『The Elder Scrolls VI』発表から8年で公式映像は1本、r/gamingで予告文化に不満
公式が出した『The Elder Scrolls VI』の映像は、2018年のE3で流れた36秒の空撮ひとつきり。あれから8年3か月、あの風景の続きは1フレームも表に出ていない。ゲームプレイを見せない発表トレーラーへの不満はずっと前からある話だけど、r/gamingに立った「ゲームプレイを見せられないなら発表するな」という投稿には、その古い愚痴を今の開発期間に合わせて書き直すような返信が集まった。
これは新しい流れじゃないけど、業界が進むにつれて悪くなっている。中身の無いティザーや、開発中だと告げるだけのトレーラーを出すやり方は、もうやめるべきだ。ゲームは映画じゃない。映画なら映像を隠す意味はある、売り物は筋書きだからね。でもゲームを売るうえでいちばん大事なのは、いつだってゲームプレイだ。
発端の投稿はこの調子で、論点は一本に絞られている。買うかどうかを決めるのは操作感であって、キャラクターが振り向くカットではない、というもの。ここに人が集まったのは、発表から発売までの距離が伸びきったからだと思う。ロゴだけの発表を見せられて、次の情報が来るまで数年待たされる経験を、ここ数年で誰もが何度か通ってきている。
ただ、返信の多くはこの主張に同調するのではなく、「その予告はプレイヤーに向けて作られていない」という方向へ話を進めた。
あのティザーは君らに向けたものじゃない。ほとんどは投資家向けで、株価を煽るためのものだ。
要するに求人広告だよ。それに、自分たちが何を作っているのかをようやく口に出せるようになる。
開発者を集めるためでもある。20年前、ゲームが1〜2年で出ていたころは秘密にする意味があった。でも4〜7年かかるいまの規模で、何を作っているのか完全に隠し続けろというのは無理がある。
この読みを裏づける発表は実際にある。2022年3月、CD PROJEKTは新しい『ウィッチャー』サーガの開発を明らかにしたけれど、公開されたのは雪をかぶったメダリオンの絵と「A New Saga Begins」の一文だけ。告知はUnreal Engine 5への移行とEpic Gamesとの提携をまとめた企業向けのリリースとして出ている。プレイヤーが待っていた映像ではなく、会社の方針表明として先に出た発表だった。
秘密保持の話題になると、スレッドはさらに具体的になった。
面接に行って、自分がどんなゲームを作ることになるのか見当もつかない状態を想像してみてほしい。
これに対しては、現場からの訂正も入る。
いや、面接は本当にそんな感じだよ。NDAにサインするまでプロジェクトは明かされない。そしてNDAにサインするのは契約したあと、つまり採用が決まってから。面接でできるのは、せいぜい匂わせるくらい。
そんなに長い期間、秘密を守り切るのは無理だ。発表よりずっと前に漏れる。
話の流れで持ち出されたのが、Red Dead Redemption 2で主人公を演じた俳優の逸話。何年も仕事の内容を話せなかったせいで、周囲は「仕事があるというのは嘘で、生活に困っているのでは」と疑い始めた、という書き込みだった。
「NDAにサインしてる。いずれ表に出たら話せるけど、それまでは契約で話せない」
それを何年も言い続けたら、そのうち誰も信じなくなると思う。
この逸話そのものは書き込みの中で交わされたもので、公式に確かめられる筋のものではない。それでも、発表を遅らせれば遅らせるほど、作っている当人たちが何年も口をつぐむことになる——という論点は、ここでいちばんはっきり形になった。
TES VI、社内では毎日遊ばれている
引き合いに出されたのは、やはりBethesdaだった。2026年7月に公開されたスタジオの文書には「The Elder Scrolls VIは現在の主要な開発対象で、チームの大半が次章に取り組んでいる」「次の章は進んでいる。予定どおりの場所にいて、見た目を気に入っていて、毎日それを遊んでいる」と書かれている。発売時期も、映像を出す予定も、この文面には無い。
8月11日には、Xboxのトップを務めるAsha Sharma氏が、副題を伏せ字にしたうえで「今朝、The Elder Scrolls VIのライブプレイスルーを見た。規模と壮麗さは信じがたい。物語はそれ以上だ」と投稿している。
社内では人に見せて遊べる状態まで来ていて、外に出ているのは8年前の36秒のまま。この落差が、スレッドの不満に火をつけた燃料だと思う。
忘れられがちだけど、あの2018年の舞台で中身を見せずに予告されたタイトルはもう一本あった。『Starfield』だ。こちらは5年後の2023年9月に発売され、宇宙船を組み、惑星に降り、街を歩ける形になって出てきた。同じ日の同じやり方で告知された2本のうち、片方はすでに遊べて、片方はまだ空撮1本。予告の中身が薄いこと自体が悪だという話ではなく、そのあとに何年空くかで意味が変わるという例になっている。

発表を先に出した結果がどうなるかを、この数年で見せてしまった例もある。『Perfect Dark』はシネマティック映像だけで2020年12月に発表され、実際のゲームプレイが出たのは3年半後の2024年6月。潜入と近未来のカイロ、パルクールとガジェットを見せるその映像は評判も良かったのに、2025年7月に開発が中止され、担当したThe Initiativeは閉鎖された。
Rareの『Everwild』も同じ日に打ち切られている。2019年11月に発表され、幻想的な世界と生き物を映した映像は出たものの、操作している場面は最後まで公開されなかった。中止の理由は映像の有無ではなく大規模な人員削減の一環で、そこを混同するのは乱暴だと思う。それでも「発表を先に出す」を選んだ分だけ、遊べる形にならなかった作品として記録に残ってしまった。
賛否は割れたが、あのトレーラーは効いた
スレッドの後半は、不満と観念の入り混じった応酬になる。
だから最初のTES VIの発表トレーラーが、いまは嫌いだ。実際の発売まで何年もあったのに、あれを出す意味があったのか。
残念ながら効いているからだよ。あのトレーラーは形を変えながら、今日までTES VIを話題に留めている。ネットのやり方だと、悪い評判でも宣伝になる。
正直なところ、Fallout 76への怒りをそらすのに役立った。あれが無ければDiablo Immortalのときのような事態になっていたと思う。
最後の見立ては少し雑で、Diablo Immortalへの反発は「映像が無かったから」ではなく、据え置き向けの新作を待つ場でスマートフォン向けが出てきたことが理由だった。ついでに言えば、Blizzardは翌年のBlizzConで『Diablo IV』を9分のシネマティックとゲームプレイ映像の両方を同時に出す形で発表している。求められていた見せ方の答えは、この論争のずっと前に一度提示されていた。
温度の高い声もあった。
今の西側のAAAがつまらなくなった原因はこれだ。話題作りばかりで、良いゲームを作ることに向いていない。
ここまで一般化すると開発規模も体制も違う話が混ざってしまうけれど、スレッド全体を通した着地点は案外はっきりしていた。中身の無い予告が消えないのは、プレイヤーの役に立っているからではなく、株式市場と採用と社内の口止めという別の都合に噛み合っているから。だから同じ不満は次の予告でまた書かれるにゃ。
Xboxのトップは毎朝の実機プレイを見て感想を投稿できて、8年待っている側は36秒の空撮を見返すしかない。この非対称が畳まれないうちは、r/gamingに同じスレッドが何度でも立つ。
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