GeForce RTXの卸値がまた上がる ― 今年3度目、最大30%の値上げ観測とメモリ枯渇
グラボの値札を見るたびに、ゼロの数を数え直してしまう季節が続いているにゃ。そこへ来て、NVIDIAがカードメーカー向けの「GPUキット」の価格を、モデルによっては20〜30%引き上げるという話が業界筋から出てきた。今年に入って3度目とされる調整で、しかも今回は一部の上位モデルだけでなくGeForce RTXの広い範囲が対象、というのが厄介なところ。
先に釘を刺しておくと、これはNVIDIAの公式発表ではない。同社は供給まわりについて「すべてのGeForce SKUの出荷を継続しており、メモリの供給量を最大化するためサプライヤーと緊密に協力している」という趣旨の立場を繰り返しているだけで、価格については何も言っていない。だから確定事項として受け取るのは早い。ただ、この話に妙な説得力があるのは、周辺の数字がことごとく裏付ける方向に動いているからなんだよね。
値上がりしているのはGPUではなく、その隣のメモリ



ここで言う「GPUキット」は、GPUダイ単体ではなくGDDRメモリを抱き合わせでカードメーカーに供給する売り方を指す。つまり値札を押し上げている主役はシリコンそのものより、隣に並んでいるGDDR6/GDDR7の方だ。ビデオカードの製造原価に占めるメモリの割合は決して小さくないので、メモリが数割上がれば、GPU側の設計が何も変わらなくてもカードの原価は素直に膨らむ。
その原材料側の相場が、今どうなっているか。市場調査会社TrendForceは7月3日付の発表で、2026年第3四半期の一般的なDRAM契約価格が前四半期比13〜18%、NANDフラッシュが10〜15%上昇するとの見通しを示している(TrendForce)。第2四半期の跳ね上がり方に比べれば伸びは鈍化しているものの、方向は依然として上。グラフィックス向けDRAMも、メモリ各社が生産能力を利益率の高い製品へ振り向けている影響で供給が締まったまま、全体の相場に連れて上がっている状況だ。
サムスンが口にした「2028年」


そして今日7月30日、その相場を作っている当事者から重い見通しが出てきた。サムスン電子の2026年第2四半期決算は、連結売上171兆5,000億ウォン、営業利益89兆5,000億ウォンといずれも四半期の過去最高。メモリ事業も売上・営業利益ともに最高を更新し、HBM4の拡販に加えて業界初となるHBM4Eのサンプル出荷にも触れている(Samsung Global Newsroom)。
問題は決算説明会での言及の方で、メモリ事業の幹部は供給不足について「2027年は今年より悪化し、2028年も続くと見ている」と語っている。顧客のほぼ全社が複数年の供給契約を求めている、という話も併せて出てきた。要するに、AI向けの需要が生産枠を押さえ込む構図は来年で終わらないという読みにゃ。ゲーマーの財布から見れば、これがいちばん効く一文かもしれない。
店頭の数字は、すでに動いている

観測が本当かどうかにかかわらず、実売はもう反応している。国内でもRTX 5070クラスが10万円前後、RTX 5080クラスが20万円台に乗る例が出てきていて、同じ型番でも数日単位で数千円〜数万円動くことがある。数か月前の相場を覚えている人ほど、店頭で二度見することになる。
以前取り上げたASUSとT1のコラボカードも、7月24日発売時点でRTX 5070搭載モデルが145,800円という値付けだった。ハイエンドではなくミドル帯でこの水準、というのが今の空気をよく表している。
買い時をどう考えるか

今の材料を並べると、こんな整理になる。
| 項目 | 現状 |
|---|---|
| GPUキット値上げ | 最大20〜30%との観測。NVIDIAの公式発表はなし |
| 適用時期 | 2026年第3四半期以降とみられる |
| 原因 | GDDR6/GDDR7を含むメモリ価格の高騰 |
| DRAM契約価格(3Q26) | 前期比13〜18%上昇の見通し |
| 供給不足の解消時期 | 2027年に悪化、2028年も継続との見方 |
短期的に価格が下を向く材料は、正直なところ見当たらない。すでに欲しい構成が決まっていて予算内の個体が在庫にあるなら、待つほど有利になる局面ではなさそうにゃ。逆に急ぎでないなら、値上げ観測が実際の卸値にどう反映されるかを一度見てから動いても遅くはない。数字が確定していない話に振り回されて、慌てて高値を掴むのがいちばんもったいないので。
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