熊のダークRPG『Billy the Hero』開発者、妻の寝顔から“邪悪なボス”を作り上げる
インディー開発の裏話は、ときどき想像の斜め上をいくにゃ。タイの個人開発者が明かしたのは、制作中のダークファンタジーRPG『Billy the Hero』に登場するあるボスを、奥さんの寝顔写真から作ったという制作秘話。しかも本人はいたって大真面目。海外掲示板では笑いと「夫婦仲、平気…?」という心配が同時に湧き上がっているにゃ。
素材は、隣で眠っている奥さん
話の出どころは開発者本人。JOJOJOJOsoft名義で活動するKrichanont Songpracone氏が、Redditで自らこの制作過程を公開した。「アイデアが尽きても、ゲーム作りは止められない」——そんな苦しまぎれの発想から生まれたのが、今回のボスだったという。
このボスには役目がある。『Billy the Hero』は終盤に結婚システムがあり、その結婚指輪を守る番人として、世界観に馴染む不気味な怪物が必要だった。そこで氏が目をつけたのが、朝、深く眠っている奥さんの顔だったにゃ。
なぜ「寝ている」ことが条件だったのか。氏いわく、起きていたら奥さんは当然きれいに写ろうとする。でも今欲しいのは「モンスターの資料」。自然な表情を狙って、複数の角度からこっそりシャッターを切っていったそうな。ちょっと業が深いにゃ……。
生肉を重ねて“怪物”に仕上げる
撮った写真をそのまま出したわけではなく、そこから先は地道な加工作業だ。開発者が説明した工程はだいたいこんな流れ。
| 工程 | やっていること |
|---|---|
| 合成 | 複数の寝顔写真をフォトバッシュで組み合わせ |
| 下地調整 | グレースケール化し、彩度・光と影を整える |
| 質感足し | 生肉の画像をオーバーレイして生々しさを付与 |
| 仕上げ | 血・血管・腱・肉の描き込みと色調補正 |
やさしい寝顔が、生肉と血管をまとった血みどろの何かへ変わっていく。素材の出発点を知ったうえで見ると、なかなかゾッとする完成度にゃ。


ちなみに素材にしているのは奥さんの顔だけじゃないらしく、食べ残しなんかも合成に使っているとのこと。スキルエフェクトには複数人の顔が紛れ込んでいるという話もあって、この開発者、身の回りのものを片っ端から素材にしてしまうタイプみたいにゃ。
「育てるのに20年かかった」という一言
完成後、氏が添えたコメントがまた振るっている。この怪物を「育てるのに20年かかった」——もちろん、20年以上連れ添った奥さんとの歳月に引っかけたジョークだ。「妻もきっと誇りに思ってくれるはず」なんて言い添えるあたり、悪びれる様子はゼロにゃ。


肝心の奥さんはというと、この件はちゃんと把握済み。おおらかで細かいことを気にしない性格だそうで、今も普段どおり接してくれているらしい。氏はFacebookに、奥さんが自分を踏みつけている写真をアップして「ご覧の通り平常運転」とばかりに報告していたにゃ。とはいえ投稿が広まった結果、奥さんが特定されかけてちょっとした騒ぎになった面もあり、微笑ましさと危うさが同居した話ではある。
熊になって“地獄島”で天下を狙うRPG
そもそも『Billy the Hero』がどんなゲームなのかも触れておくにゃ。主人公ビリーは記憶をなくし、なぜか筋骨隆々の熊の体で「地獄島(Hell Island)」に目覚める、というダークファンタジーのターン制RPG。


戦闘は「4色ジェム」を使った計算ベースのシステムで、“強欲(Greed)”というリソースを管理してボーナスを狙う独特な作り。心に問題を抱えたヒロインたちを仲間にし、島に拠点となる街を築いて経済を回し、7人の敵ロードと対峙していく。冒頭で触れた結婚システムや、選択によって分岐するマルチエンディングも用意されているという、かなり盛りだくさんな一本にゃ。


キャラクターの雰囲気は公式のキャラクター紹介映像でも見られる。
本作はPC(Windows)向けに、Steamで「近日登場」として配信準備が進んでいる段階。気になる人はストアページでウィッシュリストに入れておくといいにゃ。


身近なものを何でも創作の燃料に変えてしまう——インディー開発の狂気と愛嬌が、いい塩梅で同居した怪作エピソードだったにゃ。次に奥さんが安心して眠れる日は来るのか、そこだけが少し気がかりだけれど。
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