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DLSS 5をWindowsの画面全体に通す無料ツール『NeuralScreen』、RTX 30/40も動作対象

投稿: 2026/09/11by tobariware7分で読めます
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ブラウザで動画を眺めているだけなのに、GPUが1秒あたり55フレームぶんの仕事をしている——そんな状態をわざわざ作り出すツールがGitHubに置かれている。名前はNeuralScreen。ゲームが描き終えた1枚をAIが受け取って光と質感を描き直す、あのDLSS 5のニューラルレンダリングを、Windowsのデスクトップそのものに掛けてしまう代物だにゃ。

作者はperseval-BLR氏。リリース一覧を見ると9月9日から11日にかけて9回も版が上がっていて、いまの最新はv1.5.4。コード側のライセンスはMITで、インストーラーは無い。アーカイブを好きな場所に展開して `NeuralScreen.exe` を起動するだけだし、要らなくなったらフォルダごと消せば痕跡は残らない。

画面を丸ごと取り込み、描き直してから重ねて返す

やっていることは意外と素直で、Desktop Duplicationで画面を取り込み、NGX経由でニューラル処理に通し、結果を自前のボーダーレスウィンドウとして画面いっぱいに重ねる。だから対象は「いま映っているもの」すべてになる。ブラウザでも写真ビューアでも、ボーダーレスやウィンドウ表示にしたゲームでも同じように通る。逆に排他フルスクリーンの上には何も描けないというWindowsの決まりがあるので、そこだけはどうにもならない。ゲームで使うなら表示モードを borderless に変えておく必要があるね。

操作は全部テンキーに載っている。Num2でメニュー、Num1で効果のオン/オフ、Num3がスクリーンショット、Num0が録画。Num Lockがオフだとキー自体が別のものとして飛ぶので何も起きない、という注意書きまで付いている。画面全体ではなく1つのウィンドウだけを処理したいときは、カーソルを合わせてNum5を押すか、メニューの「Select window」から開いているウィンドウを選ぶ。選んだウィンドウが動けばオーバーレイも追いかけるし、最小化すれば処理は止まる。

効果の強さは Faithful から Extreme まで4段階のプロファイルで、既定は Natural。その下に Intensity、Local tone、Local structure、Skin structure の4本のスライダーがあって、同じものを細かく詰められる。左半分だけ未処理のまま残す before/after のワイプも用意されていて、何がどう変わったのかをその場で見比べられる作り。録画はAV1 NVENCの60fpsで、システム音声も別トラックで入る。UIは日本語を含む12言語に対応している。

RTX 30/40が動くのは、nvapiの1関数を書き換えているから

同梱の `nvngx_dlssnr.dll` は、Blackwell未満のGPUでは機能の作成をきっぱり断る。NeuralScreenはそこを、ライブラリが世代を調べるやり方の側から回り込んでいる。技術文書によると、ライブラリは `nvapi64.dll` の `NvAPI_GPU_GetArchInfo` を呼んで世代を知る。そこでワーカーが自分のプロセスのメモリ上でその関数だけを差し替え、返ってくる世代をBlackwellに書き換えてしまう。NVIDIA側のファイルには一切触れないし、50シリーズではフックが自分で無効になる。既定でオンで、環境変数 `NS_ARCH_SPOOF=0` を指定すれば切れる。

世代状況
RTX 50(Blackwell)公式に対応している世代
RTX 40(Ada)アーキテクチャフック経由で動作
RTX 30(Ampere)v1.5.1で復帰
RTX 20(Turing)ニューラル処理そのものが動かない
OptimusのノートNVIDIA GPUが画面を駆動しているときのみ

ただし、この表を額面どおりに受け取る前に読んでおきたい一文が技術文書の側にある。作者は「40シリーズは実際に動かしたユーザーの報告で確認できたが、20/30は未検証」と書き残しているんだよね。手元にあるのは5070 Tiが1枚きりで、その環境ではフックが設計上オフになるため自分では確かめようがない、という事情らしい。メニューのGPU名の横にある点が緑になるのは機能が本当に作られたときだけで、世代の偽装が通っただけでは緑にならない、とも添えられている。RTX 20については回避策そのものが無い。メニューは開くし起動もするけれど、絵は処理されないまま。

同梱されているDLLは158MBあり、正式リリース前に流出した310.8.0のランタイムそのもの。作者も「無保証、研究目的」と断ったうえで、NVIDIAの再配布ライセンスの条項に抵触する可能性が高いと自分で明記している。このライブラリが出回ったのは、『NBA 2K27』の早期アクセス版のフォルダに入ったまま配られていたのが発端だった。

📄 NVIDIA「DLSS 5」のDLLが『NBA 2K27』早期アクセス版から流出、有志が既存ゲームへ移植

同じライブラリを足がかりに、Radeonでニューラルレンダリングを動かす別のツールも並行して出てきている。

📄 NVIDIA『DLSS 5』をRadeonで動かす有志ツール公開 ― RX 9070 XTで1080p約31fps

4Kで約55fps、処理解像度を落とすと71.9fpsまで伸びる

数字はすべてRTX 5070 Ti、ドライバ616.56、Windows 11という1台で測られたもの。4Kデスクトップで効果をオンにすると約55fpsで、その内訳を見るとNGXの評価だけで16.6ms——1フレームの93%を食っている。バイパスにすると121〜133fpsまで戻るので、重さの出どころは疑いようがないね。

面白いのは、ネットワークに渡す解像度を下げても速くならない場合があること。従来のモードではNGXに全画面のフレームをそのまま渡していて、縮小は内部で行われる。だからスライダーは画質の調整にしかならず、960×540まで落としても評価時間は16ms前後で動かなかった、と測定結果が並んでいる。処理解像度を実際に下げるモードを使うと話が変わって、4Kデスクトップで全画面処理の47.9fpsに対し71.9fps。およそ5割の上乗せになる。しかも縮小した結果を引き伸ばすのではなく、ネットワークが加えた差分だけをネイティブの1:1フレームに載せる作りなので、文字やUIの輪郭は元の解像度を保つ。ネットワーク側が扱える処理解像度の上限は2560×1440で、出力は常にネイティブ解像度のまま出てくる。

制約は他にもあって、パイプライン全体の遅延が40〜60ms、HDRディスプレイは非対応でSDRへの切り替えが要る、二重起動は保護されていない。そして競技性のあるオンラインゲームでは使うな、と作者は太字で警告している。理由は名前にあった。NGX Coreはプロセス名が `nvngx.dll` でないと初期化に失敗するため、ワーカーのバイナリはその名前でなければならない。「nvngx.dllという名のプロセス」と「全画面のオーバーレイ」の組み合わせは、アンチチートがまさに探している形そのものだ、というわけ。

同じ作者は、『Morrowind』や2004年の『Far Cry』、『DOOM 3 BFG』を含む22本の旧作にDLSS 5を組み込むための導入スクリプトと設定集も別のリポジトリで公開している。ただしそちらの要件はRTX 50シリーズとドライバ616.56以降で、世代の偽装は入っていない。デスクトップ全体に掛けるほうが、通す条件としてはよほど緩いことになる。

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