『2XKO』開発終了に広がる落胆 ― 正式ローンチから7か月、ディレクターは「夢の集大成」
正式ローンチが1月20日、開発終了の告知が8月21日。あいだは7か月しかない。
Riotが2対2の対戦格闘『2XKO』について、積極的な開発を12月で終えると告知してから、格闘ゲームまわりのタイムラインが落ち着かない。サーバーは残るし、これまでの課金は返ってくる。それでも「もう更新されない」という一点が重く受け止められている。


ローンチから3週間で、開発チームの半分が消えていた
『2XKO』は2019年に「Project L」として姿を見せた企画で、名前が変わったあとも長い時間をかけて作られてきた作品だ。PC版の早期アクセス開始が2025年10月7日、PC・PlayStation 5・Xbox Series X|Sでの正式ローンチが2026年1月20日。基本プレイ無料で、『League of Legends』のチャンピオンが2人1組のタッグになって殴り合う、という組み立てだった。
雲行きが変わったのは、そのローンチからわずか3週間後。2月9日、Riotは開発チームの規模を縮小すると発表している。削減されたのはおよそ80人、『2XKO』チーム全体のおよそ半分にあたる人数だった。エグゼクティブプロデューサーのTom Cannon氏は「情熱的なコア層には響いたが、この規模のチームを長期的に支えられるだけの勢いには届かなかった」と書き、影響を受ける社員には最低6か月分の予告手当と退職金を用意すると説明していた。ただしこのときの文面は、あくまで「小さく絞ったチームで改善に取り組む」という話。畳む話ではなかったんだ。
それから半年で結論が出た。8月21日の告知で、Riotは「継続的なサービス維持に繋がるほどのプレイヤーの定着は見られませんでした」と書いている。もう少し踏み込んだ部分では「得られる収益を上回る運営コストがかかっており、大規模なアップデートを実施してもエンゲージメントはほぼ横ばい」とも説明していて、要するに大きな更新を打っても数字が動かなかった、ということみたいだね。熱心なタッグ格闘の遊び手には強く刺さった一方、それ以外の層が遊び続ける理由を見つけにくかった、という自己分析も添えられている。
12月のパッチを最後に更新が止まり、サーバーは残り、これまでの課金は返る——告知の骨組みはこの通りになっている。
「夢の集大成だった」―ディレクターが投稿した長文
反応の中でいちばん早く広がったのは、作り手側の言葉だった。ゲームディレクターのShaun Rivera氏は、30年以上格闘ゲームを遊んできたこと、その過程で得たものをコミュニティに返したかったこと、そして『2XKO』がその夢の集大成だったことをXに長く書き込んでいる。積極的な開発は年内で終わるけれど、それ以降も遊べる状態が残ることについては良かったと結んでいた。
プレイヤー側で目立つのは、怒りよりも落胆のほうだ。象徴的に拡散されたのが、競技勢のDiaphone氏の投稿。この作品に本腰を入れるために仕事を辞めていた人物で、返金の話に自分も混ぜてくれ、と半ば冗談めかして書いている。配信では、明るい未来ではないと薄々分かっていた、それでも本当に悲しい、という趣旨のことを漏らしていた。
日本語圏でも「悲しい」という声と、7年かけて作られたものが1年もたずに更新を止めることへの戸惑いが並んでいる。運営型の対戦ゲームは、遊ぶ側が時間と金銭を先に預ける構造になっている。その預け先が短期間で閉じたときに何が起きるのか、という話でもあるから、実際に遊んでいなかった層まで反応しているのが今回の広がり方だと思う。
開発チームが400案の中からこの名前を選んだ経緯を公式ブログで明かしたのは、7月23日のこと。そこからちょうど1か月後の告知だった。
全額返金の一方で、6,000円の新セットが並ぶ
対応の中身は、この手の告知としてはかなり手厚い部類に入る。返金の対象は「8月21日以前に購入されたすべての『KOポイント』および『2XKO スターターエディション』」で、PCは購入時の決済方法へ、PlayStationとXboxはプラットフォーム経由で処理される。しかも返金しておきながら、すでに手に入れたコンテンツは取り上げられない。KOポイントの販売は8月21日に停止済みで、手元に残っている分はパッチ1.3.1の配信前までローテーションストアで使える。
9月9日のパッチ1.3.1で、ゲームの形そのものが変わる。全チャンピオンが無料開放される一方、バトルパス、KOポイント、チャンピオントークン、シーズン、イベントは廃止。ランクロビーは無効化され、対戦の窓口はカジュアルロビーに一本化される。ただしカジュアル側でもスキルベースのマッチングは働くので、いきなり格差だらけになるわけではない。プライベートロビーのほうはむしろ拡張されて、ボイスチャットと大きなマップが追加され、1つのロビーに最大40人まで入れるようになる。閉じていく作品にコミュニティ用の広間を用意する、という発想だね。
引っかかる人が多いのはここから先で、同じパッチで「2XKO アルティメットセット」が6,000円で販売される。ラックスまでの全チャンピオン向けのスキン、スキンクロマ、挑発、それに現時点までのフィニッシャーを丸ごと収めたセットで、サミーラ実装後にはその分も追加される予定になっている。過去の課金を全額返したうえで、まとめ買い用の商品を1つだけ置き直す——理屈は通っているけれど、更新が止まる作品にこの値札が並ぶ絵は、受け取り方が分かれても不思議はない。
ついでに時系列を並べると、Covenメガバンドルの映像が公開されたのは8月11日。告知の9日前だ。当然ながら、この期間の購入も返金の対象に入る。
ラックスとサミーラを出し切って、12月に手を離す
更新が止まると言っても、残りの予定が消えたわけではない。9月9日のパッチ1.3.1では「光の才女」ラックスが参戦する。昇龍拳タイプの動きを持つキャラクターとして案内されていて、10月のパッチ1.3.3では「砂漠の薔薇」サミーラが剣と二丁拳銃を携えて加わる。この10月分が、最後の大型コンテンツアップデートになる。


競技シーンについては、コンペティティブシリーズを2026年いっぱい変更なく実施すると明記されている。メジャー大会とチャレンジャー大会の賞金も含めて、そのまま。日本向けの「2XKO Japan Series(2XJS)」も年内は開催が続き、賞金総額に変更はない。2027年以降はRiot主導の枠は無くなるものの、大会主催者はコミュニティー大会ガイドラインに沿って、オンラインでもオフラインでも大会を開けるとしている。

サーバーは2026年以降も稼働し、全プラットフォームで遊べる状態が保たれる。オフラインプレイも影響を受けない。Riotは告知の締めくくりで「このような決断に、正解と呼べる対応の仕方というものはありません」と書いていた。実際、返金も、無料開放も、大会の賞金維持も、閉じ方としては丁寧なほうだと思う。それでも遊び続けている側が受け取ったのは、もう先に進まないという事実のほうだった。
12月に配信されるパッチ1.3.5の中身は、バグ修正だけ。そこから先、この作品には誰も何も足さない。
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