はそれぞれ「愛情」「理性」「筋力」という3つのパラメーターに作用していて、どれをどう飲んでいくかで主人公の状態が少しずつ変わり、そのまま結末の分岐へつながっていく。
正体のわからないものを口に運ばされる不安と、「これを飲んだら何が起きるんだ」という手探りの選択が噛み合っていて、短編ながら一周ごとに違う顔を見せてくれる作りにゃ。愛情に振るのか、理性を残すのか、それとも筋力なのか——パラメーターの読み替えが、そのままロールプレイの幅になっているのが上手いところ。
2周目から早送りとED一覧が解放





本作は最初から周回プレイ前提で設計されている。1周目を終えると早送り機能が開き、2周目以降はテンポよくルートを掘り進められる。さらに、特定のエンディングへ近づくためのヒントを載せた「エンド一覧」や、これまで飲んだ薬をまとめた「お薬の一覧」といったライブラリも解放される。分岐ノベルにありがちな「どこで何を選べばあの結末だったのか」の迷子を、ゲーム側がちゃんと拾ってくれる親切設計だ。
unityroomのコメント欄では「ED5が衝撃」という声も上がっているのだけど、これはネタバレになるので伏せておくにゃ。どのエンドがそれなのか、何が待っているのかは、自分の手で薬を選びながら確かめるのがいちばん。全部で数十分あれば一周できる手軽さなので、気になった結末だけを狙い撃ちで拾いにいける。
同じnito氏は、ジグソーパズルとデッキ構築を掛け合わせたローグライト『ジグソーローグ』も手掛けている。4×4のボードに攻撃・防御・強化といった能力を持つ“ピース”を並べ、そのハマり方で効果を伸ばしていく——今回のノベルとはまったく毛色の違う一本で、PC(Steam)向けに2027年上半期のリリースが予定されている。パズルを噛み合わせる快感を戦闘に持ち込んだ作りで、体験版も公開されてきた注目株だ。
無料でサッと一周でき、引っかかった結末だけを周回で拾い直せる。物騒な看板のわりに、遊びの設計はずいぶん見通しよく組まれている一本にゃ。気になったら、まずは3日間の実験に付き合ってみるところから。
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