『人形の影:ピヨリタの物語』発表 ― 『魔女の泉』の世界を継ぐ3DアクションRPG、2027年後半予定
目を覚ました人形に、声はこう命じる。ほかの人形たちの生命力をすべて吸収して、完全な存在になれ——。
魔女育成RPG『魔女の泉』シリーズを手がけてきた韓国のKIWIWALKSが、9月14日に新作『人形の影:ピヨリタの物語』を発表した。Steamストアページと第1弾ティザー映像が同時に公開され、ウィッシュリストの登録も始まっている。育成RPGの看板を掲げてきたスタジオが、今度は3DのストーリーアクションRPGを出してくる。
ティザーで描かれるのは、主人公ピヨリタが「巣」で初めて目を開ける瞬間だけ。戦闘やゲームプレイを見せる正式なトレーラーは、まだこれからだ。
ピヨリタは、感情も記憶も白紙のまま生まれた人形。物静かで口数が少なく、落ち着いた性格だとストアページには書かれている。彼女が目を覚ますのは「白い巣の部屋」と呼ばれる場所で、そこはなぜか懐かしく感じられる——記憶などないはずなのに。


導くのは、聞き覚えのある「声」。自分を目覚めさせた人形師のものだ。開発元は開発ノートのなかで、ピヨリタという名前は生まれたばかりの雛鳥の鳴き声から付けたと明かしている。孵ったばかりの雛が最初に見た相手を母親だと思い込んでついていくように、彼女も本能のまま声の後を追って探索を始める——という理屈らしい。作中で「小鳥」と呼ばれるのも、そこに由来している。
やっかいなのは、声に認められたいと願っているのが彼女だけではないこと。鏡の向こうには人形師が作った数多くの人形が暮らしていて、そのなかの「失敗作」たちもまた「完成作」の座を狙っている。彼らがピヨリタへ向けるのは嫉妬と敵意。味方なのか敵なのかは、開発元も思わせぶりにぼかしたままだ。
公開された会話シーンの画面では、ピヨリタの名前が入ったテキスト欄に「……」とだけ表示されている。口数の少ない主人公という設定を、そのまま演出に持ち込んでいるんだと思う。
剣術と魔法で戦う3Dアクションへ路線変更
シリーズとの一番大きな違いは、やはりアクションゲームになったところ。キャラクターの育成や成長はもちろん残しつつ、今回は戦闘とアクションそのものの面白さに重点を置いて作っていると開発元は書いている。


とはいえ、複雑なコマンド入力を覚えたり、ずっと慌ただしく操作し続けたりするタイプのアクションではないという。ターゲット補正が入るので、誰でもスタイリッシュな動きを出せる。軸になるのは無制限のダッシュと剣術で、そこに魔法を重ねてハイテンポに立ち回る形。剣術を得意とするピヨリタが繰り出す、優雅で多彩なアクション——というのが開発元の言い分だね。
戦場の作りも3Dならでは。遮蔽物や高低差、敵の動線を使った立体戦闘で、上下方向まで含めたパズル的なフィールド体験を用意しているとのこと。実際、公開された画面には手すりで仕切られた何層もの通路や、見下ろすような高さのある広間が写っている。
面白いのは、各部屋のボスの扱い。倒したうえで一定の条件を満たすと、そのボスを自分で操れる「人形」に変えられる。フィールドで集めた素材でパーツを強化すれば、戦い方の幅がさらに広がっていく仕組みだ。素材からは新しい魔法や武器、罠も「製作」でき、物語のなかで出会う特別な人形とは連携スキルも繰り出せる。育成の楽しさを、アクションの側へ丸ごと翻訳した格好かな。
拠点になるのは、目覚めの場所でもある「白い巣の部屋」。大きな鏡が置かれていて、そこを通ってさまざまなエリアへ移動する。部屋には鏡のほかにふかふかのソファ、魔法書、ピヨリタが人形を組み立てるためのテーブルまで揃っている。次の探索に備えて武器・罠・魔法を組み合わせたり、コスチュームを変えたり、捕らえたボスを管理したりするのもここ。


そしてストーリーに関わる一部のステージでは、解放する順番によって演出が少しずつ変化する。どの部屋から開けていくかはプレイヤーが選ぶことになるので、「完成品」へ至る道筋は人によって違う形になる、というのが本作の設計。ストアページのタグに「選択方式アドベンチャー」が付いているのも、このあたりを指してのことだと思う。
なお開発元は、ずいぶん前に短いプロトタイプ映像を出した『魔女人形の影』にも触れている。まったく同じ作品ではないものの、「いつかお見せします」と言っていたものがようやく形になったという説明だった。
2027年後半発売、6言語すべて字幕とUIのみ
開発ノートによれば、発売は来年の後半ごろを予定している。時期はプラットフォームによって前後する可能性があるとしつつ、PCとコンソールの両方で出す方針。コンソールの具体的な機種は、いまのところ公表されていない。
Steamでの対応言語は日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字/繁体字)・ドイツ語の6つ。ただしどの言語もインターフェースと字幕への対応のみで、音声対応の表記は付いていない。フルボイスを期待していると肩透かしになるかもしれないので、そこは分けて見ておきたいところ。対応OSはWindowsのみで、Steam実績とフルコントローラーサポート、Steamクラウドにも対応する。
動作環境はこんな具合。
| 項目 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 8.1 / 10(64bit) | Windows 8.1 / 10(64bit) |
| プロセッサー | Intel Core i3 4340 | Intel Core i5 7500 |
| メモリー | 8GB | 16GB |
| グラフィック | GeForce GTX 950 | GeForce GTX 1060(1920×1080) |
| ストレージ | 5GB | 10GB |
推奨がGTX 1060で容量10GBというのは、見た目の密度のわりにずいぶん軽い。公開中のスクリーンショットにはどれも「WORK IN PROGRESS — VISUALS SUBJECT TO CHANGE」の注記が入っていて、これから変わる余地は残っている。
次の開発ノートは2〜3週間後の更新を予定していて、正式PVとバトルのスクリーンショットがそこで出てくる。「巣」で目を開けただけのピヨリタが実際にどう戦うのかは、その時まで伏せられたままだ。
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