『パルワールド』と『No Man's Sky』のコラボ機運が加熱、両社がXで「Stan」ネタの応酬
Eminemの「Stan」は、憧れの相手に手紙を送り続けても返事が来ないファンが、だんだん壊れていく曲。8月19日、その歌詞をなぞってXでやり取りしていたのが、『パルワールド』と『No Man's Sky』それぞれの顔にあたる二人だった。手紙を出す側がPocketpair、返事をよこさない側がHello Games、という配役で。
先に言っておくと、コラボは発表されていない。配信日もロードマップもトレーラーも、何ひとつ出ていない。あるのは1年以上かけて温まってきた公開のやり取りと、この1年で妙に噛み合ってきた2本のゲームだけにゃ。
口火を切ったのはHello Games創業者のSean Murray氏。Pocketpairで広報とパブリッシングを率いるJohn "Bucky" Buckley氏を名指しして、「Bro」を3回重ねてハートを添えただけの投稿を放り込んだ。文章としての情報量はほぼゼロだけど、宛先だけははっきりしている。
Buckley氏の返しが「Stan」だった。返事をよこさない相手へ手紙を書き続ける、あの曲の一人称をそのまま自分に被せている。冷めた紅茶のくだりも数分後に投げていて、芸が細かい。
そして同じ日のうちに、Sean氏が曲の締めの一節で応じた。返事を書いていた相手が誰だったのか、最後に気づく——あの落ちの部分。
小噺としてはきれいに畳まれているけれど、ゲームの話としては1ミリも進んでいない。PocketpairもHello Gamesも、この件で正式な発表は出していない。
1年以上前から続くSean氏への公開ラブコール


急に湧いた話ではなくて、下地はずっと前からある。
Pocketpairが初めて外部タイトルと組んだのは、2025年6月25日に配信された大型アップデート「Tides of Terraria」(Pocketpair公式)。毛色がまるで違う『Terraria』の要素をまるごと持ち込む内容で、当時は受け取り方も割れた。ここにSean氏が好意的な反応を返したのが、二人のやり取りが人目に触れるようになった始まり。Buckley氏は相手の名前を叫び返すだけの投稿で応じている。
同じ路線はその後も続いていて、2025年12月にはFPS『ULTRAKILL』の装備が『パルワールド』に実装された。Pocketpairはこの発表を、農業スピンオフ『Palworld: Palfarm』と同じ場で出している(Pocketpair公式)。
そして4月、『No Man's Sky』にクリーチャーバトルが実装された日。Buckley氏がSean氏の投稿へ返したのは「S E A N」の5文字だけで、続けて「メールしてくれ、面白いコラボの案がありそうだ」という趣旨の呼びかけも投げている。7月には、組んでみたい相手として『ARK』『No Man's Sky』『Enshrouded』の名前を自分から挙げた。筋が通せるなら明日にでもやる、という言い方にゃ。
一方で、8月に入ってからのBuckley氏はブレーキ側の話もしている。世界観に馴染まないという理由で断ったり途中で流したりしたコラボの数を、プレイヤーは把握していないはず——という説明だ。人気タイトルには常に話が来るもので、それはPocketpairに限った現象じゃない、とも付け加えていた。乗り気の発言が、そのまま実現の約束になるわけではない。
『No Man's Sky』4月の「Xeno Arena」でクリーチャー育成が実装された
面白いのは、この1年で2本のゲームの距離が実際に縮まっていること。
4月のアップデート「Xeno Arena」で、『No Man's Sky』は銀河中のクリーチャーを捕まえて育て、ターン制で戦わせる仕組みを丸ごと追加した。宇宙ステーションやスペースアノマリーに置かれたホロアリーナで戦い、生息していた惑星の気候によって覚える技が変わる。遺伝子をいじって素早さや耐久を伸ばし、卵から性格や特性を調整して孵すこともできる。連れ歩ける数の上限も18体から30体に増えた(Hello Games公式)。
発想の出どころも隠していない。ポケモン、『World of Warcraft』のペットバトル、そして『パルワールド』のファンだ、と公式にはっきり書かれている(Hello Games公式)。


つまり今の『No Man's Sky』は、クリーチャーを集めて、育てて、乗り回して、戦わせるゲームでもある。Buckley氏が言う「筋が通せるなら」のハードルは、去年より確実に下がっている。
タイミングも悪くない。『パルワールド』は7月10日に1.0となって早期アクセスを終えたばかりで、次に何を出すかを考えられる位置にいる。『No Man's Sky』のほうは8月で発売10周年を迎え、次の無料アップデート「COSMOS」は名前だけが明かされて中身が伏せられたまま。
手紙はもう何通も届いている。返事の中身だけが、まだ書かれていない。
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