PixMofu

捨てられた人形が手足を取り戻す『メァリーさん』発表、『いちまさん』開発者の新作は2027年予定

投稿: 2026/09/14by tobariware5分で読めます
画像

「壊れちゃったから、もういらない」——Steamストアページの説明は、この一行から始まる。

ゴミ捨て場に打ち捨てられたフランス人形が主人公。手足や目玉は、家のどこかに失くしたまま。「直ったら、また愛してもらえるかも……」と、もう一度あの家へ帰るところから話が動きだす。アクションアドベンチャー『Mary-san(メァリーさん)』のストアページが9月12日に公開された。手がけるのは、市松人形になって屋敷を歩くステルスアクション『Ichima-san(いちまさん)』を出したせをはやみ氏。発売は2027年を予定していて、月日と価格はまだ決まっていない。

面白いのは、失くした身体がそのまま操作性の制限になっていること。パーツが揃っていない状態のメァリーは、走ることも跳ぶこともままならない。家のいたるところに隠されたパーツを取り戻すと使えるアクションが増えて、それまで届かなかった場所へ進めるようになる、という順序で世界が開いていく。

舞台は路地、公園、居間、台所。誰の家にもあるような普通の間取りが、人形の目線だとまるごと巨大な地形に化けるにゃ。公開されているスクリーンショットでも、雨どいの配管にしがみついて団地の外壁を登っていたり、ブロック塀の縁に手をかけてぶら下がっていたりと、人間なら一歩でまたげる段差を大仕事としてこなしている。画面左上にはレベル、緑のゲージ、ハートと鍵の数、それに人型のアイコンが並ぶ。ちなみに片脚が細い木の棒に置き換わったままの姿も写っていて、身体が欠けている状態が見た目にもはっきり出る作りだね。

人間に見つかってしまえば、また捨てられてしまう。だから見つかりそうになったら「ただの人形のフリ」でやり過ごし、それでも見つかったら捕まる前に物陰へ隠れる。ここは前作から続く作法だ。

正面から立ち向かうことはできない。代わりに使えるのがポルターガイストで、人間を気絶させたり、別の場所へ誘導したりできる。ストアページが挙げている例が具体的で、花瓶を頭上に落として気絶させる、電話を鳴らして音のする方向へ向かわせる、といった調子。身の回りの物が全部、人間の目をかいくぐるための道具になる。

家のあちこちには話し相手もいる。ゴミ捨て場のカラス、公園のブルテリアは「あいつなんか大嫌い」とこぼし、台所に立つこけしは「隠し味って隠れてないよな」とつぶやく。くるみ割り人形は「にっくき ネズミどもを 一網打尽に してくれる」と勇ましい。人間に見つかるとおしまいという緊張の合間に、こういう軽口が挟まる温度感になっている。

日本語フルボイス、英語は字幕のみ

対応言語の内訳がはっきり分かれている。日本語はインターフェイス・フル音声・字幕のすべてに対応し、英語はインターフェイスと字幕のみで音声は付かない。前作のストアページにはフル音声の表記が無く、日本語もインターフェイスと字幕までだったので、喋る人形になるのは今回からということになる。対応OSはWindowsとmacOSの2つ。

項目『メァリーさん』『いちまさん』
発売2027年予定2024年8月8日
価格未定1,650円
日本語インターフェイス/音声/字幕インターフェイス/字幕
英語インターフェイス/字幕インターフェイスのみ

その前作、Steamのユーザーレビューは70件すべてが好評で「非常に好評」を維持している。本数こそ多くないものの、否定的な評価がひとつも付いていない状態が1年以上続いているのは珍しい。どんな手触りだったのかは、前作のトレーラーを見るのが早い。

『メァリーさん』は、その制作経験をもとに好評だった要素を磨き直したものだと説明されている。物語は独立しているので、前作を遊んでいなくても問題ないとのこと。

なお、ストアページの説明文はいちばん最後まで読むと「ほとんどの人がストアページの説明を最後まで読んでくれないので嬉しいです」という一行に行き着く。捨てられた人形の話にしては、ずいぶん人懐っこい終わり方だった。

関連記事

コメント (0)

投稿は匿名で受け付けます (通報対応あり)。

  • 最初のひとことをどうぞ🐈

    感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。