『Low-Budget Repairs』配信開始 ― 120万ウィッシュリストからの賛否両論と、開発元の連日パッチ
ペンキは水で薄める。タイルは少しくらい曲がっていても貼る。家具は窓から放り投げる。客が欠陥に気づく頃には、代金はもう財布の中——そういうゲームが実際に発売された。
Gray2RGB が開発し、Simplicity Games と PlayWay S.A. が販売する一人称リフォームシム『Low-Budget Repairs』。開発元の公式チャンネルが公開したお披露目トレーラーが、この作品の性格をそのまま伝えている。
格安リフォームで荒稼ぎ、90年代ポーランド団地
舞台は1990年代のポーランド、いわゆる集合住宅の一室ずつ。プレイヤーは自分の小さなリフォーム業を立ち上げた便利屋で、目的は単純に「稼ぐこと」。ストアページの紹介文も「削れるコストは全部削れ」「客が欠陥に気づいた? 残念、もうお金は君のポケットの中」と、正攻法を勧める気がまるでない。
壁を塗り、床を張り、配管をいじる作業そのものは同種のリフォームシムと変わらない。違うのは、材料費をケチる・工程を飛ばす・見えないところで手を抜く、という選択肢が正面から用意されていること。真面目にやるほど利益が細る構造になっている、というのがこの作品の骨格だね。
配信が始まったのは現地時間8月13日17時(中央欧州夏時間)、日本時間だと8月14日午前0時——8月13日の深夜にあたる時刻だった。対応機種は Windows のみで、通常価格は2,500円。現在は25%オフの1,875円で、この割引は8月27日までとストアに記載されている。
言語対応は項目ごとに分かれていて、音声が入っているのは英語とポーランド語だけ。日本語はインターフェースと字幕には対応しているけれど、音声は非対応。ポーランド語で怒鳴る住人の声を日本語字幕で追いかける形になる。
この作品、発売前の注目度がかなり異常だった。7月24日にデモ版が公開され、開発元の告知によればデモには26万人近くが触れている。ウィッシュリストは100万本を突破し、発売直前には120万本に到達した。
しかも販売元は、そのウィッシュリスト数そのものをコミュニティ企画に仕立てていた。114万本で10%、117万本で15%、120万本で最大の割引が解放される、という段階式の目標を設定して、発売までに全段階を達成している。いま付いている25%オフは、その到達点というわけだね。
ここまでは、絵に描いたような成功前夜。問題は配信が始まってからだった。
賛否両論の817対459、開発元はバグ最適化を優先表明
配信開始から数日が経った時点で、Steam のレビューは総数1,276件のうち高評価817件・低評価459件。ステータスは「賛否両論」で止まっている。100万本超のウィッシュリストを積んだ作品としては、決して穏やかな滑り出しではない。
レビュー欄で繰り返し挙がっているのは、バグと最適化にまつわる指摘だ。ミッションが進行不能になる、置いたはずの家具や道具が消える、屋内でフレームレートが落ちる、キーコンフィグが変更できない、タイル貼りの判定が思ったように通らない——といった内容が、高評価を付けている人の文面にも並んでいる。「発想と笑いどころは良いのに、動作が追いついていない」という書き方が多いのが、この作品のレビュー欄の特徴だね。
開発側の動きは早い。配信当日にバージョン1.0.4のチェンジログが出て、カットシーン一時停止時の画面ぼけや、特定ミッションでの進行不能を修正。その数時間後にも起動不具合への追加修正が入っている。
さらに日本時間8月15日には、「フィードバックを読み、対応している」という告知を公開した。ここで開発元は、批判を含む多くの意見が届いていることを認めたうえで、すでに修正した項目としてクエスト進行、セーブ、車のトランク、物理挙動、NPCの動作、ロード画面、パフォーマンス、質屋の機能、ローカライズなどを列挙している。そして現在の優先事項として挙げているのが、最適化・物理と操作・キーコンフィグの3点。レビューで指摘が集中している箇所と、ほぼ重なっている。
手抜き工事で稼ぐゲームが、自分自身の作りの粗さを突かれて連日パッチを打つ。皮肉と言えば皮肉だけど、優先順位の出し方を見るかぎり、開発元は何を直すべきかを取り違えてはいないみたいだね。値引きが切れる8月27日までに、レビューの色がどこまで変わるか。
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